アイスに使われているのは「油」! 環境にも影響を及ぼすパーム油とは

鈴木マナミ
オーガニック企業IN YOU勤務。
最初のキャリアは、出版社。営業と編集を合わせて12年経験し、大手広告代理店に転職。
多くの方が、健康に楽しく暮らせる社会を実現したいと思いオーガニック事業に足を踏み入れる。現在、経営大学院にて、経営を学ぶ。

えっ! あの白さの秘密は油!?

こんにちは、鈴木マナミです。
毎日、暑いですね。こんなに暑いと、ついつい冷たいアイスに手が伸びてしまいます。
コンビニなどで100円程度で購入できるアイス。

アイスがうっかり溶けてしまった後に、なめてみたことある方、いらっしゃいませんか。
びっくりするほど甘く、くどくなっていますよね。

冷たいと感覚がマヒするので、「甘い」と感じにくくなってしまいます。
さらに、実はアイスに含まれているのは乳成分ではなく「油」だという場合があるのです。

アイスは4種類に分類できます。

アイスクリーム
(乳固形分15.0%以上うち乳脂肪分8.0%以上)
乳固形分と乳脂肪分がもっとも多く含まれています。

アイスミルク
(乳固形分10.0%以上うち乳脂肪分3.0%以上)
乳固形分と乳脂肪分はアイスクリームに比べて少なくなっているが、牛乳と同じくらい含まれていて、植物油脂が使われていることもある

ラクトアイス
(乳固形分3%以上)
乳固形分はアイスミルクよりさらに少ない。
植物油脂が使われることもある。

氷菓(シャーベット)
上記3つ以外のもの。
乳固形分はほとんど含まれず、果汁を凍らせたアイスキャンディーやかき氷がある。

参考:
https://macrobiotic-daisuki.jp/ract-ice-210117.html

実は、アイスには乳製品が含まれているのではなかったのです。

アイスに含まれている植物性ミルクの正体は「パーム油」だった

コーヒーフレッシュに、牛乳は一切含まれていない、というのを聞いたことがある人もいるかと思います。
コーヒーフレッシュは、いわゆる植物性ミルク。
植物性ミルクは、牛乳は一切入っておらず「油・添加物・水」で作られています。
どんな油かというと、原材料はアブラヤシの実から取れる植物油である「パーム油」。

そして、ラクトアイスのほとんどは、この植物ミルクに少量の乳脂肪分(3〜10%以下のもの)とガムシロップを混ぜ、レシチンというつなぎを使って作られています。

パーム油は、企業からするととても使い勝手のいい油です。
インドネシアやマレーシア、タイなどでよく取れ、年間を通して安定して収穫することができるため、今では生産量世界一の植物油となっています。

無味無臭、しかも安い。
今や、アイスだけではなくケーキやカップ麺、ファーストフードなどあらゆるところで使われています。
パーム油、として記載されることは少ないものの、下記のような名称であれば毎日使っている、ということを納得いただけるのではないでしょうか。

植物油
植物油脂
ショートニング
マーガリン
グリセリン
界面活性剤 など

しかし、大腸がんや糖尿病、動脈硬化などの発生の報告もされており、必ずしも「安全」であるとは言い切れません。
酸化もしますので、それを防ぐための酸化防止剤を使ったりすると、さらなる健康不安も懸念されます。

パーム油は、環境破壊の一因に!?

世界では、毎年7000万トンものパーム油が生産されており、そのほとんどを担っているのがインドネシア・マレーシア・タイの3国。
特に、インドネシアではその生産量は2倍に増え、今も増え続けています。

しかしその需要に応えるため、生産地ではアブラヤシ農園を作る必要があります。
大規模な森林伐採が行われ、現在問題視されています。

例えばスマトラ島。
30年前と比較すると森は半分以下に減少。低地の森はほぼなくなってしまいました。

https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/2484.html

インドネシアのボルネオ島も、島の面積の1/3にあたる森がすでに失われてしまっています。

https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/2484.html

森林が伐採されることで、オランウータンなどの動物たちの居場所がなくなっていきます。住処を失ったオランウータンは、アブラヤシ農園に出没し、新芽を食べてしまうトラブルが起き、害獣扱いを受けてしまっています。

しかし、もともといた場所を奪っているのは紛れもなく私たち人間の方であることを忘れてはいけません。

オランウータンだけではありません。森を追われたアジアゾウなどもアブラヤシ農園に迷い込んでしまうこともあります。

また、アブラヤシ農園で働く人々が児童労働や強制労働をさせられている、という問題もあります。厳しいノルマのもと、学校に通うこともできずに働き続けなくてはいけない。
そんな問題も起きているのです。

日本にいる私たちにできること

パーム油がすべて悪いのか、というとそうではありませんよね。
パーム油を取り囲んでいる環境が、「負の連鎖」を生んでしまっています。

東南アジアの話、としてとらえるのではなく、
毎日のように触れている食品から、私たちが何をできるのか、を考えてみてはいかがでしょうか。

例えば、パーム油を使う機会を減らしてみたり、
「健全に生産されている」商品を選択したり…、など。

オーガニックの商品は、健全な環境、安全に配慮した商品ばかりなので、オーガニックの商品を選択するのはおすすめです。

また、どうしてもアイスが食べたくなったら、フルーツを凍らせてみる、などちょっとの工夫で美味しくいただくことができますよ。

その行動は、小さく思えるかもしれませんが、たくさんの人がそういうことを意識することで、世界は確実に変わっていくと、私は信じています。

IN YOU MARKET
https://inyoumarket.com/

プロフィール

鈴木マナミ
オーガニックショップIN YOU Market運営担当。
「大切な人に薦められる商品だけしか置かない」をモットーに、オーガニックの商品にふれ続ける毎日。
けれど、実は入社前はオーガニックとは無縁の生活。だからこそ分かったオーガニック生活の楽しさをお届けします。
INYOUMarket以前は、出版社勤務を経て広告代理店を経験。

 

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


PAGE TOP