第7回 暑い夏に飲むならコレがおすすめ!①

鈴木留美
スペインワイン専門輸入販売の株式会社エスタリコ・ジャパン(https://www.estarico-japan.com/)のセールスマネージャー。
都内ホテル勤務中の出会いに導かれ、スペインワイン輸入販売の世界へ関わることとなる。「笑顔は幸せを呼ぶ」と「明日は明日の風が吹く」がモットーです。
好きが原動力で、いつかスペインで暮らすことを目標に現在日本語教師の資格取得に向け奮闘中。

ワインと和食

和のお店にワインがあることも珍しくなく、和食店にもソムリエさんがいることも多くなりましたね。また、日本産のワインもあるので、土地の物には土地の飲み物という感覚でいえば、きっとピッタリくるのかもしれません。日本のワインをほとんど飲まない為“かもしれません”になってしまいました。

やはり和食には白がしっくりくるような印象があります。もちろん、以前お話したように焼き鳥にロゼも好きです。でも白と合わせるには理にかなった理由もあると思っています。例えば、日本にも先人の教えの食べ合わせとかってありますよね?

我が家に関して言えば、鰻に梅干し、天ぷらに西瓜とかありました。

では何故理にかなっているのでしょう?それは白ワインに含まれる酸によるものです。和食と言えば外国の方の印象はきっとお寿司やお刺身ではないでしょうか?お寿司は酢飯やガリが付き物なのもお腹を壊したりしないようにというのがありますよね。

白ワインには有機酸が含まれています。酒石酸、リンゴ酸、クエン酸などがそれにあたりますが、これらの酸は食中毒を防ぐと言われています。さらに、白ワインはミネラルが豊富ですので、利尿作用も促し女子の大敵浮腫みにも効果があります。

ただし、和食も色々です。淡白な白身のお刺身もあれば、しっかりとしたお醤油味やみそ味の煮つけもあります。とんかつや唐揚げだってあります。それらを考えると他の色のワインたちも出番がありそうですよね。

素材や料理の色とワインの色

どんなワインとどんなお料理が合うだろうと考えたとき、お料理の色と似たものをチョイスしてみるというのは、実は賢明な合わせ方のように思っています。白ワインに鶏肉のようないわゆるホワイトミートが合うのですから、スパイスやブドウの個性、樽をかけるか否かも関係があるとしても、まずは色合わせでペアリングしてみるのはおススメです。

実は弊社の毎年恒例の人気イベント(今年はコロナで中止)でうなぎ懐石とワインを合わせる会があります。神田にある老舗のうなぎ店とのコラボレーションなのですが、毎回弊社以外のインポーターさんも参加するので、フランスワイン、モンテネグロワインとも合わせ、オンラインでワイナリーにも参加してもらう、とても楽しい企画です。

懐石ですから、前菜からうな重デザートまで、各メニューとワインをペアリングしていきます。白焼きとかば焼きではもちろん合わせるワインも違ってきます。これが先ほど書いた色を合わせるに繋がってきます。

白焼きにフルボディの赤ワインを合わせたい!と思う方はきっとかなりの少数派ですよね。でも、かば焼きならいかがですか?逆に白より赤と思われませんか?

こんな素直な感覚でいいと思っています。

私の出会った最悪のペアリング

以前タコのメニューをご紹介した際に、肉なら赤なのか?いや、私は両方です!その概念は捨てちゃってください!とお話いたしました。

それはお魚料理や魚介類でも同じだということです。もちろん明らかにこれは白だろう、赤だろうというメニューもあります。でも楽しむこと、自分の好きな組み合わせを見つければいいんです!合わなかったら、合わないという発見が出来た訳ですからそれはそれで話のタネにしてしまいましょう。そう考えれば怖いものなしですよ!

ちなみに私の体験上のワースト1は、さきいかとワインのペアリングでした。こんな化学反応が口の中で起きるんだ!とかなりのショックを受けたからです(笑)そしてこういう体験は決して忘れないから不思議です。これは本当に恐ろしく合わなかった💦口の中で、さきいかの生臭さが何倍にもなって残ります!

“怖いもの見たさ”の興味をお持ちの方、ぜひ一度お試しください。私の場合は赤ワインでしたが、多分白ワインでも合わないのではないかと思ってまいす。

二度と合わせたくありません😢さきいかにもワインにも申し訳ないです(笑)

わたしのおススメペアリング②!!赤ワインMencíaと鮪のづけ丼

お肉好きの方が半数以上を占める日本人ですが、海に囲まれ美味しい海産物の宝庫です。そして、きっと大多数の方がお寿司屋さんに行けば必ずオーダーするであろうマグロとのペアリングを今回はご紹介させていただきます。今回は脂の乗ったトロではなく、赤身です。

みなさんはどの部位がお好みですか?グルメ番組で見かけるのはトロや大トロが多いように思いますが、実際の好みもそうなんでしょうか?

個人的には中トロがベストです。それ以上になると脂が強すぎて飽きてしまいます。年のせいかもしれませんが(笑)

さて、今回ご紹介する赤身のメニュー、マグロの漬けってあまり食べませんか?

でも、ネットを検索していると、赤身派も少なくないようですよ。私が小さかった頃のことですが、お刺身が残ったときに保存の意味も兼ねて祖母がマグロの漬けを作ってくれました。でも、残念ながら生のお魚が嫌い(今思うと誠にもったいない)でしたから、その漬けをフライパンで焼いて食べていました(笑)作り方はいたってシンプルで、醤油、味醂や煮切ったお酒などを合わせたつけ汁にマグロを漬け込むだけです。お召し上がりの際に白ゴマや刻み大葉、きざみ海苔を添えます。

では、このマグロの漬けはいつごろから食べられていたのでしょう。

ネットで調べてみました。やはり“保存”がキーワードでした。時は江戸時代まで遡ります。当時の保存技術ではきっとマグロは産地でのみ楽しまれていたことでしょう。しかし、濃い口しょうゆの登場により、日本中の人がマグロを楽しめるように変わったわけです。漬け込むことにより保存期間はグーンと延び、漬け込むことでお魚自体の余計な水分が抜けて、ますます美味しさがアップしたのです。人気が出ないわけがありませんよね!

今回この江戸時代から日本人の心を掴んでいるメニューを、スペイン北西の地域で収穫されているMencía(メンシア)とペアリングすることをおススメいたします。以前にタコの回でもご紹介したガリシア地方にほど近いBierzo(ビエルソ)の地ブドウMencía(メンシア)を使った赤ワインです。

メンシア、ご存じですか?力強い印象のTempranilloと比べ非常にエレガントなワインに仕上がる黒ブドウです。

Campo Redondo 2017
こちらもタコの回と同じ家族経営のワイナリー、Bodegas Bernardo Alvarez(ボデーガス ベルナルド アルバレス)で大切に造られたワインです。

最近では、この同じCampo Redondoのゴデーリョがまた受賞しています。今現在は今年の収穫に向け、ブドウの成熟具合を見る作業などが行われている時期です。赤ワインではありますが、赤身のお魚との相性はとてもいいのでぜひ試してみていただきたいペアリングです。

銀座にある会員制の和食店でお取り扱いがございますが、緊急事態が明けましたらぜひいらしてみてください!もしくはおうちでお刺身を買ってきて合わせてみてください!

このワインのお求めはhttps://www.estarico-japan.com/ (今なら家飲みキャンペーン中です)

〈プロフィール〉

都立高校卒業/東神開発株式会社へ入社、玉川高島屋S.Cにて受付業務/その後株式会社ミキインターナショナルにてイタリアンレストラン勤務をしながら、2回のスペインへ留学、スペインバル草分けの恵比寿Tio Danjo勤務/生花店勤/病院勤務(医療事務資格取得)/某メガバンクコールセンターSSV/製パン/日本初出店マヨルカ勤務を経て現在はホテル勤務とワインの仕事の二足の草鞋を履いております。てんぷら(スペイン語豆知識)

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