第27回「投資で失敗しないために知っておこう!投資の判断を鈍らせる『投資心理5選』」

こんにちは、ファイナンシャルプランナーの阪田順子です。

投資は知識や経験が大事ですが、心理的な部分も重要ということはご存じですか?「一流の投資家はなぜ、メンタルを大切にするのか?」「株はメンタルが9割」といった、投資のメンタルに関する本も数多く出版されていることからも分かるように、投資には心理面が強く影響するということです。

私は投資をしていて、仕事で教えてもいますが、私自身はもちろん受講生の方も、心理的なものが考え方や行動に大きく影響すると実感しています。一時的な値上がりや値下がり、目先の勝ち負けに一喜一憂せず冷静に長く投資を続けるためにも、投資家が陥りがちな心理をあらかじめ知っておくことが重要なので、今回は投資に影響する心理について書いていきます。

投資の判断を鈍らせる5つの投資心理

①プロスペクト理論

行動経済学の基礎になる理論であり、人間は与えられた情報から期待値に比例してものごとを判断するのではなく、状況や条件によってその期待値を歪めて判断してしまうというものです。
投資では、稼げたときの満足感と損をしたときの不快感を比較した場合、同じ金額であっても、稼げたときの喜びよりも損をしたときの不快感のほうが大きく感じるということになります。それゆえに、稼ぎたいという心理がはたらく一方で損を避けたい心理が働き、それがかえって大きなリスクに繋がることがあります。株価が下落したときに、損失が確定してしまうことへの抵抗感から損切りすることができずに塩漬けにしてしまう、少し株価が上がっただけで、下落による利益の目減りを恐れてすぐに利益確定売りしてしまう、といったことが当てはまります。

②自信過剰バイアス

具体的な根拠もないのに、自分の能力や判断を過大評価してしまうことです。
投資では、稼げたときの成功体験ばかりが記憶に残り、「自分には特別な能力がある」「投資で稼ぐことは簡単」などと思い込んでいるような状態です。自信があるがゆえに、リスクの高い投資に手を出したり、損をする場面があってもそれを認められずにどんどん投資にお金をつぎ込んだりしてしまうということがあります。

③アンカリング

船の漂流を防止する「いかり(アンカー)」が語源となっており、物事の判断の際に自分が知っている情報や数字にこだわってしまうことです。
投資では、最初に経験したものがハイリスクだった場合、その後の投資のリスクが相対的に低く見えてしまって、リスクを正しく判断できないということがあります。株式投資では、過去の高値を意識しすぎるあまり、さらに値上がりをすると思ってしまう「高値覚え」や、さらに値下がりをすると思ってしまう「安値覚え」などがあります。

④フォン・レストルフ効果

人の記憶には、好みとは関係なく印象深いものや目立つものが残りやすいということです。
投資では、人気があるものや話題となった投資法、稼いでいる人がやっている投資などが記憶に残りやすく、そうした記憶が投資の正しい選択や判断を誤らせてしまうということがあります。

⑤親近感バイアス

自分の慣れ親しんだ環境を最も快適と感じたり、自分と似ている人を好意的に感じて高く評価したりすることです。
投資では、親が積極的に投資をしていたら自分も投資をすることに抵抗がない、自国資産には投資しやすいなどがあります。株式投資では、自分の好きな企業やよく利用する企業の株を購入するといったことがあり、ポートフォリオが偏ることがあります。

投資心理に陥らないようにするためには?

前項でご紹介した心理で、あなたも感じたことがあるものはありましたか?そのような心理があると分かっていても、自分がその状態に陥っていると気づけないと回避しようがありませんし、気づけても回避することが難しい場合もあるでしょう。そのために、陥らないようにする必要がありますが、その方法は二つあります。
一つ目は、投資の勉強をしっかりとすることです。投資する金融商品についてはもちろんですが、経済状況や世界情勢にも目を向け、値上がりや値下がりの状況を客観的に判断できるようなることで、冷静に対処できるようになるでしょう。二つ目は、積立投資や自動売買などを活用することです。売買をルール化してしまえば、値動きに対して気を取られることも少なくなるでしょう。

まとめ

投資は一つの判断ミスが大損を招いてしまうこともあるので、損をしている場面だけでなく、利益が出ている場面でも注意が必要です。注意するためには、まず自分がどんな心理状態になっているかに気づくことが重要なので、何かを判断するときにはその状況を客観的に見ることを心がけるとよいでしょう。
今回紹介した5つの投資心理以外にも、人の心にはさまざまな「心理的な罠」が潜んでいるので、投資の際には、できるだけ冷静な判断ができるよう自身をコントロールしていってくださいね。

<阪田の独り言>

私は株式投資をよくやりますが、今でこそルールを決めて損切も普通にしますが、以前は損切りができませんでした。まさに、プロスペクト理論ですね!おかげで、塩漬けになってしまった株がけっこうありますが、二度と塩漬け株は作らないという戒めのために今でも保有しています(^_^;)

<プロフィール>

阪田順子/ファイナンシャルプランナー
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®超初心者向けマンツーマン投資サポーターとして、投資が「怖い」「難しい」「わからない」という方をマンツーマンでサポート。
知識がない、専門用語がわからない方でも投資をスタートできる、「資産運用講座」や「株式投資講座」が人気。投資で失敗し数千万円を失った身内を見て、投資は絶対にやらないと決めていたが、ファイナンシャルプランナー資格取得と同時に勉強のために投資を始める。
「失敗したらお金を失う」という不安を抱えながらのチャレンジだったが、適切な投資をすれば安定的にお金が増える、稼ぐことができることを実感する。
その後は本格的に投資について学び、年収を2倍以上にすることに成功。
お金があれば人生が豊かになるだけでなく、何かあったときも安心なため、投資を多くの人に始めてもらいたいと考え、以前の自分のように投資にネガティブなイメージや苦手意識を持つ人が投資を始められるようにマンツーマンでサポートをする講座を開始。投資で豊かな人生が送れる人を増やすために、ブログやSNSで情報発信も行う。
アメブロ:https://ameblo.jp/meromeromeronnu/
Instagram:https://www.instagram.com/jsfp2020/

 

 

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