心が豊かになる「香りの力」が実はスゴイ

鈴木マナミ
オーガニック企業IN YOU勤務。
最初のキャリアは、出版社。営業と編集を合わせて12年経験し、大手広告代理店に転職。
多くの方が、健康に楽しく暮らせる社会を実現したいと思いオーガニック事業に足を踏み入れる。現在、経営大学院にて、経営を学ぶ。

ストレス×香りの研究は始まったばかり!

こんにちは、鈴木マナミです。
3月に入り、すっかり春めいてきました。
しかし東京に住んでいる私は、またもや緊急事態宣言が延長されて、まだまだ春を楽しむ環境にはありません。
(もちろん、宣言が解除されても、注意は必要ですよね)

沈みがちな気持ちを整えるには、実は「香り」の力がとても有効だとご存知ですか?

たかが香り。
されど香り。

動物にとって香りは、とても重要な器官で発達しています。
しかし人間にとっては、他の器官が補ってくれるため、あまり発達していません。

けれど、香りのもつ力はすさまじく、知らないうちにメンタルにも影響を及ぼしていると考えられるんです。

香りは脳にダイレクトに届く!

香りをかいだ時、その情報がどうやって身体に届いているか、というと
鼻腔の上部にある嗅上皮を経由して、学習・記憶、情動などの機能と密接に関わっている大脳皮質に伝わり、自律神経や内分泌系を支配している視床下部に伝えられます。

実は見たり、聞いたりしたときの刺激は、「大脳新皮質」に伝えられますが、
香りは「大脳辺縁系」に伝えられます。

大脳辺縁系は、古くからある脳で感情に直結します。
大脳新皮質は、知性に関わる部分なので、まず「認識」して、そこから判断をします。

つまり、この大脳辺縁系は感情にダイレクトに届き、
心身のリラックスを司る自律神経系と連携して心への影響力は高いのです。

例えば、いい匂いの花があったとき、
嗅覚では、単純に「いい匂い」と感じて、「●●●の花だ」と認識します。
目で見た時は逆で、「これは●●●の花だ」と認識してから「いい匂い」と感じるのです。

いい香りをかぐと、理屈抜きでリラックスできたり、ほっとしたり。
逆にやる気に満ち溢れたり、イヤになっちゃったり。そんなことありませんか?

私たちの生活には、思った以上に香りがあふれています。
そして、無意識下で香りはあなたの生活に影響を及ぼしているんですよ。

香りだけで生産性が大きく向上!

以前、こんな実験があったそうです。
(社団法人「空気調和・衛生工学会」の岩橋基行氏『香りと環境』理工図書)

女性のオペレーター13名に対して、ラベンダー系・ジャスミン系・レモン系の香りを1か月間卓上型の空気清浄機に香りの発生器を埋め込んで作業効率をチェックする実験です。

結果としては、香りのない場合と比較してすべての香りの場合もミス率は低下しました!

香りがない場合のミス率を100とした場合、
ラベンダー系が79、
ジャスミン系が67、
なんとレモン系は46と、ミス率が半分以下になっています!

さらに、時間当たりのキーボードをたたくストローク数も香りがあった方が多くたたいており、生産性の向上が認められました。

ジャスミン系の香りはリラックスを促し、大胆な気分にさせることから、ミスが誘発されるのではないかと予想されていましたが、逆の結果になりました。
またラベンダー系もリラックス系の香り。
リラックスをしたことにより、集中力が上がり、ミスが減ったと考えられます。
集中力を高めるレモン系の香りの影響力はすごいですね!

香りの漂う空間では、ミスが少なく、早く作業をすることができるという結果になりました。
では、身体・精神面への影響はどうでしょうか?

別の実験で、27~47歳の男女6名に対して、簡単な足し算問題を30分解いてもらいました。その誤答数・計算速度を測定したところ、香りのある場合はコンスタントな速度で問題を解いているのに対し、香りがない場合は後半になるにつれて計算速度が遅くなっていることが分かりました。また、誤答率も香りがない方に比べて小さいことが分かりました。

しかし、面白いのはここからです。
作業が終わった後の自覚症状のアンケートを見ると、気分のさわやかさや、首筋・肩の凝りなどについて全体的にいい結果が出たのです!

同じ作業をしていても、香りがあるのとないのとでは、精神的・肉体的にも感じ方が大きく変わってくるのですね。

生活の中で、意外と使える精油

香りの力は実は、私たちの身体にも大きく影響を与えることが可能なんですよ。
鼻粘液は非常に薄く、血管もたくさんあるので、鼻粘液から精油が血液循環に取り込まれます。
多くの精油は、空気とともに咽喉、気管、気管支を通って肺に入ります。
実は、生活の中において、のどで感染源をブロックするような精油や、咳にきく精油なんかもあるんですよ。

香りの力というと、リラックス、安眠というイメージが強いかもしれませんが、
ほかにも掃除に役立つもの、やる気を出させてくれるものもあります。

例えば、のどで感染源をブロックする精油は、
オレンジ・カルダモン・サンダルウッド・ティーツリー・フランキンセンス・ペパーミント・ベルガモット・ベンゾイン・マージョラム・ユーカリ・ラベンダー・レモン・ローズマリー などです。

殺菌消毒作用、抗ウイルス作用、消炎作用のある精油です。

また、咳をしているときは気管支が細く収縮していることが多いので、鎮痙作用の精油を使うとよいですよ。(一般的な風邪を想定しています)

例えば、
オレンジ・カモミール・クラリセージ。サイプレス・サンダルウッド・ジャスミン・ジュニパー・ネロリ・ブラックペッパー・ペパーミント・ベルガモット・マージョラム・メリッサ・ヤロウ・ユーカリ・ラベンダー・ローズ・ローズマリー などです。

季節の変わり目で、体調がすぐれない方には是非試してみてくださいね!

※妊娠中には注意しなくてはいけない精油がありますので、ご使用の際にはかかりつけの医師に相談されるとよいかと思います。

どんな香りを選べばいいかわからない方へ

どんな香りを選べばいい? と聞かれることがよくあります。
その質問に私は「あなたが心地よいと思った香りを選んでください」、と答えています。

同じ香りでも、その日の気分や体調によって感じ方が異なります。
心地よいと思った香り、それはすなわち、あなたに不足している成分だ、ということです。

香りは、直接あなたの感情を左右します。なので、心地よく感じるものが一番です。

ざっくりとした香りの傾向は、
●●ウッドなどの木部から抽出している香りは、重いどっしりした安定感のある香り、
レモングラスなどのとがった形の葉っぱから抽出している香りは、シャープで、すっきり香るもの、
花などから抽出している香りは、華やかでフローラルな香り、
オレンジなどの果実から抽出しているものは、フレッシュでさわやかな香りのものが多いです。

期待したい効果を、ブレンドしているオイルもあるので、何を選んだらいいかわからないけど、●●に効くのがいい! という場合は、ブレンドオイルを選ぶのもおすすめですよ。
是非参考にしてみてください♪

※どんなに心地よくても、キャリアオイルなどを使って肌につけるときは、必ずパッチテストをしてから使用してください。
※妊娠中や、赤ちゃんに使用するときには注意が必要な精油もありますので、かかりつけ医などに相談してから使用してください。

香りもやっぱりオーガニックなものを

感情だけではなく、身体にも大きな影響を与える香りだからこそ、できるだけこだわった原料で作られている香りを近くに置いておきたいですよね。

例えば同じ「ローズ」の香りでも、香りの質は本当にピンキリ!
身体への影響を考えると、ちゃんと選んだ方がいいなぁ、と個人的には思います。
(ちゃんとこだわって抽出している香りは、本当に心地いいです♪)

例えば、農薬不使用の木材から抽出した精油や、医療レベルの精油などもあります。
IN YOU Marketでも精油や、精油をブレンドしたスプレーや美容オイルなどを扱っていますので、ご興味ある方はぜひご覧くださいね。

>>> オーガニックショップで精油をチェックする

プロフィール

鈴木マナミ
オーガニックショップIN YOU Market運営担当。
「大切な人に薦められる商品だけしか置かない」をモットーに、オーガニックの商品にふれ続ける毎日。
けれど、実は入社前はオーガニックとは無縁の生活。だからこそ分かったオーガニック生活の楽しさをお届けします。
INYOUMarket以前は、出版社勤務を経て広告代理店を経験。

 

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