【令和女子は知っている 美・教養】
第38回 アフタヌーンティー

< 美・教養15 英国マダムのおもてなし術 >

こんにちは。salon de Saga manners主宰の嵯峨裕美子です。

これまでヨーロッパの社交界などで実体験した経験をもとに、たくさんのご受講生にエチケット&プロトコール マナーからメイク、ヘアスタイル、ファッション、パーソナルカラー&スタイル診断などトータルにアドバイスさせていただきました。

2024年からは「令和女子は知っている美・教養」で品格を磨く大人のマナーから、人生を豊かに愉しむための秘訣についてお伝えいたします。

アフタヌーンティーは、イギリスの文化的な習慣として世界中に広まっており、特に観光客や伝統を大切にする人々の間で人気です。アフタヌーンティーは、紅茶と一緒に提供されるスコーン、サンドイッチ、ケーキといった軽食が特徴です。現代でも、アフタヌーンティーの席は上品な空間であり、食事だけでなく、ホストの礼儀作法やおもてなしの心が試される場になっています。

美・教養15「英国マダムのおもてなし術」についてご紹介します。

<1. ゲストを迎える心構え>

アフタヌーンティーを成功させる鍵は、おいしい紅茶や軽食だけでなく、おもてなしの心ににあります。英国マダムたちは、ゲストが気持ちよく過ごせるように、事前準備から当日の進行まで、細かい配慮を欠かしません。アフタヌーンティーにおける重要なホスピタリティ術を日常の生活、ビジネスの場面などでも活用しましょう。

ゲストリストの作成と招待状の送付

アフタヌーンティーは親しい友人や家族を招くことが多いですが、正式な場であれば招待状を手書きで送るのが理想的です。特に、礼儀を重んじる英国マダムたちは、待状を手書きで送ることが多く、その内容も丁寧で礼儀正しいものです。ゲストがリラックスできるよう、招待状には具体的な情報とおもてなしの心をを込めましょう。

テーブルセッティング

アフタヌーンティーのテーブルセッティングには、特別な注意が必要です。
アンティークのティーカップや華やかなティーポットを使うことで、品位と美しさを演出します。クロスやナプキンにもこだわり、テーブル全体が洗練された印象になるよう心がけましょう。

時間管理

アフタヌーンティーは午後の特別な時間です。ゲストがリラックスできるように、開始時間には柔軟性を持たせつつも、日本では夕食の時間が早いので午後3時から5時のの間に設定します。

ゲストへの気配り

英国マダムたちは、常にゲストの様子に気を配り、リラックスして楽しんでいるかどうか確認します。例えば、紅茶がなくなりそうなときにはさりげなく注ぎ足し、笑顔でコミニュケーションをとることが大切です。

<2. メニューの選び方>

アフタヌーンティーの魅力は、紅茶だけでなく、提供される料理やスィーツにもあります。

紅茶

アフタヌーンティーにおいて、紅茶の選び方は非常に重要です。最も伝統的なのは、ダージリンやアールグレイなどのクラシックな紅茶です。また、ミルクティーとして楽しむために、アッサムティーも人気です。ゲストの好みに応じて、複数の紅茶を用意するのが理想的です。

サンドイッチ

アフタヌーンティーでは、軽食としてのサンドイッチが必須です。薄く切ったパンに、きゅうりやサーモン、卵とカレーマヨネーズ、ローストビーフなどの具材をはさみます。一口サイズにに切ることで、エレガントさと食べやすさも重視します。

スコーン

英国の伝統的なお菓子であるスコーンは、アフタヌーンティーに欠かせない存在です。クロテッドクリームとイチゴジャムを添えて提供するのが一般的です。スコーンは暖かい状態で提供するのがベストです。

デザート

ケーキやタルトなどのデザートも、アフタヌーンティーの楽しみの一つです。英国伝統のヴィクトリアスポンジケーキや、レモンタルトなど、見た目も華やかなスイーツが人気です。デザートの選び方は、ゲストの好みや季節に応じて工夫すると良いでしょう。

<3. 英国マダムのティーポットの選び方>

英国マダムにとって、ティーポットの選び方はアフタヌーンティーの成功に直結します。理想的なティーポット選びのポイントを紹介いたします。

素材

ティーポットの素材には、陶磁器や銀が一般的に使用されます。陶磁器は保温性に優れており、紅茶の風味をしっかり保つことができます。ウェッジウッドやロイヤルアルバードといった英国のブランドが人気です。

デザイン

ティーポットのデザインも重要です。アンティークスタイルのものや、エレガントなフローラルパターンのものが、アフタヌーンティーの雰囲気を一層高めます。ティーカップやティープレートと
コーディネートすることで、統一感を持たせましょう。

機能性

ティーポットは美しさだけでなく、実用性も求められます。注ぎやすさや蓋の密閉性、持ち手の握りやすさなど、細部まで考慮することが大切です。

<4. インテリアと雰囲気作り>

英国マダムたちは、アフタヌーンティーの時間を一層楽しむために、インテリアや雰囲気作りにもこだわります。

フラワーアレンジメント

テーブルには、季節の花を使ったフラワーアレンジメントを飾りましょう。生花は、空間に彩りと華やかさを加え、ゲストを歓迎する雰囲気を演出します。

照明

明るすぎない柔らかな照明を使うことで、リラックスした雰囲気を作り出します。特に、日が落ち始める頃には、キャンドルや間接照明を使うことで、温かみのある空間を演出できます。

音楽

アフタヌーンティーの背景には、静かでリラックスできる音楽を選びましょう。クラシック音楽やジャズが、英国マダムたちの間で好まれる選択肢です。音量は控えめにして、会話を邪魔しないように調整します。

<マナー美・教養のポイント>

アフタヌーンティーは、単なる食事や飲み物を楽しむだけでなく、おもてなしの心を大切にする文化です。英国マダムたちは、細やかな配慮と礼儀作法を通じて、ゲストに敬意と感謝を示します。ホスピタリティ術は、日常の喧騒から離れた優雅なひとときを提供するための技術と心配りが詰まっています。
現代でも、アフタヌーンティーを通じて、伝統的な英国の文化に触れ、上品で洗練された時間を楽しむことができます。マナー美人の秘訣として、英国マダムのようなホスピタリティ精神を取り入れ、素敵なアフタヌーンティーをおもてなしの場として活用してみてはいかがでしょう。

嵯峨裕美子プロフィール
salon de Saga manners主宰
スイスが誇る伝統のフィニッシングスクール、ヴィラ・ピエールフー(Institut Villa Pierrefeu)を卒業され、プロトコールマナーを基軸としたスクールに20年間、従事し専属講師、副学院長を努める。欧州、王室主催の舞踏会に多数出席。
欧州社交界の経験から、受講生の実践の場としてモナコ王室「バラの舞踏会」やフランス「パリの舞踏会」、エルメス社主催「エルメスカップ」などの社交界に出席される方へ、テクニックや知識を伝え「教養を身につけ、人生を豊かに楽しむ。」ための講座やVIP研修を展開する。ホームページ http://salon-de-saga.com/
「エチケット&プロトコールマナー」「大人のマナー シリーズ」「メイクレッスン」を開催中。

 

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