スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。 エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。 |
脳が健康であれば、日々のストレスの影響を大きく受けることなく、心と身体を健やかに保つことができます。脳の疲労回復のポイントは、「五感」に働きかけることだそうです。そこで今回は、五感についてのお話です。
五感が衰える順番
「五感」は、人間が危険を察知するための大切なセンサーのようなもの。五感で感じ取った情報はすぐに脳に伝達され、次に行うべき行動の指令が脳から出ます。しかし、五感は加齢とともに衰えていくといわれています。どんな順番で衰えていくのでしょうか。
様々なジャンルの雑学情報を発信している雑学カンパニーの記事から、衰えやすい順にあげてみます。
1. 視覚
機能的に、もっとも衰えるのが早いといわれているのが視覚。小学生の頃から近眼でメガネをかける子がいるように、視覚は早い段階で衰え始めていく。しかし、メガネやコンタクトなどで比較的かんたんに視力矯正ができるため、視力が落ちたことだけで「視覚が衰えたなあ」とは感じづらい。視覚の衰えを感じるのは、老眼が始まる30代後半からといわれている。
2. 聴覚
視覚の次に衰えるのが、聴覚る。聴覚も鍛えておかないと、10代後半から衰え始めるといわれている。普段の会話やTVが、なんとなく聞き取りづらい気がするなあ…と聴覚の衰えを感じはじめるのは、60代に入ってからの人が多いそうだ。
3. 嗅覚
嗅覚は、20歳を過ぎてから衰えるといわれている。実は、嗅覚は五感の中でも謎が多く、未だに研究段階の事柄もあるそうだ。嗅覚が衰えると、味が感じづらくなり食欲も落ちてくる。食欲が落ちると、筋力も落ちて活動量も減り、やる気もなくなる。加齢による意欲の低下は、嗅覚の衰えも一因かもしれないという。
また、普段無意識にかぎわけているのが、天気の変化や朝晩などの時間の変化。これ、実は嗅覚でも感じ取っているらしい。「あ、なんか土っぽいにおいがする、雨降るのかな?」とか、みなさんも何か臭いで天気を感じたことはないだろうか? 嗅覚が衰えると、こういった季節の変化や時間の変化も感じにくくなるとは…。
4. 味覚
嗅覚の次が味覚。20代後半から衰えるといわれている。味覚には、「甘味・酸味・塩味・苦味・旨み」の5つがあるが、年をとると特に、甘味と塩味の感度が低下してくる。おじいちゃんやおばあちゃんが、「味が薄い」といい、何にでも醤油や塩をかけることがあるのは、味覚が低下したせいだ。また、子供の味覚は大人の3倍といわれている。小さいころ嫌いだった食べ物が、大人になったら食べられるようになった! という経験をしたことがある人もいると思う。それは味覚が鈍ってきたからといえる。
5. 触覚
最後は触覚。触覚は60代以降も衰えないといわれている。触覚があることで、痛いとか熱いなどを感じる。いわば、触覚は身を守るために備わっているものだ。猫をなでたり、赤ちゃんのほっぺをプニプニしたり、安心できる人と手を繋いだり…何歳になっても衰えない触感は身を守るだけでなく、心も守る感覚でもある。
一方、死の間際に最後に残る感覚は「聴覚」だそうです。
2014年10月、イギリスのサウサンプトン大学の研究チームが、学術誌「Resuscitation(蘇生)」電子版で発表した「肉体的な死のあとの意識」についての研究結果があります。
この研究チームは、イギリスとオーストリア、アメリカなどで、心停止から蘇生した患者330人のうち、101人に対して聞き取り調査を実施しました。そのうち、39%の患者が、心臓が再始動する前にも意識を自覚していたとの結果が出たそうです。そして、その患者の一人は、研究者らが3分間隔で鳴らしたブザー音を「2回聞いた」とも証言したとのこと。心臓が停止するということは、目はもちろん閉じているし話すこともできなくなります。周りからみると、「死んでいる状態」と認識してしまうのですが、本人は意識があり、耳は聴こえている可能性があるということです。
科学的な研究結果だけでなく、様々な専門家が数多くの経験をしていると言います。病院やホスピスなどで働いている人は、患者の親族に対して、「最後まで声をかけ続けてください」と促すようです。その理由は、目を開けることや話すことができなくても、聴覚は最後まで残る感覚であることが分かっているから・・・。
実際、ホスピスで働く音楽療法士が、数日間意識がなく昏睡状態の患者に対し、その患者が好む音楽を聴かすと、表情が柔らかくなり微笑むのだそうです。それが、一人の患者だけでなく、何人もの患者さんについても同じように効果を発揮することが分かったとき、自ずと「聴覚」は最後まで残っているのだなと感じるそうです。
現代人は五感が鈍い
身を守るために備わっている大切な五感ですが、加齢とともに衰えていくのは仕方がないこと。しかし、現代人は年齢とは関係なく五感が鈍くなる人が増えているようです。
原因は情報過多な環境にあります。情報をシャットアウトしようとしても、スマホやパソコンを見れば興味のない不必要な情報まで目に飛び込んでくるし、街に出れば人や騒音でうるさく、休まるところがありません。そんな状態が続けば、人間の脳は疲れてしまい、徐々にストレスを感じることになってしまいます。そんな環境の情報を全てキャッチしていると、脳はパンクしてしまうため、知らないうちに五感を鈍感にすることでそれを防いでいるのです。
疲れている時こそ、五感を刺激
鈍くなっている五感を刺激するには、どうしたらよいのでしょうか。
健康外来サロンや脳疲労専門外来も開設し、脳科学をベースに女性のトータルヘルスを指導されている横倉恒雄先生(横倉クリニック院長)によれば、
「肌に触れる春の風の感覚、洗濯物を取り込んだ時に香るお日様の匂いなど、日常生活の中に、五感を刺激するものはたくさんあふれています」と、身近なところでも意識次第で五感は刺激できると指摘されています。具体例をあげると・・・
視覚
五感の中で、視覚は80%を占めている感覚。文字情報ではなく、空を見上げたりして、本能の脳を刺激するようにしましょう。
聴覚
虫の音や芝生を踏みしめる音などの控えめな音を感じることは、聴覚を刺激するのに有効です。好きな音楽を聴くのでもOKです。
味覚
おすすめは「快食療法」。好きな物を快く食べ、脳を満足させましょう。旬の味覚を取り入れ、舌で季節を感じることも大切です。
嗅覚
おすすめはアロマテラピーです。好きな香りを嗅ぐことで脳が瞬時にリラックスします。季節の変化も香りで感じてみましょう。
触覚
肌に手を当てることは、それだけで気持ちよさにつながります。脳に一番近い頭皮のマッサージは、脳の疲れとりに有効です。
以上、エゴレジ研究所から五感についてご紹介しました。脳が疲れていると感じたら、五感を刺激して気分をリフレッシュしましょう。人それぞれ気持ちよいと思うものは異なるので、自分に合った方法を見つけてみましょう。五感の刺激は、アンチエイジングにもつながります。
エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。
あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/
<プロフィール>
代表 小野寺敦子/ 心理学博士
目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授 |
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GM 畑 潮/心理学博士 GCDFキャリアカウンセラー 健康リズムカウンセラー |
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