遊びのこころ

代表 小野寺敦子/ 心理学博士

目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
同校 心理学研究科大学院修士課程
スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。

GM 畑 潮/心理学博士

最近になって「遊びは楽しむ以上に不可欠なもの」というTED Talksを視聴しました。『遊び』は「創造性」とも深い関係があります。「効率性」や「結果」、「目的」や「固定観念」にとらわれないのが『遊び』のいいところです。日々の暮らしや自分の心に、そんな『あそび』をもたせることは、子どもだけでなく大人にとっても大切なことだそうです。今回は、そんな「遊びのこころ」についてのお話です。

一生を通じて遊ぶ

精神科医でナショナル・インスティテュート・フォー・プレイの創始者であるスチュアート・ブラウン博士は、6000人を対象に遊びと成長の調査を行い、遊びが人間のさまざまな面に良い影響を及ぼすという結論を得ました。

遊ぶと身体が健康になり、人間関係が改善され、頭がよくなり、イノベーションを起こしやすくなるというのです。「遊びは脳の柔軟性と順応性を高め、創造的にしてくれます」と彼は言っています。「遊びほど脳を奮い立たせる行動はほかにありません」と。遊びを続けることで、何歳になっても私たちはより賢くなることができます。私たちの種の特徴は、一生を通じて遊ぶように出来ていることです。(遊びスイッチ、オン! 脳を活性化させ、そうぞう力を育む「遊び」の効果 / 原タイトル:PLAY)

  1. 遊びたいと思う気持ち。また、遊び半分の気持ち。
  2. ゆとりやしゃれけのある心。「まじめ一方で遊び心がない」
  3. 音楽を好む心。「みかど、いみじう―おはしませど」〈栄花・鶴の林〉

遊び心とは、「遊びたいと思う気持ち」「遊び半分」という意味がもともとの意味ですが、「ゆとりのある」「洒落っ気のある」という意味も含まれており、ほとんどが後者の意味で使われています。辞書をひいてみると、1、2は今でも使われる意味ですが、3番目から「音楽を好む心」という意味で古来より使われていることが分かります。

遊びが大切な理由(わけ)

ハーバード・ビジネス・レビューおよびリンクトイン・インフルエンサーの人気ブロガーでもあるグレッグ・マキューンもその著書「エッセンシャル思考」の中で遊びの大切さを指摘しています。

◆遊びは選択肢を広げてくれる

それまで気づかなかった可能性や、思いがけないつながりに気づかせてくれます。遊ぶことで、私たちの視野は広がり、常識にとらわれないやり方が見えてきます。意識の流れが豊かになり、新たなストーリーを発見できるのです。

日常生活の中のなにげない小さな道具が、見方1つで変身することがあります。たとえば「クリップ」は、本や手帳に挟む「しおり」にもなります。「クリップ」と「しおり」。無関係のように思われた2つのものに初めて「つながり」を見出した時、はッとしませんでしたか?

◆ストレスを軽減してくれる

辛いことや嫌なことがあったけれど、大好きな趣味に没頭しているうちに忘れてしまった……というような経験はありませんか?『遊び』は、自由に想像力を働かせ、歩き回らせてくれ、「ストレスのある状況」だけが自分の暮らすフィールドではない事に気づかせてくれます。

ステュアート・ブラウン博士によると、実験の中で「十分に遊ぶ」ネズミのグループと「遊びを止めさせた」ネズミのグループを比較したところ、「遊ぶ」ネズミ達は、状況に対してより「柔軟」に適応でき、生き残る確率が高かったそうです。心と行動が「柔軟」になって、いろいろな変化がすんなりと受け入れられるようになったと言えるでしょう。

◆遊びは脳の高度な機能を活性化する

精神科医のエドワード・M・ハロウェルによると「(遊びは)脳の実行機能に良い影響を与える。実行機能とは、計画、優先順位づけ、スケジューリング、予測、委譲、決断、分析など。つまりビジネスでの成功に不可欠なスキルを多く含むものである」と。遊びは脳の論理的で冷静な部分を刺激すると同時に、自由奔放な探求心をも刺激してくれます。主要な発見の多くが遊びを通じて生まれるのは、そのためだそうです。

暮らしの中に遊びのこころを!

ちょっとだけ自由に心を遊ばせて、暮らしの中のに遊びを見つけてみませんか?

  1. いつもと違う道を通ってみる
    あえていつもと違う道を歩いてみる、たまには意図的に「迷子」になってみるのも面白いと思います。いつもは通らない路地に入ってみたり、「遠回り」をしてみたり……。「こんなところに、綺麗な花が」「こんな公園、あったんだ」と、新しい発見が広がります。
  2. 新しい食材を「料理」してみる
    食べたことのない食材の「料理」をしたり、使ったことのない食材などを使ってみるのはいかがでしょうか。「新しいレシピを試してみる」のも楽しいですね。新しい味覚を経験することもでき、いつもの食卓が新鮮になります。
  3. 手で何かを「つくって」みる
    「手を動かす」のは楽しいものです。実際にものに触れて「ものの性質」や「素材の質感」と向き合ううち、頭だけで考えていた時とは違う、“新しいアイデア”がひらめいたりします。「こんな使い方もできるかな?」「あのアイテムを使ったらどうだろう?」など。
  4. 架空の「旅行計画」をたてる
    「架空の旅行計画」を立ててみませんか。ネットサーフィンやガイドブックで、世界中の美しい場所の中から「行きたい場所」をピックアップ。コロナ禍の状況に関係なく、実際に行くわけではないので「資金」や「時間」も気にしなくていいのです。遊んでみるのですから・・・。
  5. 「好きな景色」「見たことがない景色」をみつける
    「目的地」を決めず、気が向いた駅で降りて「その場所の空気」を味わうのも面白いのではないでしょうか。あるいは自転車でちょっと遠出してみるのもいいでしょう。思いがけないお店や出来事に出会うかもしれません。

「遊び」と「創造性」

かつてパブロ・ピカソは「子どもはみな、生まれながらのアーティストだ」と言いました。子どもが遊びながら描く「絵やアイデア」は、大人の思いつかないような「創造性」にあふれています。一方、大人はなぜ、次第に自由な発想や「創造性」を失ってしまうのでしょうか。大人になるにつれ「遊ばなくなる」ことと、もしかしたら関係があるのかもしれません。大人には、結果を気にせずに「遊ぶ」のは難しい局面があります。「間違い」や「失敗」を恐れるあまり、たくさんある選択肢を初めから考えにも入れず、捨ててしまているのかもしれません。

しかし、大人のやり方にもいいところがあります。「最少のステップ」を踏んで「効率的」に仕事を進めたり、「限られた時間」で毎日おいしい料理を「成功」させたり……。日常生活を危うげなく維持しなくてはならない大人にとって、この「効率性」は欠かせないものです。ただ、いつのまにか切り捨てているアイデアの中に、思いがけない素敵な可能性が眠っていたとしたら、ちょっと残念です。

「創造性」は「特別な人」にだけあるものではなく、誰にでも備わっているものです。ただ、無意識に捨て去ってしまっているだけなのかも・・・。「遊び」は、そんなきらめく「創造性」を暮らしに取り戻してくれます。「結果」や「目的」に縛られず、「決まりきった考え方」からもひととき解放される「遊びの時間」。のびのびと自由に心を遊ばせて、楽しんでみてください。

書:小島 明子

以上、エゴレジ研究所から遊びのこころについてご紹介しました。遊びこころのある人は、メリハリをつけることが出来る、空気を読んで冗談を言うことが出来る、柔軟な考え方をすることが出来る、ストレスケアを上手に行うことが出来る、引き出しをたくさん用意できると言われています。遊びこころを持つことで、仕事の幅も格段に広がりやすくなりますし、プライベートの楽しみ方も変わって来ます。話題も豊富になりやすいでしょう。色々なポイントを意識して、遊びのこころを楽しみましょう。

エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。

あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/

<プロフィール>

代表 小野寺敦子/ 心理学博士
目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
・・・・同校 心理学研究科大学院修士課程教授
・・・・同校 心理学研究科博士後期課程教授
臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問
NYこどものくに東京 理事

GM 畑 潮/心理学博士
GCDFキャリアカウンセラー
健康リズムカウンセラー

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