第二の人生を考える

スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。

人生100年時代、人生の後半はどう過ごしますか。人生の後半は単なる「余生」ではなく、「希望に満ちた第二の青春」「新たなライフサイクル」と捉えられるようになっています。そこで今回は、第二の人生についてのお話です。

第二の人生はいつから

第二の人生とは、半生の営みに区切りをつけ、新たな環境や心持ちで人生を歩み始めるという意味合いをもち、セカンドライフとも言います。

一日の中で自由に使える時間が平均10時間あるとします。60歳から平均寿命に近い80歳までの20年間で換算すると、10時間×365日×20年で73,000時間となります。この73,000時間というのは、大学を卒業してから60歳まで、週5日で1日8時間働いた時間(約76,000時間)とほぼ同じです。「第二の人生」は、人生における長い自由時間であるとも言えます。

朝日新聞Reライフプロジェクトが運営するコミュニティー「読者会議」(約13,000人)で実施した調査があります。

Q.第二の人生の始まりはいつなのか。
最も多かった回答は「自分が定年を迎えた(仕事にひと区切りつけた)とき」で、全体の6割を占めていました。
女性の場合、「子どもの独り立ち」や「パートナーの定年」「親の介護の区切り」にも、男性よりも多くの回答がありました。

Q.実際に何歳まで働くことが理想なのか。
「働き続けられればいつまでも働きたい」(29%)が最も多く、「70歳まで」(23%)と続きます。一般的な定年年齢は60歳か65歳。65歳を超えて働き続けたい人が6割超となっていました。
ただし、第二の人生での働き方の基準は、定年前とは異なっています。回答者(複数回答)の4割を超す人が選んだのは、「達成感が得られること」と「世の中に貢献できること」。次いで「健康増進にもプラスの効果があること」「働く場所と時間が自由に選べること」「自分が成長できること」を選んだ人も3割に達していました。

働き続けたい人のなかには生活の糧が理由の人も少なくないようで、仕事選びの基準を聞いた質問では、「収入を得るため」という回答が3割を超えています。背景にあるのは、寿命が延びればその分、将来のおカネの不安も大きくなるという思いでしょうか。

第二の人生で「1番重視したいこと」

40代・50代の女性 1,015名を対象として、エステサロン「Bloom」が行った『第二の人生』に関する意識調査(2019)に気になるランキング結果があります。

Q.第二の人生をどう過ごしたいですか?
もっとも多かった回答は「健康的な生活を重視」(69.3%)でした。ついで、「夫婦生活や婚活などパートナーシップを重視」(15.2%)、「引越しや移住など住まい選びを重視」(6.9%)、「起業や転職など仕事を重視」5.3%と続きました。

Q.やり残したことはありますか?(複数選択可)
もっとも多くの声が聞かれたのは、「旅行」(50.6%)でした。次いで、「貯金」(38.7%)、「自分磨き」(31.5%)、「趣味」(28.8%)、「ダイエット」(17.4%)、「恋」(12.7%)と続きました。

あなたがこれからの人生でやりたいこと、これまでの人生でやり残したこと、は何でしょうか。ぜひ、このアンケート結果を参考に、新たな自分の可能性や、将来の展望を考えるきっかけにしてみてください。

第二の人生を楽しむために必要なもの

第二の人生では、自分のために自由に使える時間が増えて生活スタイルが大きく変化します。今までほとんどの時間を捧げていた仕事がなくなってしまうので、退屈と感じてしまう方もいるかもしれません。ですが、生きがいを持って過ごせれば毎日を生き生きと過ごせます。こちらでは、第二の人生を楽しむための前提条件として必要なものはなんでしょうか。

経済的な余裕
経済的な不安は、ストレスに直結することが多いものです。毎日を楽しむためには、経済的な余裕は不可欠だといえるでしょう。
また、趣味などを気兼ねなく続けるためにもお金は必要です。さらに、年を重ねるにつれて通院や自宅のリフォームなどの必要性が増し、出費が増えるケースがあります。
総務省の「家計調査報告(家計収支編) / 2021(令和3年)」によると、世帯主が65歳以上の2人以上の家計の平均消費支出は1ヶ月で249,572円です。1年で計算すると、約300万円必要になります。収入が年金のみであれば、心もとない方もいるでしょう。
定年前に十分に貯金しておくだけでなく、退職後も無理なく働いて収入を増やすのがおすすめです。

心と体の余裕
日常を楽しむためには、健康な心と体が必須です。彼に伴い体力が低下し、怪我をしやすくなるので注意しましょう。
特に、仕事を生きがいとしていた方は定年退職後に老人性うつになりやすいです。以下のことに気をつけて、毎日を明るく健康に過ごしましょう。
✔適度な運動をこころがける
✔栄養バランスの整った食事を毎日とる
✔他人とコミュニケーションを大切にする
人生を「楽しむ」のは、心と体の健康があってこそです。体調に異変を感じた場合は、些細なことであっても病院に行くことをおすすめします。

前向きな気持ち
定年を迎えたのち、活力を失ってなんとなく毎日を過ごしていると、老化の進みも速くなってしまいます。そのような生活を続けていると、認知症やうつ病につながりかねないので注意しましょう。
定年後に「何もする気がなくなってしまった」とネガティブに考えてはいけません。「自由な時間が増える」「やりたいことができる」と前向きに考えるのがおすすめです。
前向きに考えられると心の余裕が増えるので、日常の些細なことにも楽しみを感じられるようになります。第二の人生の開始を前向きに捉えましょう。

セカンドライフ・プラン

次の20年間でどんな生活を送りたいですか。どんな60歳、70歳、80歳になりたいでしょう。「人生で最も自由な時期」を謳歌するために、今から自分らしいセカンドライフをプランニングしてみましょう。

60代で登山を始め、80代でエベレストに登頂した方がいるように、何歳からでも始められることはたくさんあります。加齢とともに衰えにばかり目が行ってしまうかもしれませんが、新しい発見があったり、かえってうまくできるようになるものがあったりします。「育つこと」「大きくなること」だけではなく、「限界の幅を広げること」「別のステージに進むこと」も成長なのです。

▼取り組みたいプラン例
世界一周旅行・長期ひとり旅・登山・アウトドア・ガーデニング・水泳・ボランティア・恋愛・仕事(起業)・大学院・シニア留学・別荘暮らし ほか

また夢や目標を掲げやすいのは趣味の延長線上にあるものです。これが実現できたらどんなに幸せだろうと考え、学んだり遊んだりすることが生きがいになります。免許を取る、資格を取る。これらはセカンドライフの大きな目標になるでしょう。

▼趣味を活かした免許・資格プラン例
行政書士・司法書士・税理士・社会保険労務士・公認会計士・中小企業診断士・土地家屋調査士・宅地建物取引主任者・不動産鑑定士・基本情報技術者・危険物取扱者・マンション管理士・保育士・インテリアコーディネーター・ホームヘルパー ほか

「実際に楽しく過ごしている人にはどんな共通点があるのか」と気になる方のために、第二の人生を楽しめる人の特徴があります。

✔新しいことにチャレンジできる
✔夢や目標がある
✔ストレスを溜めない
✔外見に気を配っている
✔身近な人との関係を大事にする

「とりあえずやってみよう」と行動してみると、新たな発見や学びが得られて人生の選択肢が増えるかもしれません。

以上、エゴレジ研究所から第二の人生についてご紹介しました。誰にも訪れる人生の折り返し地点。充実したセカンドライフを過ごすのに、重要な節目だと言えます。今、あなたが何歳であっても、まだまだ時間はあります。充実した人生の「後半」を過ごすために、楽しみなが今から考えておきましょう。

 

エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。

 

 

あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/

<プロフィール>

代表 小野寺敦子/ 心理学博士

目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
・・・・同校 心理学研究科大学院修士課程教授
・・・・同校 心理学研究科博士後期課程教授
臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問
NPO法人フレンズスクエア 代表理事

GM 畑 潮/心理学博士
GCDFキャリアカウンセラー
健康リズムカウンセラー

 

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