大人女子の「ウェルネスライフ」

代表 小野寺敦子/ 心理学博士

目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
同校 心理学研究科大学院修士課程
スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。

GM 畑 潮/心理学博士

「大人女子」とは、「大人」+「女子」というある種、相反する言葉を組み合わせてできた言葉のようです。落ち着いた大人の印象と、若々しくかわいい印象の両方を兼ね備える女性をあらわす言葉として、すっかり定着しています。年齢を重ねることを嘆くのではなく、見た目、価値観、ライフスタイルにポジティブに向き合い、自分軸で生きることでイキイキと輝く大人女子。そんな大人女子に今回は「ウェルネスライフ」についてのお話です。

ウェルネスライフ

「ウェルネス」とは、肉体的、精神的、そして社会的にも良好な状態=ウェルビーイングを目指す指針です。健康を基盤として、より活き活きとした輝かしい人生を志向する姿勢・取り組みを内包した健康観です。

新しい健康観「ウェルネス」とヘルス | 神楽坂女子倶楽部|「遊び」×「学び」×「自分磨き」 (kagujyo.info) も参照

そして「ウェルネスライフ」は、肉体的、精神的、そして社会的に良好な状態を目指すライフスタイルです。​​下図のように

健康をかたちづくる要素を​​「ヘルスケア」(2要素)と​​「ライフスタイル」(4要素)に分け、​​ヘルスケアだけに頼るのではなく、​​基礎にあたるライフスタイルを積み上げて​​健康づくりをめざそうという考え方「ウェルネスピラミッド」(エッセンシャルオイルのドテラ社)がわかりやすいと思います。

溜めない身体づくり=有害な化学物質を入れない、身体の中からキレイに
休息とリラックス==睡眠を助け、心や身体の疲労をとりのぞく
運動======適度な運動と運動後のメンテナンス、体調管理
適切な食生活==バランスの良い食事

 つまり、ウェルネスライフの基本は3つ。

  1. バランスの取れた豊かな食生活
  2. 定期的なフィットネスの習慣
  3. ストレス管理やポジティブシンキングとメンタルマネジメント

ウェルネスライフサポート研究所の代表 加倉井さおりさんは、
心とからだと生き方を整えて、自分らしく、よりイキイキと人生を楽しめること」とされています。

日々の生活を楽しく、豊かにしてくれるもの

ウェルネスライフを考えるうえで、面白い研究結果を見つけました。

ハーバード大学の研究
ハーバード大学成人発達研究所(Harvard Study of Adult Development)の4代目の責任者であるロバート・ウォールディンガー氏による研究内容(TED Talk)です。

ロバート・ウォールディンガー: 人生を幸せにするのは何? 最も長期に渡る幸福の研究から | TED Talk

この研究は、ハーバード大学が進めている成人発達研究の調査としてヴェイラントらが行ったもので、ハーバード大学卒の男性たちと、ボストン育ちの貧しい男性たち、この2つのグループ(約700人)の幸福度と要因について1938年から75年にわたって追跡した調査です。

この研究から、以下の3つがわかったそうです。

1)周囲と良い関係を築いている人は、身体的にも精神的にも健康で、長生きする。
家族や友人などと良い関係を築き、社会とより良い関係を築けている人は身体的に健康で、精神的にも充足していることに加え、社会との繋がりが薄い人よりも長生きしています。反対に、孤独を感じている人は、中年期に健康が悪化し、周囲と良い関係を築いている人と比べて早死にします。

2)人間関係の満足度が健康に影響する(重要なのは量より質)
大切なのは、友人の数やパートナーの有無ではなく、心の底から信頼できる人がいるか?身近な人たちとの人間関係の質なのです。一緒にいて安心できる人、ありのままの自分を出せる人、そんな人が身近にいることが重要なのです。

3)良い人間関係を築いている人は、脳も守ってくれる
 今回の調査で、何かあった時に本当に頼れると感じている人の記憶は、頼れる人がいない人と比較してハッキリしていることが明らかになりました。反対に、近くに信頼できる人がいないと回答した人には、記憶障害が早期に現れ始めていました。

このように人間の幸福度、健康と直接的に関係があったのは、家柄、学歴、職業、家の環境、年収や老後資金の有無といったことではなく、人間関係だったという結果になったのです。

しかも、友人の数は関係なく、たった一人でも心から信頼できる人がいるかどうかが重要だということがわかりました。

対人関係がうまくいっている(信頼できる人がそばにいる)状況では、緊張がほどけて脳が健康に保たれる、心身の苦痛がやわらげられる効果が見られた一方、孤独を感じる人は病気になる確率が高く、寿命が短くなる傾向も見られました。

つまり、「お金持ちになれば幸せ」であるとか、「ステータスの高いパートナーがいれば幸せ」であるとか、そんなことは一切ないということなのです。

特に興味深いのは、健康で幸せな80代の彼らを振り返り、50歳のときのデータから予測をしてみたという点。彼らのデータを全て集めてみると、50歳のときのコレステロール値等とは関連性はなく、当時の人間関係の満足度で予測されることが分かったそうです。 つまり、50才で最も幸せな人間関係にいた人が、80才になっても一番健康だったということです。

ロバート・ウォールディンガー氏は、語っています。
「私たちは長年の研究で人を幸せにするのは人とのつながりでしかないと学びました。だから、仕事で自己実現も良いのですが、幸せになるためには私達はもっと人と人とのつながりに重きを置かなくてはなりません。とても骨の折れる作業でも、気を使う面倒なものでもコミュニティ、友人、家族、彼らとの「つながり」をもっと大切にしてください」と。

愛知医科大学の研究
どのような友人と一緒にいるかということも大切です。愛知医科大学の松永らは、「幸せな友人の存在が幸福を著しく高める」という興味深い研究結果を報告しています。

人間は、とても共感能力が高いのです。それが幸福な気持ちであっても、不安や怒りなどのネガティブな感情であっても、相手が発しているものをそのまま受け取ってしまい、同じような感情を抱いてしまうことがわかっています。

つまり、ネガティブな人ではなく、ポジティブな人と接していったほうが人生はポジティブな方向に向かいやすいということです。ですから、よけいなことを考えずにポジティブな友人と一緒にいる。そして、自分自身もポジティブでいることに努める。そうして、幸福度の高い人間関係をつくってみてはいかがでしょうか。

以上、エゴレジ研究所から、ウェルネスライフについてご紹介しました。好きなものを買えるお金、やりがいのある仕事、そして夢中になれる趣味があれば、充実した人生を送れる——そんな風に思っていませんか。自分の幸せを決めるのは、ほかの誰かではなく、あなたです。信頼できる人の有無が人生に及ぼす影響の大きさを是非知ってください。幸福な人生のために必要な「良い人間関係」を、あなたのウェルネスライフにいかしてください。

 

 

エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。

あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/

<プロフィール>

代表 小野寺敦子/ 心理学博士
目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
・・・・同校 心理学研究科大学院修士課程教授
・・・・同校 心理学研究科博士後期課程教授
臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問
NPO法人フレンズスクエア 代表理事

GM 畑 潮/心理学博士
GCDFキャリアカウンセラー
健康リズムカウンセラー

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