「自然」で脳をリフレッシュ!

代表 小野寺敦子/ 心理学博士

目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
同校 心理学研究科大学院修士課程
スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。

GM 畑 潮/心理学博士

植物の持つ力が、身体の不調や心のケアに役立つことをご存知ですか?科学的アプローチを用いた西洋医学が発展する一方で、人類は古代から、植物を用いた自然療法を活用してきました。リフレッシュのために外を歩く、気晴らしに緑の多い公園や川辺を歩く、誰でも何気なくやっていることですが、なぜか心がやすまる気がします。でもそれは気のせいではありません。自然が心身を癒す力はこれまでにも多くの研究者に興味を持たれ、今では科学的に証明されているのです。今回は、自然が人にもたらす良い影響についてご紹介します。

自然はストレスホルモンを低下する!

ストレスホルモンとも呼ばれる脳内分泌物質、コルチゾールの量に注目した研究があります。

コルチゾールは副腎皮質から放出されるステロイドホルモンであり、ストレスとの関連では最もよく研究されているバイオマーカーです。

ストレスを負荷すると(たとえば、人前でスピーチをさせるなど)、その値は10分–20分ぐらいの間に2–3倍に増加することが知られています。また、コルチゾールは免疫系、中枢神経系、代謝系などに対して様々な生理学的な作用を有します。たとえば、長期にわたって過剰に分泌されると脳の海馬を委縮させることや、炎症のコントロールを悪くすること、また、うつ病の患者ではコルチゾールが高いことも報告されています。つまり、コルチゾールはストレスと身体的・精神的健康を結びつける重要なホルモンといえます。

多くの緑や自然に囲まれて生活していると、都市部で生活するよりもコルチゾールレベルが低くなるという雑誌、Landscape and Urban Planningに発表された研究があります。自然に囲まれて生活している人は、都市部の人よりも散歩などの適度な運動をする傾向があるため、「自然+適度な運動」の結果と言えるようです。

2014年の日本の研究でも、森林の中を歩いた被験者はコルチゾールのレベルが下がっただけでなく、血圧、心拍数、ストレスに対する過剰な神経反応が低下したという結果が報告されています。また、参加者の半数以上の免疫力が増加し、神経の一部がリラックスしていることも確認されたようです。

さらに、室内実験では、1)木の匂いを使った嗅覚刺激、2)木の匂いを使った触覚刺激、3)森の音を使った聴覚刺激。これらの屋内刺激はまた、血圧と脈拍数を低下させ、生理学的弛緩効果を誘発したことが明らかになりました。

イリノイ大学の研究者、Ming Kuo氏の研究結果によると、自然には私たち人間の免疫システムを強化してくれる働きがあるといいます。屋外での活動は「ストレスと闘うモード」を「休めモード」に切り替えてくれ、結果的に心や体の健康を助長してくれるそうです。

病室は自然の見える窓際が良い!?

自然環境が人にもたらす影響は、新鮮な空気を吸ったり、鳥のさえずりを聞いたりすることだけではありません。自然を目で見るだけでも違うようです。

サイエンス誌で1984年に発表された研究によれば、窓から森が見える部屋に入院していた患者と、自然が全く見えない患者とでは、術後の回復と苦痛の程度が異なったといいます。自然を目にできる病室患者の方がより早く回復し、苦悩や苦痛を感じることも少なかったそうです。

自然で脳をリフレッシュ!

自然のなかで脳波がどのように変化するのかを調べた、ヘリオット・ワット大学(スコットランドのエディンバラ)の研究チームの成果もあります。Nature’s Therapyの記事によると、この研究が発表されたのは2013年。Emotiv EPOCという神経信号を送るヘッドセットとEEGデータ(electroencephalography=脳波図)が、自然と脳波の関係性の解明を始めていました。

この調査で参加者はEmotiv(ヘッドセット)を頭部に装着し、外部からは見えないように帽子をかぶります。そして背中には、Emotivで測定された脳波データ(EEG)を記録するノートパソコン入りのバックパックを背負いました。

次に、エディンバラにある下記3カ所を記載順に各々のペースで歩きました。

  1. ショッピングセンター:歩行者は多いが交通量は少ない
  2. 緑地のある公園
  3. ビジネス街:コンクリートで出来た建物ばかりで、ひどく混雑していて交通量も多い

1つの場所を歩く所要時間はほぼ均等になるように調整されており、参加者たちは早くも遅くもないそれぞれのペースで歩みを進め、おおよそ25分で歩き切ったそうです。

3カ所を歩いた参加者たちの脳波を分析した結果、
公園を歩いたときだけ心の静まりが増大し、なおかつ気分の沈み込みや苛立ちの減少が確認できたそうです。つまり、自然のなかに入ると、脳の疲れが癒されたという結果になったのです。

これは他の2つの場所(ショッピングセンターとビジネス街)では見られなかった結果でした。ショッピングセンターとビジネス街を歩いている時の脳波は、外部からの刺激に反応して興奮状態となり、フラストレーションを感じているような状態だったそうです。

以上、エゴレジ研究所から自然が人にもたらす良い影響についてご紹介しました。自然の中にはたくさんの美しいものがあり、人の心を楽しませたり喜ばせたりしてくれます。  今回ご紹介した研究結果を見ると、運動のためや気晴らしのお散歩は、公園など自然の多い場所が断然良いということになります。特に、「木々が風にそよぐ音」や「小鳥のさえずり」が聞こえるような、自然の優しさを何気なく感じられる場所が脳を休ませるには向いているようです。また、自然のなかを必ずしも歩かなければいけないわけではなく、ベンチに座ってボーっと眺めるだけでも、脳を休ませる効果はあるそうです。そんなことを心にとどめて、あなたもぜひ緑の多い場所へ積極的に出かけてみてはいかがでしょうか?

エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。

あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/

<プロフィール>

代表 小野寺敦子/ 心理学博士
目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
・・・・同校 心理学研究科大学院修士課程教授
・・・・同校 心理学研究科博士後期課程教授
臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問
NYこどものくに東京 理事

GM 畑 潮/心理学博士
GCDFキャリアカウンセラー
健康リズムカウンセラー

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