梅雨時の「免疫力低下」リスク

代表 小野寺敦子/ 心理学博士

目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
同校 心理学研究科大学院修士課程
スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。

GM 畑 潮/心理学博士

梅雨時も「免疫力低下」のリスクは潜んでいて油断は大敵です。蒸し蒸しとした暑さが体力を奪っていきます。この時期になると、何となくカラダがだるい、肩がこるといった「梅雨だる」を訴える方も多く、ある調査では女性の62%が不調を感じていると報告されています。高温多湿な梅雨時は、気圧や湿気の高さ、気温差が自律神経を乱すので、体調不良、だるさ、気分の落ち込み、イライラなどの負の連鎖を生みだすようです。そこで今回は、梅雨時の「免疫力低下」リスクについてのお話です。

梅雨時の不調

梅雨時は、気圧の低下や気温の急激な変化、高い湿度や日照不足などの天候のストレスが加わることで、普段よりも自律神経の働きが乱れやすくなります。
自律神経は、自分の意思とは関係なく外部からの刺激や体内の情報に反応して働き、心の安定や体内調整などのコントロールを行っています。この自律神経は、交感神経と副交感神経があり、その二つのバランスが崩れることが自律神経の乱れとなります。自律神経が乱れた時に現れる不調は、心と体の両面に出るケースが多いようです。

身体にでる体調不良 心にでるメンタル不良
✓ だるい、身体が重く感じる
✓ 吐き気
✓ 肩こり
✓ 頭痛
✓ めまい・耳鳴り
✓ 下痢・便秘
✓ 食欲不振
✓ むくみ
✓ 寝付きがわるい・朝起きれない
✓ 関節痛・神経通
✓ やる気がでない
✓ ダラダラと1日を過ごしてしまう
✓ 集中力や思考能力が低下する
✓ 人にあいたくなくなる
✓ 気分がふさぐ・重い
✓ 不安や焦りを異常に感じる
✓ イライラが多くなる
✓ 午前中、気分が盛り上がらない
✓ 性欲がなくなってしまう

自律神経が乱れることで、エネルギーを消費した体がリセットしにくくなり疲労や不快感が蓄積していきます。また交感神経優位の興奮状態が続くことで、眠れなくなったり、消化不良になりやすくなったりします。
さらに、自律神経は体最大の免疫器官である腸の働きとも連動していて腸内環境の乱れを引き起こし、免疫力低下に直結してしまうのです。

また梅雨時は、気温差が大きくて5℃以上の気温差を感じると体がストレスを感じるため、そんな継続的なストレスが自律神経を乱しやすくなります。また湿度が高くムシムシとした気候も不快感を増しストレスに直結。さらに、昼間の暑さに合わせた服装をしていても、朝晩の気温の低さや雨に降られることで体を冷やしてしまうリスクもあります。

実践!「免疫力」の維持

「自律神経の乱れ」「思いがけない冷え」に気を付けることが梅雨から夏に向かう今の時期に健康を維持し免疫力をダウンさせないポイントとなります。日常的にできる工夫を上手に取り入れて対策をしてみましょう。

◆体感する気温差をできるだけ少なく

冷房を使い始める時期ですが、室内と屋外の気温差は最大のストレスです。
エアコンの設定温度を低くし過ぎない、
着る物を工夫して体感温度を一定にする、
日差しを避ける工夫をして屋外での体表面温度を上げ過ぎないなどの工夫をしましょう。

◆適度な汗で体内の熱を放出しやすく

室内に長時間いると汗をかく機会が減り、汗による体温調整をしにくい体になることがあります。暑いのに汗をかかないのは、自律神経の乱れのサインかもしれません。
入浴や室内での軽い運動などを上手に取り入れて適度に汗をかくことで、体温が安定しやすく免疫を整えるための体内環境ができやすくなります。
適度な運動は、血流も良くなり代謝もアップ、セロトニンをはじめ神経伝達物質が活性化し気分爽快になれます。

◆冷たい食べ物や飲み物の摂り過ぎに注意

熱中症予防を意識したり、暑さのせいで、ついつい冷たい物を口にする機会が増えてきます。暑さで食欲がわかず、食べやすいものに偏ってしまいがちです。そうすると、腸内の体温が低くなり、正常な機能を妨げてしまい栄養吸収がしにくく、老廃物を溜め込むリスクがあります。暑い時にも温かな食事を摂ることを意識してみましょう。味噌汁などの具材を増やすといったちょっとしたプラス習慣でも大丈夫です。

また腸内環境が悪いと、副交感神経が低下して、便秘や下痢が起こります。そうなると血管が収縮し血の巡りが悪くなり、栄養は行き届かず、水分や老廃物が溜まり体調不良に。
「朝起きてすぐコップ1杯の水を飲む」「ストレッチで腸の動きを促す」「乳酸菌や食物繊維多めに摂る」などを心がけ、腸内環境を整える習慣をつけましょう。

さらにタンパク質の不足は免疫力の低下にもつながり、「梅雨だる」からの夏バテへ負のスパイラルに入ってしまうので注意が必要です。

◆睡眠をしっかり

睡眠中は副交感神経が働き、心身の疲れを取り除きます。夜更かしは交感神経が働いてしまい、神経の働きの切り替えがうまくいかなくなるため乱れの原因につながります。
さらに就寝前に、自律神経を整える神経が集まっている目元を温めるとリラックス効果が高まり質の高い睡眠が得やすくなります。ついついスマホに手が伸びてしまいがちですが、ホットアイマスクなどで目元を休ませることを心がけましょう。

免疫力をダウンさせない習慣をプラスすることに加え、湿度や高温によって体が意識しないうちに疲れているということを理解して、体をリラックスさせる時間を作るようにすることも大切です。

以上、エゴレジ研究所から、梅雨時の「免疫力低下」リスクについてご紹介しました。梅雨時の自律神経の乱れは、普段ストレスに強いと思っている方にも起こりえます。自分の身体や心は自分で守るしかありません。頑張りすぎず、ダラダラしすぎないくらいが調度いい感じ(いい加減)なのかもしれません。普段の生活のなかでできる工夫で免疫力を維持してください。

エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。

あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/

<プロフィール>

代表 小野寺敦子/ 心理学博士
目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
・・・・同校 心理学研究科大学院修士課程教授
・・・・同校 心理学研究科博士後期課程教授
臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問
NPO法人フレンズスクエア 代表理事

GM 畑 潮/心理学博士
GCDFキャリアカウンセラー
健康リズムカウンセラー

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