春、桜のパワーをもらいましょう!

代表 小野寺敦子/ 心理学博士

目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
同校 心理学研究科大学院修士課程
スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。

GM 畑 潮/心理学博士

春の代名詞のような桜は、現代人にもはるか昔の人たちにも愛されていたようです。歴史を辿ると、日本最古の歴史書、古事記や万葉集などにも出てきます。多くの地域で3月6日に期限を迎えるはずった、まん延防止等重点措置は3月21日まで延長されています。今度こそは解除になってほしい…どうか桜の開花に間に合ってほしいと祈りたいところですが微妙・・・。桜は視覚的に大いに私たちを楽しませてくれますが、その楽しさを上回る様々な効果もあります。今回は、桜のパワー、心と体にもたらすさまざまな効果についてのお話です。

桜の木のリラックス効果

桜の木は、フィトンチッドという香気成分を発します。森林浴の効能を紹介する際に良く用いられるので、ご存じの方も多いでしょう。「フィトンチッド;phytoncide」とは、樹木が自分自身を守るために葉や幹から放出している揮発性の物質の総称です。
フィトンチッドとは、ロシア語で「フィトン(植物が)」「チッド(他生物を滅する能力を持つ)」という意味を持ちます。つまり殺菌作用をもつ物質というわけです。
樹木は傷つけられると傷口を菌から守るために抗菌作用を持つ揮発成分を出します。また、害虫を寄せ付けない効果や、生物が嫌う苦み成分などを出すことで摂食を阻害する効果もあります。桜の木は、フィトンチッドを分泌することで、カビや病原菌から自分自身を守っているのだとか。

樹木が自己防衛のために分泌する天然成分「フィトンチッド」には、次のようなの効果もあることがわかっています。
この物質を人間が吸い込むと、血中に溶け込み、脳のGABAA受容体というものの応答を強めます。この受容体の応答が強まると、興奮などが抑制され精神が安定します。
また、フィトンチッドは脳内のα波を高め、気分を落ち着かせてリラックス効果をもたらし、ストレスの軽減にも効果的です。

桜の匂いがもたらす作用

桜のあの上品な香りの正体は、クマリンと呼ばれる物質です。この物質にはたくさんの効能があるようで、抗菌作用、リラックス効果をはじめとして、鎮静作用、血圧低下作用、咳止め作用、二日酔い防止作用などが期待できます。
しかし、残念ながらこの物質、通常の花や葉からはあまり嗅ぐことができないようです。桜は品種によって匂いの強さが違います。一番身近に植わっている染井吉野は、ほとんど匂いがありません。匂いの強い品種は千里香や匂大島などの桜です。大きな公園など、身近なところにも結構植えられていることもあるようですが、桜餅や桜のお菓子を連想させる匂いがします。ですから、桜の匂いは桜餅や桜茶、桜のお線香などからその香りを楽しむことができます。

ちなみに、桜餅を包んでいる桜の葉は、「大島桜」の葉です。大島桜の葉は大きく、産毛が少なく、特に多くのフィトンチッドが含まれています。

桜餅の葉は、塩漬けにして発酵させていて、発酵させることで今度は「クマリン」という香りの元になる成分が生み出されます。こうして発酵させた桜餅の葉は、抗菌性にも優れ、さらに香り高い桜餅独有の風味を作り出しているのです。桜餅は日持ちがよく、食べることで体内の雑菌を殺し、体の中をきれいにする効果があると言われています。

期待によるナチュラルキラー細胞の増加

過去の経験から、桜の花を思い浮かべると「癒される」「気持ちが良い」ということが分かっています。すると、今年も桜の花見をしよう!と思うと「楽しみだなぁ」「癒されたいなぁ」などと期待や希望を抱きます。このように桜を見ることを楽しみに思うだけで、「ナチュラルキラー細胞」が増えてくれるようです。
ナチュラルキラー細胞には、免疫機能を高める効果があります。

桜色のもつ効果

桜の花の淡いピンクを見ると、何となくうきうき、わくわくします。人は色を見ると、目や皮膚など“五感”で何かを感じるだけでなく、さらに別の感情も引き出されてきます。

色彩心理カウンセリングの研究と普及を薦めている洞渕美佐緒さん(色彩心理カウンセリング協会 代表理事)によれば、
「色とは、光の特定の波長を目で感じとっているものです。太陽の光は、雨粒で屈折すると虹色が現れるように、赤、黄、緑、青など全ての色を含んでいます。色にはそれぞれ特徴があり、私たちの心理や行動に大きな影響を与えています。ピンクは、愛情の色。若さや女性らしさ、優しさ、幸せなどのイメージがあり、具体的には次のような効果があるとされています」

【ピンク色がもたらす効果】

  • 女性ホルモンの分泌を促す
  • 愛情や思いやりをもたらす
  • 緊張を和らげ、優しい気持ちを引き出す
  • 脳を活性化させる
  • 他人への依存を引き起こす場合もある

さらに、ピンクのなかでも桜色には独特の効果もあるようです。

「ピンクといっても、ショッキングピンクのような濃いものから、ベビーピンクのように淡いものまであります。濃いピンクは色相環(色を連続した波長の順に並べたもの)では赤と紫の間にあり、元気で活発なイメージです。

一方、淡い色味のピンクは、ピンクに白が加わっていると考えます。白には純粋でけがれのないイメージがありますが、1つの色にプラスすることで色味が優しくなり、すがすがしさ、若々しさが感じられるようになります」

以上、エゴレジ研究所から、桜のパワー、心と体にもたらすさまざまな効果についてご紹介しました。最近の研究では、自然の中に出かけることで、創造性・幸福度・集中力が上がるということが報告されています。今年の桜は、目で楽しみ癒されるだけでなく、健康効果も感じてみてください。桜の花を見ながらのウォーキングは、普段よりも桜の木の香りを多く吸えるため、先にご紹介したフィトンチッドを多く取り込むことができます。

 

エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。

あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/

<プロフィール>

代表 小野寺敦子/ 心理学博士
目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
・・・・同校 心理学研究科大学院修士課程教授
・・・・同校 心理学研究科博士後期課程教授
臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問
NPO法人フレンズスクエア 代表理事

GM 畑 潮/心理学博士
GCDFキャリアカウンセラー
健康リズムカウンセラー

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