自己満足、是か非か?

代表 小野寺敦子/ 心理学博士

目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
同校 心理学研究科大学院修士課程
スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。

GM 畑 潮/心理学博士

バーボンウイスキー「I.W.HARPER」の日本初のブランドアンバサダーに就任した俳優の三浦翔平が出演するブランドムービーI.W.HARPER「自己満足に、生きる。」篇が公開されています。みなさんは仕事や普段の生活を通じて、自己満足と思うことはありますか?自己満足とは、自分自身の行いや考え方などについて肯定的に受け止め、満足感や充足感を得ることを意味する言葉です。最近、他人の物差しを気にすることなく、自分にとって満足できるものかどうかを基準にして物事を捉えることもいいのではないかと思うようになりました。そこで今回は、「自己満足」についてのお話です。

自己満足のイメージ

「I.W. HARPER」のCMは、「他人の目を気にして生きるか、自分の世界に目を向けるか、どちらを選ぼうと構わない。自己満足?それでいい」というナレーションで「自己満足に、生きる。」がブランドメッセージのようです。信念をもったブレない生き方ということでしょうか。ポジティブなメッセージです。

「自己満足」という言い方はどんな時に使うでしょう?「自己満足だけどね」とか、「自己満足で終わった」とか、「独りよがり」など良い意味で使われることは割と少ないかもしれません。何かをする場合に、それが「自己満足」で終わらないように注意を促されている場合すらあります。「自己満足」という言葉は、ポジティブなイメージではなくネガティブなイメージを抱く人のほうが多いのではないでしょうか?もちろん、仕事のように自己満足ではダメなものはあります。自分は満足できたとしても、相手に伝わらなければなんの意味もないことは、たくさんあります。

日本の社会においては「自己満足をする人間」はあまりいい印象をもたれない傾向もあります。自己中心的な意味合いで自分のことを客観的に見ることができず、「自己評価が高いナルシスト」というレッテルを貼られることさえあります。たとえば誰かのために親切なことをしたり、ボランティア活動をしている人に対して「単なる自己満足にすぎない」とか「偽善だ」とか心ない言葉を投げつける人も少なくありません。

しかし「I.W. HARPER」のCMメッセージのように、”自分を満たす”つまり「充実している」と言い換えてはどうでしょう。他人からの意見に惑わされることなく、自分が充実できるものがある、満たされるものがあることを分かっているのは、健康的なことです。様々な意見があるかと思いますが、人生の充実度とは自己満足できたかどうかではないでしょうか。

他人を助けていい気持ちになるのは自己満足か?

「人生の扉を開く最強のマジック」(プレジデント社)の著者であり、スタンフォード大学の脳外科医、ジェームズ・ドゥティ氏は、ダライ・ラマの協力を得て設立したスタンフォード大学のCCARE(共感と利他精神研究教育センター)で、共感の分野に関わるさまざまな研究活動をおこない、医療、教育、ビジネスなどの世界における共感の重要性を検証しています。

そのジェームズ・ドゥティ氏は、
「他人を助けていい気持ちになるのは、自己満足にすぎないのではないかと、ダライ・ラマにたずねたことがある。彼はそんなことはどちらでもいいと言った。他人を救おうという意図があってやったことならば、いい気分になってもまったくかまわない。これは、利己的になってもいい唯一の例なのだ。人によっては、完全な利他主義などありえないという意見もある。だが、そんなことはどうでもいい。仏教やヒンドゥー教では意図したかどうかがすべてだ。たとえ、それがホームレスに1ドル、2ドルを手渡すような小さなことでも、他者を気遣うという気持ちがあれば、何もしないよりずっといい。
(中略)
目覚めた最初に、今日はどうやって他者のために役立とうかと考えれば、それはその1日の気分や行動に影響を及ぼすものになる」と語っています。

自己満足のメリット

自己満足には実はさまざまなメリットがあります。

1:自己肯定感が高まる

自己満足をするということは、自分が行ったことに対してポジティブな評価を与えるということです。「自分はまだまだだ」と謙遜したり卑下したりすると、いつの間にか自己肯定感が低くなってしまいます。その点、目標達成までの努力を認める。結果は出なくても、一生懸命取り組めたことを認める。一つでも行動できたことを認める。行動できなくても考えることができたことを認める。自分を認めて受け入れられるようになれば、自信がついてきます。結果として、自己肯定感も高まり、ものごとによりポジティブに向き合えるようになるのではないでしょうか。

2:新しいことにチャレンジしやすくなる

「自分はダメなところが多いのだから、もっと頑張らなければ」と考えていると、おのずと性格も行動パターンも消極的になってしまいます。失敗を過剰に恐れてしまうからです。しかし、自分の行動に納得して満足できるなら自信がもてるため、「もっと新しいことにチャレンジしてみたい」と積極的に振る舞えるようになっていくでしょう。

3:心が満たされる

心が満たされるというのも、自己満足をするメリットのひとつです。いくら他人に高く評価されたとしても、自分で納得し満足できなければ、心は空虚なままです。ですが、自己満足をすることは自ずと、心が幸福感や充足感で満たしてくれるでしょう。「自分がやったことは正しかった」「これまでの自分の取り組みは間違っていなかった」と思えるなら、明るい気持ちにもなれます。

4:プラス思考になる

ネガティブ思考が強いと他人から敬遠されるだけでなく、自分自身の人生をよりよく生きることが難しくなってしまいます。ですが、自分がしたことにそれなりに満足を感じられるようになれば、物事の解釈や考えがおのずとポジティブになるため、毎日を前向きに過ごすことができるでしょう。

5:自分に何が必要か明確になる

自分にとってこれから何が必要かを自覚しやすくなるというのも、自己満足をするメリットのひとつに数えられます。自己満足とは、自分の行いに対して満足感や充足感を覚えることですので、自己満足をできた時にはじめて、自分が本当に求めているものの正体に気づけるとも言えます。何をどうすれば自分に満足できるのかがわかれば、これから自分がやるべきことがクリアになってくるはずです。

6:他人の評価を過剰に気にせずにすむ

日本の社会は同調圧力が強く、他人の視線や評価を過剰に気にする傾向があります。常に人からどう思われているのか、他人の物差しを気にしながら過ごしていては、毎日がつまらなく、疲れてしまいます。ですが、自己満足を肯定できる人間になれれば、自分軸で生きられるようになりストレスも軽減します。

自己満足のススメ

「自己満足」は、自分で自分の努力や成長を認めることの出来る、大切なスキルだともいえるでしょう。自分を過度に卑下せず、自己満足を得ることを肯定し他人と比較せずに、自分自身の好きなところを素直に認めたり、褒めたりすることで自己満足感を高めてみませんか。そのためには—–

1:自分の考えをしっかり持つ

前提としてまず、自分の考えをきちんと持つことです。もちろん、他人の意見やアドバイスを聞き入れる柔軟さや素直さは大切にするべきでしょう。ですが、いつも他人の意見や世間の風潮に流されてばかりいると自分を形成する「核」のようなものが定まらず、当然に自己肯定感も低くなってしまいます。自分らしい考えや価値観を大切にすることが、自己満足を得るための第一歩です。

2:自分を満たす大切なものを知る

どのような時に自分を好きになれるのか、どうすれば自分をポジティブに受け止められるのかをよく考えてみましょう。努力をして何かをやり遂げた時に自己満足感を得る人もいれば、他人のために何かをしてあげて感謝をされた時に自己満足を感じる人もいます。自分を幸せな気持ちで満たしてくれるものを知り、それを積極的に行動に移すことが大事です。

3:他人と比較しない

自分を客観的に見て問題点や課題をみつけたり、自分の行いについて反省することは大切なことです。しかし、そのときに自分と他人とをいつも比較して自己嫌悪に陥ってしまっては、自己満足は得られません。「自分は自分、他人は他人」という考えを大切にして、自分軸をもつことです。

誰かを幸せにすることや、困っている人を助けることは素晴らしいことです。ですが、それを他人に押し付けると意味がなくなってしまいますし、自分の気持ちを全て善意と思い込むのも危険です。自分の行動、気持ちは自分の自己満足でもあるということを認識しておくことが大事なのでしょう。

以上、エゴレジ研究所から、「自己満足」についてご紹介しました。何に一生懸命になるか、何に夢中でいられるかは人それぞれです。でも、何か一つでも「自己満足」できるものがあれば毎日がもっと輝くと思いませんか?「自己満足」はもっと胸を張ってポジティブに使っていいのではないでしょうか。自己満足は心を満たすと同時に自分を認めることです。満足し自分を認め続けるために、努力をしながら常に成長や変化をし続けることでもあります。少なくとも、そんな意識を毎日の生活の中で忘れずに持ちたいものです。

エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。

あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/

<プロフィール>

代表 小野寺敦子/ 心理学博士
目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
・・・・同校 心理学研究科大学院修士課程教授
・・・・同校 心理学研究科博士後期課程教授
臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問
NYこどものくに東京 理事

GM 畑 潮/心理学博士
GCDFキャリアカウンセラー
健康リズムカウンセラー

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