「自分軸」というしなやかさ

代表 小野寺敦子/ 心理学博士

目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
同校 心理学研究科大学院修士課程
スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。

GM 畑 潮/心理学博士

「あなたには、全くブレることのない、確固たる軸がありますか?」
実はこの答えに即答で「Yes」と答えられる方は少ないようです。自分らしく幸せな毎日を実感できている人には無理がありません。しかし多くの人は、世間の既成概念に縛られ、会社や地域のルールに縛られ、無理をして周りに合わせながら、少しずつ自分らしさを失っていくようです。やがて「私は本当にこのままでいいのだろうか…」と思うようになり、いつのまにか自分の人生に漠然とした不安を感じるようになるのです。不安を払い、自分らしく生きるしなやかさを取り戻すためには、改めて『自分に軸を持つ』必要があるのではないでしょうか。今回は、しなやかに生きるための「自分軸」についてのお話です。

「他人軸」か「自分軸」か

私たちの日常にはたくさんの情報があふれ、日々話題になることもめまぐるしく変化しています。いろいろな考え方や行動など多様性が認められるようになってきました。これだけ多様化しているのに、私たちは依然としてどこか「常識」「既成概念」に縛られているのです。

このままでいいのだろうか…という焦燥感、不安感につきまとわれたり、他者の何気ない言葉や子どもの言動にイライラしがちなひとは、知らず知らず他人軸の影響を受けている可能性があります。

「他人軸で生きる」ということは他人の評価軸や世間の既成概念に自分を合わせて生きているということです。

自分の軸がある人は「自分の思いや美学」が大切なのに対し、自分の軸がない人は「相手の顔色や世間体」を重要視しています。たとえば、

✓納得できないことや理不尽なことでも波風立てたくないから受け入れる
✓頼み事をされると断れない
✓疑問に思うことがあっても「そういうものだから」と納得する
✓強く出られると言い返せない
✓流行り物に弱く、みんなと同じことをしてると安心する

心当たりはありませんか。
そこに「本心」とのギャップ、違和感はありませんか?
「なんか嫌だ」「なんか違う」「なんかしっくりこない」こういった違和感は見逃してはいけないのです。「なんか○○」という違和感は、直感的なものでありながら、生理的な嫌悪以外は深堀りしてみると明確な理由があるものです。違和感は、心と行動のズレによって起こる危険信号です。

自分軸で生きるためには、ありのままの自分を受け入れることが大切です。「自分の心に素直に、正直に。無理がなく自然体でいられるもの」でなければ自分軸にはなりません。
自分軸を持つためのスタートラインは、「他人軸」に影響を受けているかも…という気づき、自覚することです。
「なんか違う、なんでそう思うんだろう?」と自問してみることが大事なのです。違和感は必要な変化への気づきを与え、不要なストレスを回避するきっかけになります。

「自分軸」を持つということ

自分軸とは、他人に惑わされず自分の価値観を信じ、自分の基準をもつことです。また、「自分らしさを持った状態で、望んでいる未来へ繋ぐ道筋」でもあります。
私たちは、朝起きてから夜眠るまで、たくさんの選択をしています。朝食に何を食べるのか、どの服を着るのかという日常的な選択から、進路や就職など人生の方向性を左右する選択まで。そんな選択肢からひとつを選ぶときに指標となるのが「自分軸」です。
好きなことは何か、今すべきことは何か、自分が心地いいと感じることは何かなど、「自分のことを知っておく」ことで、迷うことなく判断することができます。

◆社会的な立場や関係性にとらわれない

会社での立場や社会的な肩書き、家族内での役割など、他の人から見た自分という視点にとらわれないように意識することがポイントです。「自分がどうしたいか」「向かいたい未来」を思い浮かべましょう。

◆好きと嫌いを明確にする

自分の好きなこと、嫌いなことを改めて知ることも大切です。好き嫌いをはっきりさせるのが苦手という方もいるかもしれません。でも「今の自分」を認識することも自分軸を持つひとつの方法です。

◆価値観の優先順位を知る

譲れないものを自分自身に問いかけて認識することが、自分軸で生きるための秘訣です。自分にとって大切なことは何か。優先順位が高く有意義だと感じることがはっきりすれば、自分軸がブレることはありません。大切に感じることを守り、自分にとって価値あることに時間や労力を費やすことを意識すれば、日々の暮らしがよりうるおいのある毎日になります。自分の価値観がはっきりするので、悩む時間や迷う時間を省くことができます。また、その決断が結果的に良くても悪くても、自分で決めたことなので納得することができます。

◆メディアやSNSと距離をとる

メディアからは時々、距離をとるべきです。たとえば、
・できるオンナ
・できるママ
・1人でも強く生きるビジネスウーマン
もちろん「本心」でこのような姿を望んでいれば問題ありません。しかし、あなたの「本心」はそうでしょうか。むしろ、そんなイメージと自分の現状を比較して、落ち込んだり、ストレスになったりしていませんか。メディアにとりあげられる「女性像」は、企業がマーケティングのために作り出したものかもしれません。SNSやメディアの情報に正解を求めるのはナンセンスです。自分軸があれば、判断基準が生まれるのでいろいろな情報に流されることなく、自分で必要な情報を選べるようになります。

◆自分軸の変化も受け入れる

自分の変化はもちろん、社会の状況や環境の変化によって、少しずつ価値観や考え方が変わることは自然なことです。そんな時は、今の自分を大切にして、自分軸を変えていきましょう。自分軸が変化することは、自分自身の成長によって新しいステージに上がれたことも意味します。自分の人生を決めるのはまぎれもなく「あなた」です。あなたが人生の主人公なのです。

◆なりたい自分を見つける

身近にいる尊敬する人、著名人や歴史上の人物など、憧れの人はいますか。直接話を聞いたり、普段の振る舞いや表情を見たり。著名人であれば、その人が書いた本や歴史本を読んで深く知ることから始めてみましょう。自分の理想がはっきりすると目標が明確になり、自分がやるべきこと、選択肢もわかってきます。

自己中、ワガママと混同しない

自分軸は「自分だけよければ」という自分勝手、自己中や「ワガママ」と誤解されがちです。しかし、自分軸で生きている人は、他人をコントロールしようとはしません。自分勝手、自己中な人ほど、他人をコントロールしようとします。「自分の考え=他人の考え」で他人と自分が混同してしまっている状態です。「ワガママ」は、自分の価値観を人に押し付け、他人をコントロールしようとする思いが含まれた言動です。自分軸で生きている人は「自分と他人は別の人間」だと認識できているので他人を巻き込みません。他人との違いを認識し、相手のことを尊重することもできるのです。

自分軸を持つことのメリット

分軸で生きる人は他人の意見や言葉、周囲の目を気にすることなく、自分の意思や価値観で決断し行動することができます。

✓自分らしくいられる

自分軸で生きていれば、周囲を気にせず自分の意思で行動することができるため、自分らしく生活することができるのです。自分で決定したことにより、物事が成功したときには、達成感や充実感を存分に感じることができるでしょう。

自分で意思決定を積み重ねることで自己肯定感が高まり、「自分はこのままでいいのだ」と考えられるようになるため、ありのままの自分でのびのびと人生を送れるようになるのです。

✓ストレスが溜まらない

他人軸で生きていると、人間関係を壊さないためにも、周りにたくさん気を使うため、自分の本来やりたいことができずにストレスが溜まりがちです。しかし、自分軸で生きられるようになれば、そんなストレスから解放されます。人と比較することがなくなり、自分と他人を切り離して考えられるようになるのです。自分ができていないことをなんなくこなしている人を見ても、「それぞれのペースがある」とフラットに考えることができるため、ストレスを感じることが少なくなります。

✓本来の能力が見つけられる

自分軸の生き方にシフトすることで、他人に合わせて生きていたときには見つけられなかった、さまざまな才能に気づける可能性があります。自分の個性を受け入れ、気持ちを大切にして生きることは、今まで気づいていなかった本来の自分の魅力や能力を見つけるチャンスなのです。

以上、エゴレジ研究所からしなやかに生きるための「自分軸」についてご紹介しました。目線を少し変えるだけで実践できるはず。つまり、あなたが違和感に気づくだけで、今日からスタートできることです。周りに合わせながら、少しずつ自分らしさを失ってしまわないように「自分軸」を持ちましょう。気づいたときに一つずつ始める地道な努力が有効です。まずは自分自身と向き合い、今の自分を受け入れることからはじめてみましょう。

エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。

あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/

<プロフィール>

代表 小野寺敦子/ 心理学博士
目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
・・・・同校 心理学研究科大学院修士課程教授
・・・・同校 心理学研究科博士後期課程教授
臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問
NYこどものくに東京 理事

GM 畑 潮/心理学博士
GCDFキャリアカウンセラー
健康リズムカウンセラー

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