【速報】コロナ禍と働く女性のメンタルヘルス

代表 小野寺敦子/ 心理学博士

目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
同校 心理学研究科大学院修士課程
スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。

GM 畑 潮/心理学博士

新型コロナは、ワクチン接種が進み、感染拡大もようやく落ち着いてきた様相を呈しています。ただ変異ウイルスである“デルタ株”などの感染への危惧はあり、収束に向けては、なお予断を許さない状況が続いています。日本より一足早く落ちつきを見せた海外では、コロナに伴う不安や抑うつの増加に注目が集まっています。そこで今回は、エゴレジ研究所が9月末に実施したコロナ禍と働く女性のメンタルヘルス調査の結果速報をお届けします。

メンタルヘルスOECDのペーパー

本年5月に、経済協力開発機構(OECD)は、各国のメンタルヘルスに関するコロナ禍の影響をまとめたペーパー(以下、「OECDのペーパー」)を公表しています。
“Tackling the mental health impact of the COVID-19 crisis: An integrated, whole-of-society response”(OECD, 12 May 2021)

新型コロナのパンデミック発生以降、大きく3つの面から、人々は精神的苦痛にさらされる可能性があるようです。

1つめは、感染そのものが引き起こす恐怖や不安。感染して重症化し死に至ることに対する恐怖、感染したときに医療を受けられるのかという不安、感染が周囲に知られて差別されるのではないかという不安、などが含まれます。

2つめは、ウイルスの拡大に伴って環境が変化したことで生じる問題。拡大防止のための外出自粛や行動制限から生じるストレス、失業などの経済的打撃がもたらす抑うつや自殺、在宅の増加から生じる家庭内の暴力や虐待、ネット依存の高まり、高齢者の認知機能の衰え、などが該当します。

3つめは、メディア、ネット、SNS等からの情報が引き起こす問題。テレビの情報番組等がもたらす不信と混乱。ネット上での衛生用品や生活用品の不足を煽るデマ、SNSでの感染した人に対する差別や誹謗中傷、などが含まれます。

こうした、精神的苦痛は、いずれの国でも心の健康にダメージを与えているようです。

◆不安有病率

たとえば、不安の有病率についてOECDのペーパーによると、コロナ前後で、アメリカでは8.2%→ 30.8%と急上昇。イギリスは19.0%→39.0%、フランスも13.5%→26.7%と倍近くに上昇しています。調査方法が各国で異なったり、自分の精神状態について回答する姿勢が国によって違っていたりするため、各国間の直接比較は困難とされるものの、日本は、2020年に10.9%となっています。

◆抑うつ有病率

抑うつの有病率では、アメリカは6.6%→23.5%と急上昇。イギリスも9.7%→19.2%と、倍以上に伸びており、フランスも10.0%→19.9%とほぼ倍増しています。日本も、7.9%→ 17.3%とコロナ前後で、倍以上に上昇しています。

エゴレジ研の調査

こうした報告をもとに、エゴレジ研では「働く女性のメンタルヘルス」に関する緊急調査を実施しました。

調査時期:約半年ぶりに19都道府県への緊急事態宣言と8県への蔓延防止等重点措置が全面解除されることが決定した2021年9月27~29日(Web調査)
調査地域:東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県
調査対象:30~59歳の有子共働き(フルタイマー)女性 562名

以下、単純集計による【速報】です。

◆コロナ禍中の勤務形態(全体:%)

全体で、「テレワークなし 42.3%」、「基本的に出勤で不定期にテレワーク 21.2%」「テレワーク100% 15.1%」「テレワーク50% 12.1%」「出勤50%以上で定期的にテレワーク 9.3%」でした。

◆コロナ禍によるストレスの変化(年代別:%)

全体でも「大いに増えた 23.1%」「やや増えた 44.8%」で、おおよそ7割の人がストレスの増加を報告しています。一方「むしろ減った」という人も少数ながら存在しています。

◆コロナ禍によるストレス得点(年代別)

ストレス得点では、いずれの年代とも「感染不安」が最も高く、次いで「経済的ダメージ」「環境の変化」の順でした。ストレス得点ではいずれの項目も30代が最もストレスが高く、年代とともに得点は下がっていく傾向がありました。統計的には、「経済的ダメージ」の30代と40代の間に年代差はありませんでした。

◆不安診断(年代別:人数)

◆抑うつ診断(年代別:人数)


今回使用した診断尺度(HAD日本語版)は症状のスクリーニングテストとしても有用であるとされています。通常時の「不安あり」の判定割合が女性では約27%、「抑うつあり」の判定割合が約33%です。
今回の結果は、各年代ともに「不安あり」判定割合が通常時よりかなり高く、何らかの身体症状を伴っている可能性があります。
「抑うつあり」の判定は、19.1~29.8%で通常時の割合より低い結果となっています。

以上、エゴレジ研究所から、働く女性のコロナ禍での影響を調査した結果を速報でお知らせしました。研究組織「パラロミン研究会」が、2021年に関東・関西圏の20~70代の男女1,200人に対して行った「コロナ禍の不安と疲労の実態調査」によると、コロナ禍で「不安疲労」を全世代の半数以上の人が感じていることが明らかになっています。また、これまであまりメンタル不調を訴えてこなかった働き盛りの40-50代で、ここにきてメンタル不調が急増しているデータもあります。これまでわりと生活が安定し社会的にも成功して順風満帆のように見えた働き盛りの40-50代が、このコロナ禍により一番影響を受けているからかもしれません。

エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。

あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/

<プロフィール>

代表 小野寺敦子/ 心理学博士
目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
・・・・同校 心理学研究科大学院修士課程教授
・・・・同校 心理学研究科博士後期課程教授
臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問
NPO法人フレンズスクエア 代表理事

GM 畑 潮/心理学博士
GCDFキャリアカウンセラー
健康リズムカウンセラー

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