《和文化》広重没後160年

こんにちは!笛の福原百麗(ふくはら ひゃくれい・藤本博子)です。

こちら神楽坂女子倶楽部のサイトも、より皆様に活用頂けるよう現在少しずつリニューアルされています。
このコラムも「大人女子の教養 ~和文化~」と、ちょっとカテゴリー変更しておりますが、投稿はこれまで通り、第1・3・5水曜です。

ということで、これからは音楽や和楽器にとらわれずに、もう少し幅広く日本文化を捉えてみたいなと思っております。
もし「こんなことが聞いてみたい」とかリクエストがございましたら、ぜひご意見くださいませ。

ところで、首都圏は少し暑さが戻ってきたこの連休ですが、皆さまはどちらかにお出かけされましたでしょうか?

私は大学の勉強会のレポート作成のネタ探しのため、美術館に行ってきました。
実は私、学生でもありまして、京都造形芸術大学(通信)で芸術学を勉強しております。2年程前に、ある先生の公開講座を受講したのですが、それがめちゃくちゃ面白くて、受講した仲間たちと先生にもご参加頂き、毎月レポートを持ち寄って講評し合う勉強を続けています。

どういう勉強かと言いますと「近世日本絵画のディスクリプション」、ディスクリプションとは作品記述、つまり美術館で作品に説明書きがありますけど、あれです。

キャリアコンサルタントが本業の私にとって、書くことは重要な仕事でもあり、何か仕事にも繋がるヒントを得られるかもしれないと思ったのが受講動機でした。
想像以上に奥が深くてハマってしまったわけですが、絵画の解説も、人間の解説(履歴書や職務経歴書)も、対象物をどれだけ客観・俯瞰視して、確固とした根拠に基づいて論理的に記述するかが決め手だという点が共通しています。

そして、どちらも最後の決め手のトッピングが「感情」。

どれだけその絵に感動したか、どれだけ素晴らしいか、どれだけその仕事にやりがいを感じていたか、そのような感情が、最終的に人の心を揺り動かすのではないかと考えています。

最近は「そんな感情的に書いちゃっていいの?」と思ってしまう説明書きが美術館でも増えてきて、その良し悪しは別として、非常に面白いです。
(ちなみにディスクリプションや論文は基本的に感情は入れません)

ビジネスと芸術。
まったく真逆のものの中にすごいヒントが隠されていたりするのは本当に興味深いことです。

レポートの範囲が「近世日本絵画」で、安土桃山から幕末位までの約300年、琳派や浮世絵など、きら星のごとく日本絵画を代表する画家が出た時代です。
今年は日仏友好160周年でパリでは「伊藤若冲展」が開会したことが先日報じられていましたが、国内では歌川広重の没後160年を記念して、全国5つの美術館を中心に「広重展」が同時開催中です。

私が連休中に足を伸ばしたのは、その内の一つ、原宿の太田記念美術館。
それほど広くなくて、畳スペースもある落ち着いた雰囲気の多くの浮世絵を収蔵する美術館なのですが、外国人も多く、なかなかの人気ぶりでした。

よく知られた「東海道五拾三次」や「名所江戸百景」始め、難しいことを考えずに気軽に日本の懐かしい風景を堪能し、江戸時代の人々の暮らしを感じられる機会です。
北斎や広重はかつてヨーロッパの人々に衝撃を与え、ジャポニズムがブームとなりました。
影響を受けた印象派の画家たちは、その後日本の画家たちに衝撃を与えました。
現代の私たちは果たしてどのような衝撃を受けるか。そんな期待感を持って、今の自分が何を感じるか・・・こんな自己分析で楽しんでみるのもいいものですよ。

昔の実業家は能楽や茶道などの嗜みがあり、文化人でもありましたが、残念ながら今の起業家にはあまり見受けられません。
逆に外国人の方が日本文化に詳しいという笑えない現象が起こりつつあります。
Hanako世代の意識が高い私たち女性が、これからの日本文化を支えられればいいのですが・・・。

太田記念美術館の「特別展 没後160年記念 歌川広重展」は10月28日まで開催中です。
・24日まで前期、29日から後期で展示替えあり
・25~28日は休館。他にも休館日ありますのでご確認を。

藤本博子(福原百麗)

伊藤忠商事を皮切りに、転職8回、事務職から営業、大道芸人まで20の職種を経験。16年間、人材派遣・紹介会社にて営業、転職コンサルタントとして勤務後、独立。

これまでのべ1万人以上の就業・転職サポートを行い、2013年には人材大手転職サイト主催のスカウトコンテストにて1位(部門別)獲得。

現在、民間委託の求職者支援訓練指定校(セラピスト養成)にて就職支援講座(自己分析、就活実技、顧客サービス等)及びキャリアカウンセリングを担当。現在、京都造形芸術大学で芸術学を学びながら、アートを取り入れた「じぶん分解ワークショップ」を開発。訓練校やセミナー等で広く活用している。

一方、長唄囃子福原流笛方として演奏活動の他、洋楽(フルート)との比較やビジネスの視点から見た指導は非常にユニーク。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


PAGE TOP