《健康》エゴレジと幸せホルモン

スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりするものです。その理由もメカニズムもさまざまです。でも、誰もが持っている力「エゴレジ力」を高めることで、それぞれの状況に応じて自我のバランスをとる力を強化し、メゲたり凹んだりしても、すぐに立ち直る力を養うことが可能なのです。

エゴレジ研究所の小野寺と畑が、お手伝いします。

🔴エゴレジの3つのポイント 

エゴレジは、「自我弾力性」と訳されることもあります。自我の弾力性と言うとちょっとわかりにくいので、ゴムに例えてみましょう。ゴムボールを押さえつけるとヘコみます。これはストレスがかかった状態です。ゴムには元に戻ろうとする性質があるので、押さえる力を抜けば、つまり、ストレスがなくなれば、元の形に戻ります。

強い力で押され続けたり、繰り返し押されたりすれば元に戻りにくくなり、弾力性がなくなります。エゴレジは、この弾力性に例えられます。ヘコんだ状態から(自我を調整して)心を平静な状態に戻すのに役立つ力と言えるでしょう。日々のストレスに直面してメゲたとき、自我egoを調整しバランスをとって元の元気な自分、少しでも気分のいい感じの自分に戻ろうとする力です。このエゴレジの「元に戻ろうとする力」を発揮するためには、何が必要なのでしょうか。

エゴレジには、以下の3つの要素があります。

これらが高いと、エゴレジも高いと言えます。

エゴレジ研究所のワークショップで行っているのは、基本的にはエゴレジチェックの14項目の点数を高めていくことを意識することです。日常生活のちょっとした行動です。

例えば、「私は今まで食べたことがない食べ物を、試すことが好きだ」が1点だった場合、意図的に「食べたことがない食べ物を食べるようにする」行動です。あるいは、いつも同じ道を通るなら、「たまには違う道を通ってみる」行動も有効です。先ほどの3つの要素で言えば、「好奇心」を意図的に高めることといえるでしょう。

ほかにも、嫌なことがあった日の寝る前に、その嫌なこと以上に良かった過去の出来事を3つくらい思い浮かべてみるようにする。嫌なことがあると、どうしてもそのことばかり考えて視野が狭くなってしまいがちですが、こうしたやり方を知って、気分転換する方法を知っておくだけでも、ポジティブな方に意識を向けることができ、「立ち直り力」につながります。

さらに、「私の周りには、感じが良い人が多い」という項目は、「柔軟性」に関わっています。この点数が低い人は、人の悪いところにばかり目がいってしまいがち。でも、人には多様な側面があります。「いつもぶっきらぼうだけど、根は優しい」とか「心配性ということはそれだけ丁寧」など、さまざまな方向から見たり、捉え方を変えたりすることで、柔軟性が高まるでしょう。

🔴幸せホルモン

エゴレジは幸福感ともとても強い関係があります。エゴレジ力の高い人ほど幸福感は高くなる傾向があるのです。エゴレジを高める行動を意識して行うことは、幸せホルモンと関係します。

「幸せホルモン」とは、脳内ホルモンの中でも、分泌されると心と体に心地良さを感じるもののことをいいます。エゴレジをアップする行動で幸せホルモンを活性化しましょう。3つの幸せホルモンと分泌しやすくなる行動のヒントをあげておきます。

イライラを抑えてくれる「セロトニン

心のバランスを整える作用があるホルモンで、「安心のホルモン」と呼ばれています。セロトニンがきちんと分泌されると、ほかの神経伝達物質が暴走するのを抑制し、平常心を持ち続けることができます。また、睡眠を促す「メラトニン」というホルモンを分泌するための原料としても使われており、質のいい睡眠にも大きく関わっています。セロトニンが不足するとイライラしたり、うつ状態や暴力的になりやすいと言われています。

✔規則正しい生活
✔にっこり笑い、口角をあげる
✔朝、太陽の光を浴びる
✔大豆食品など(たんぱく質)を積極的に食べる

快感を得ることができる「ドーパミン

なにかうれしいことや良いことが起きると、脳内で分泌され、快感を得ることができます。「快感のホルモン」と呼ばれ、ドーパミンが分泌されると人間は意欲が湧いてきて、もっとうれしいことや良いことを行おうとします。人間の意欲・やる気・運動・学習能力に深くかかわっています。

小さな目標をいくつも達成する
✔チーズや納豆など(アミノ酸「チロシン」)を食べる
✔積極的に外出して歩く

心を落ち着かせてくれる「オキシトシン

セロトニンと同様、心を落ち着かせる効果があるオキシトシン。しかし最大の特徴は、スキンシップなどの人と人との親密なコミュニケーションの際に分泌されること。親しい人からタッチやハグをされることで、オキシトシンが分泌されると、温かく幸せな気持ちになるといわれています。

✔人と関わり、交流する
✔子どもやペットとハグする
✔人を褒める
✔誰かと一緒に行動する
✔出会う人たちに親切にする

これらの「やる気」や「快感」「安心」といった幸せな気持ちをもたらしてくれるホルモン。エゴレジをアップする日常的な行動に取り入れて、幸せホルモンもアップさせましょう。これらの効果は、うまく活用すれば、人間関係や仕事そのものにも役立てることができそうです。

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次回はまたエゴレジ関連の話題をご紹介します。

小野寺敦子

エゴレジ研究所代表。心理学博士。目白大学人間学部心理カウンセリング学科教授。同校心理学研究科大学院修士課程教授。同校心理学研究科博士後期課程教授。臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問。
NPO法人こどものくに代表理事。

畑 潮

エゴレジ研究所GM。GCDFキャリアカウンセラー

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