神楽坂女子倶楽部、和文化「かぐや姫チーム」、笛の福原百麗(ふくはら ひゃくれい・藤本博子)です。
このコラムがアップされる時には台風が日本海側を進んでいるかと思いますが、大きな災害が出ませんよう、祈っております。
この月曜日には、台風が接近するじっとりと蒸し暑い中、毎年恒例の若宮流(端唄・小唄)家元と「笑点」でお馴染みの落語家の林家たい平師匠の会(ディナーショー)で笛のお仕事をさせて頂きました。
家元とたい平師匠は同じ秩父エリアのご出身で懇意にされてらっしゃって、たい平師匠は歌がプロ並みでいらっしゃるのですが、家元にもたま~に端唄を習われてるとか。
ちなみに、噺家さんは一通り鳴物(太鼓、鉦(カネ)、鼓や笛)や端唄・小唄などのお座敷芸を修行の一つとして習われます。ご存知のように寄席では笛や太鼓の鳴物が入りますし、江戸時代に落語と同じ庶民の芸能として端唄・小唄も発展したという背景もあるでしょう。
ディナーショーのトリが、たい平師匠の落語でしたが、その前座を務められたのが、太神楽の鏡味仙成さん。
太神楽(だいかぐら)とは、古くは神社の舞楽だったと言われる神楽の一種で、傘の上で升を回したりする、「おめでとーございますー」で有名な海老一染之助・染太郎の芸で知られる、あれです。
山に行くようなでっかいリュックで現れた若干、21歳の仙成さん。
中には傘やら鞠やらいっぱい道具が詰まってました。
本番では予定していた傘回しが傘が少々壊れてしまって別メニューとなりましたが、年齢が信じられないほど臨機応変でお見事な芸でした。
あとでこっそり伺いましたら、何と15歳から弟子入りされて修行されてるとか。
3年ほどでテクニックは覚えられたそうですが、舞台で人前でできるかどうかは別。
実際舞台に出られるようになったのはわずか2、3年前だそうで、ますますびっくりしてしまいました。
噺家ではないので、それほどトークは入りませんが、それでも数少ないトークも自分で考え工夫しなくてはならないのだとか。
こればかりは師匠も先輩も教えてくれるものではないそうです。
そこにどのようなお客様が来られるか、何を期待されているか、考えながらトークも演目も自分で考える・・・芸人は本当に頭と気を使うお仕事です。
私の出番は端唄・新内の朝川玲伎師匠と一緒に鳴物(バックミュージシャンですね)としてお家元やたい平師匠の端唄・小唄で出させて頂きました。
↑ ↑ リハーサル合間のステージです。
毎度のことながら、今回も「聞いてませんけど!!!」という知らない曲が直前(当日です!)のリハーサルで登場!
クラシック音楽などでは絶対にありえない話ですが、このようなアバウトな邦楽でもそうそうない話です。
ちょっと焦りはしましたが、その場で録音して短い休憩時間で譜面を作成し、ぶっつけ本番で何とか切り抜けられました。
そんな「想定外が想定内」というスリル感も邦楽の醍醐味かもしれません。
(やる側としては、少々勘弁してほしいのが本音ですが・・・)
来年は日本橋の三越劇場で開催されるそうです。どうぞお楽しみに!
また、先日開催しました「篠笛体験講座」もリクエストを頂きましたので、急遽今月15日(土)か16日(日)に開催する方向で検討しております。決定しましたら、直前のお知らせになりますが、次回のメルマガでご案内申し上げます。
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