《和文化》東をどり

こんにちは!
笛の福原百麗(ふくはら ひゃくれい・藤本博子)です。

先週、木曜から日曜までの4日間、東京の新橋演舞場では毎年恒例の「東をどり」が開催されました。
私の笛の師匠も出演されていたので、いつも助手を務めているカルチャーセンターでは私が代理でお稽古をさせて頂きました。

この「東をどり」、今年で95回を数える歴史があります。
幕末に興った新橋花柳界は明治維新以降の政治、文人たちとも深く関わり、大きく発展してきました。
大正14年に、京や大阪の芸者さんの歌舞練場に倣って新橋演舞場が建てられ、「東をどり」が始まりました。

戦後の演舞場の復興後、川端康成、吉川英治、谷崎潤一郎といった文豪の脚本による舞踏劇も創作・公演されたそうです。(東をどりHPより)

先日、NHKの番組「プロフェッショナル」に赤坂芸者の赤坂育子さんが取り上げられて、その芸を極める姿勢に改めて感服しましたが、その中でも、新橋、赤坂といった花街の、置屋や料亭がどんどん閉店していると少し寂しげに話されていました。

ぜひ機会がありましたら、まだ残されている日本の伝統芸を堪能できる場にお運び頂ければと思います。

神楽坂女子倶楽部では、以前、歌舞伎鑑賞ツアーを企画しましたので、このような舞台に興味を持たれたり、ご覧になられた方は多いのではないかと思います。
お能よりも分かりやすく、楽しく鑑賞できますが、面白おかしく気軽で楽しい舞踊に見えても、演じられる芸者さんたちは、気が遠くなる程の、踊り、三味線や唄、囃子(太鼓、大鼓、小鼓、笛などの楽器)の稽古の積み重ねがあってのものです。

このような芸者さんの芸事の修行については、私が語るまでのこともなく、よく知られたことです。それにしても、今でもこの道を目指して全国から江戸や京に来る、10代、20代の若い女性がいるということに正直驚いてしまいます。
今はゲームやSNSや、楽しい娯楽が山ほどあるというのに、なぜ長唄や日本舞踊、お座敷芸に惹かれ、厳しい修行の道を選ばれるのでしょうね。

実は私、「東をどり」をじっくり客席で堪能した記憶がなく、師匠が出演されているので、カルチャーセンターで代稽古をしていたり、舞台裏や楽屋でお手伝い、お付きをしていたりすることがほとんどでした。
舞台裏は当然、一般の方は簡単には出入りできませんから、貴重な体験をさせて頂けたわけですが、堪能してる余裕なんてありません。
すごい演者、大御所の先生方ばかりですので、単なる付き人であっても半端ない緊張感です。
ちょっとした所作や振る舞いが無礼になって、師匠の顔に泥を塗るようなことがあってはなりませんから。

次回はその舞台裏の一つ、「黒御簾」について書いてみたいと思います。

最後に一つご案内です。
お座敷芸の一つ、端唄の会が6月1日にあります。
こちらは素人さんの発表会のようなものですので、気軽に無料で、でも文化財にも指定されている能舞台をみながら堪能できます。
プロの演奏だけでなく、素人が三味線や唄を習ったら・・・
こんな風に上達していくのね!というレベルが分かるのが面白いところ。
素人さんが楽しく学んでらっしゃる様子を拝見するのもとても楽しめます。
私もちょっとだけ笛を吹かせて頂きます。

朝川会端唄三味線 第6回研鑽会
6月1日(土)
時間:13:45開場 14:00開演
場所:代々木能舞台(京王新線初台駅から徒歩5分)

藤本博子(福原百麗)

伊藤忠商事を皮切りに、転職8回、事務職から営業、大道芸人まで20の職種を経験。16年間、人材派遣・紹介会社にて営業、転職コンサルタントとして勤務後、独立。

これまでのべ1万人以上の就業・転職サポートを行い、2013年には人材大手転職サイト主催のスカウトコンテストにて1位(部門別)獲得。

現在、民間委託の求職者支援訓練指定校(セラピスト養成)にて就職支援講座(自己分析、就活実技、顧客サービス等)及びキャリアカウンセリングを担当。現在、京都造形芸術大学で芸術学を学びながら、アートを取り入れた「じぶん分解ワークショップ」を開発。訓練校やセミナー等で広く活用している。

一方、長唄囃子福原流笛方として演奏活動の他、洋楽(フルート)との比較やビジネスの視点から見た指導は非常にユニーク。

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