《健康》エゴレジと人間の脳

スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりするものです。その理由もメカニズムもさまざまです。でも、誰もが持っている力「エゴレジ力」を高めることで、それぞれの状況に応じて自我のバランスをとる力を強化し、メゲたり凹んだりしても、すぐに立ち直る力を養うことが可能なのです。

エゴレジ研究所の小野寺と畑が、お手伝いします。

🔴脳の3つの本能 

「エゴレジ力」アップのキーワードの一つは「好奇心」です。分からないものに対して、その理由や意味を知りたいと考えるのは、ヒトの根源的欲求です。

脳神経外科医の林成之先生によれば、脳が最初に情報を受け取る脳神経細胞は、生まれながらにして、一つひとつが「本能」をもっているそうです。脳神経細胞がもつ本能は、「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」の3つです。人間の脳は複雑な社会システムを作り出しています。

太古から、脳は人間社会のなかに「生きたい」「知りたい」という本能から“科学”を生み出し、「知りたい」「仲間になりたい」という本能から“文化”を、「生きたい」「仲間になりたい」という本能から“宗教”を作り出したのです。

また、現代社会においては、「生きたい」とい本能が”家庭”というシステムをつくり、「知りたい」という本能は”教育(学校)”のシステムを、「仲間になりたい」という本能は”組織(会社)”というシステムをつくり、維持しているとされます。本質的に、脳は本能に逆らわないことを求めているそうです。

出典:林成之著「脳に悪い7つの習慣」から引用

🔴興味をもつこと

さらに、林先生は次のように述べておられます。

脳神経細胞の3つの本能の中でも、思考や記憶に大きく関わり、脳の原点とも言えるのが「知りたい」という本能。生まれたばかりの赤ちゃんの脳が、情報の伝達路を形成するきっかけになるのも、お母さんへの「興味」です。つまり、人間の脳にとって「興味をもつこと」こそが、すべての始まりだと言えます。

興味がないことは覚えられないものですし、深く思考したり、独創的な発想をすることもできません。

特に、人並み以上に物事への興味が薄いという人は、注意が必要です。脳の考える仕組みが機能しなくなるばかりか、脳の神経伝達路も、使わなければ衰えるからです。

「知りたい」という脳の本能を磨くには—-

◆『興味がない』と思ったり、口にしたりしないこと
◆人の話を聞いたり、本を読んだり、常に新しいことを知ろうと、前向きに耳を傾ける姿勢をもつこと

好奇心は大事です。好奇心がもてないと、脳の機能も働きません。知りたがる、聞きたがる、見たがる、やりたがる、といった前向きな態度が大切です。

🔴好奇心=脳に知的な刺激を与える

認知症を予防 米メイヨ・クリニックのDavid Knopman教授は「生涯にわたり“積極性”を忘れず、脳に知的な刺激を与え続けるべき」と主張しています。そうすることで将来認知症になるリスクが減ることが、約2,000人を対象にした調査で明らかになったそうです。

学習効果が高まる それほど興味のないことでも、ふとしたきっかけで好奇心が湧き起これば、スルスルと頭に入ってくるようになることが、米カリフォルニア大学デービス校のMatthias J. Gruber氏らの調査で明らかになっています。その“ふとしたきっかけ”は、それほど興味がなくても好奇心を目覚めさせる、自分なりの方法を見つけておくのが望ましいそうです。

人との絆が深まる 好奇心旺盛な人は周囲の人にも興味津々。おかげで豊な社会生活を送ることが可能になります。自分に興味を持ってくれる人を邪険にする人はいません。また興味の対象となる人の話をよく聞こうとするためか、「好奇心の強い人は良い聞き手であり、会話が上手な人が多い」と、米ペンシルベニア大学のBen Dean博士は指摘しています。

好奇心をもって生きることこそ、脳を喜ばせて、脳力を目覚めさせる鍵なのです。「見たい」「聞きたい」「知りたい」「やりたい」とあなたが感じる時、脳は自分が今よりよく生き延びられる可能性を感じてワクワクしています。

好奇心旺盛に過ごすことの重要性はご理解いただけましたか?好奇心は「エゴレジ力」アップのキーワードです。小さな行動でいいのです。いつもと違う道を通ってみるだけで新しい経験ができ、発見があるでしょう。

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次回はまたエゴレジ関連の話題をご紹介します。

小野寺敦子

エゴレジ研究所代表。心理学博士。目白大学人間学部心理カウンセリング学科教授。同校心理学研究科大学院修士課程教授。同校心理学研究科博士後期課程教授。臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問。
NPO法人こどものくに代表理事。

畑 潮

エゴレジ研究所GM。GCDFキャリアカウンセラー

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