ラジオ講座『睡眠と薬のお話』一部ご紹介 

はじめに

FM西東京6月・7月の土曜前AM7:45~『教えて、なぜ?なに?睡眠先生』
全8回でお送りするのが、お薬と睡眠のお話。(再放送:水9:00~、インターネット視聴はhttps://842fm.comより)
今回は、その中からテーマの一部を抜粋してさらに詳しく解説しちゃいます。

睡眠とお薬の種類と使い方の基本

先ずは、基本のお話。ラジオ中でもお伝えしていますが、睡眠薬は「飲めば治る」ものではありません。一時的に寝かせるものであり、回復の手助けをするものです。
一部疾患を除き、そもそも眠れなくなった根本の原因=行動の問題・環境の問題・心の問題・体の問題を、解決・改善・回避しない限り、お薬をやめたらまた眠れなくなります。

『治すのはあなた自身です。』

さて、それでは睡眠とお薬の種類と使い分けについてご紹介していきます。
一般の方が思い浮かぶのは、いわゆる睡眠薬ではないでしょうか?
医療用医薬品は、それだけではありません。眠らせるだけが目的ではないのです。眠りにくくさせる必要もあります。

<大きく分けると3つ>
◇覚醒させるもの(例えば、カフェインは眠気を覚ます効果のある医薬品です。)
◇眠らせるもの
◇落ち着かせるもの

医療用医薬品の内、<睡眠障害に主に用いられるもの>は次のように分かれます。

◆精神刺激薬
◆抗不安薬
◆睡眠薬
◆漢方薬
◆その他

<その他>とさせていただいたものの中には、

△例えば、痛みがひどくて眠れないのであれば、睡眠薬ではなくて痛み止めが優先です。
△例えば、かゆくて眠れないなら、抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬です。

特に第一世代の抗ヒスタミン薬は、副作用でかなり眠気がでる傾向があります。

花粉の薬を薬局でもらう時に、薬剤師から眠気注意と言われたことはありませんか?OTCの睡眠改善薬はこの作用を利用して眠気を誘導しています。

△例えば、精神疾患を有している場合は、抗精神病薬を同時に使うこともあります。

△例えば、血圧の薬が原因で不眠になることもあります。その場合は、他の作用機序を持つ血圧の薬に変更します。眠剤を飲めばいいわけではないのですが、医師も降圧薬のせいだと気づかないこともあります。他にも眠りに影響を及ぼす薬はあります。

△例えば、更年期の症状の一つで不眠が出ていたとします。婦人科系の漢方薬や、ホルモン補充療法が効果を発揮することもあります。

△例えば、病気が原因の場合、当たり前ですが眠剤が第一選択ではなく病気の治療薬が最優先です。

さらに、睡眠障害のうち特に不眠症に対してのお薬の使い方に、どう違いがあるのか?を見てみましょう。

いわゆる睡眠薬は、次のような種類に分かれます。

◇ベンゾジアゼピン系
◇非ベンゾジアゼピン系
◇メラトニン製剤&メラトニン受容体作動薬
◇オレキシン受容体拮抗薬
◇その他(抗不安薬・抗精神病薬・抗ヒスタミン薬・漢方薬など)

そして、効果の持続時間でも分類されます。

◇超短時間型
◇短時間型
◇中間型
◇長時間型

不眠症は、3つに分かれます。

<入眠困難><中途覚醒><早朝覚醒>です。

つまり、目的によって薬を選ぶ必要があります。寝つきを改善したいのか?脳の興奮を抑えて深い眠りを確保したいのか?もうちょっと長く眠らせたいのか?

◇入眠困難つまり寝つきの改善には、
超短時間型・短時間型・メラトニン受容体作動薬・オレキシン受容体拮抗薬・軽い抗不安薬・漢方薬などが用いられます。

◇中途覚醒や早朝覚醒には、
中間型・長時間型・オレキシン受容体拮抗薬・漢方薬などが選択されます。

◇ベンゾジアゼピン系受容体作動薬が無効な症例には、
睡眠作用の強い抗うつ薬・少量の抗精神病薬を使うこともあります。

そしてここからは、賛否両論あるかとは思いますが、薬剤師としての現場の肌感覚からの意見です。

新しい薬は、副作用が少なく安全ですや、依存がありませんという言い方をされる医師もいらっしゃいますが、そんなことはありません。

 

・眠気残り。これは非常に多いと感じます。効きすぎて眠気が残り午前中ボーっとしてしまう。起きることが困難。
・睡眠中の異常行動、せん妄、健忘など記憶に関わる事象。

これらは、ケガや事故につながる恐れがあります。

また、薬の選択や、量の調節は実は難しいのです。特に中間型~長時間型は選択が難しい。ある程度時間をかけて試す必要があるのです。

・口渇、ふらつき、嘔気、頭痛、食欲不振、肝機能低下なども起こる場合があります。

そして、どの薬であっても依存はあり得ると感じています。何万人の患者さんを見てきて思うことです。

これは薬の成分による精神的依存だとは言い切れない気もします。私たちの心(思考)の問題ではないかとも思うのです。

一番最初に上げた、薬の役割と自分の役割のお話です。
本気で不眠症から回復したいのならば、生活改善・行動改善・思考改善をしなければならない。
でも、それは全く意識せず、薬が何とかしてくれると思い込んでいること。

これが依存の入り口です。

やがて薬がないと眠れないんです私!に変わります。

さらに、自分で自分の脳に「眠れないどうしようと毎晩聞かせている」人が多いのです。眠れない人である自分がデフォルトになります。

もっと気楽に考えることから始める必要があるのかもしれません。
眠れないこと・途中で起きちゃうことに対する不安や悩みも脳の興奮の一つです。
興奮が収まらなければよい眠りはやってきません。

例えば、限界までしばらく寝ないで一旦ぐっすり眠る。これも一つの方法です。大丈夫。2,3日寝なくてもすぐに死ぬわけではありません。(循環器系など他の疾患がある人にはオススメできません。主治医と相談してから実施してください。)

いずれにせよ、お薬は目的によって様々です。適切に選び服用し、適正にやめることが重要です。

まとめ

基準は、起きている間、『それなりに元気で、それなりにハッピーに過ごせているかどうか?』睡眠を単に長さで計らない。短いから不眠症ではありません。

「症」がつくということは病気です。

病になる前に自分でできる改善行動をま先ずは実践する。
そしてもし病気になりそうな場合は早めに専門家に相談しましょう。

FMラジオ西東京『教えて、なぜ?なに?睡眠先生』
6月・7月 (土)7:45~ (水)9:00~
又は配信 https://842fm.com 

それでは、今夜も良い眠りを・・・☆

プロフィール

Sleep Performance Company (スリープ パフォーマンス カンパニー)
代表:小林 瑞穂 (こばやし みずほ)
薬剤師/睡眠改善インストラクター(H29年現在)薬科大学卒業後、営業職に従事。その後メンタル専門の薬剤師となり、延べ5万人以上の「眠りの悩み」に関わる。2011年独立。睡眠活用の専門家として、社会人が今よりもっと輝くための『ハイパフォーマンス睡眠法』や『生産性向上のためのセルフリーダーシップ睡眠研修』など、セミナーや講演、企業研修を実施。体感型ワークを多く取り入れた講座は、「すぐに実践できる」「スッキリ起きられるようになった」「仕事の効率化が計れた」「働き方改革に繋がった」など、好評を博している。
スリープ・パフォーマンス カンパニー https://sleep-perform.com/
快眠サロン水月~mizuki~   https://mizuki-kaimin.com/
新聞コラム連載・各種メディアでのコラム執筆や、TV出演等も行っている。
*著書:『できる大人の9割がやっている 得する睡眠法』(宝島社)

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