花粉症と薬と眠気の話

はじめに

いよいよ花粉シーズンスタート!今年は関東甲信では非常に多い!の予測だとか。
花粉症の方はどうしても数カ月に渡りお薬を服用する方も少なくないはず。
花粉症の時に感じる眠気には様々な理由が考えられます。
その中でも、薬による眠気については可能ならばコントロールしたいところです。
その反応は人それぞれなので一概には言えませんが、参考となったら幸いです。

花粉とお薬と眠気とライフスタイル.

以下に示すデータはあくまでも参考値。実際、私が携わっている薬局という現場で患者さん達から得られる情報などの肌感覚では、大まかな傾向はその通りであるけれど、
『反応には個人差があるなぁ』&『結局どの薬が自分にベストかは飲み比べないとわからないよなぁ』と言うのが本音。

そしてもう一つ。薬による眠気と本来の睡眠のための眠気は全く別物です。
鼻水を止めたくてお薬を飲むと眠くなることがあるわけですが、その感覚も様々です。

  • ず~んと重く怠くなるような感じの方もいれば、
  • ボーッとして頭が働かない様な眠気の方もいますし、
  • もはや起きているのが辛いぐらいの人もいます。
  • 逆に全く眠気は感じない人もいるのです。

では、効果と眠気と用法を加味してどんな選び方をするか?考えてみたいと思います。

《抗ヒスタミン薬の分類》
1)第一世代と第二世代に分かれます。
ちょっと抗ヒスタミン薬ってややこしいのですが、肥満細胞から放出された「ヒスタミン」が受容体に結合してアレルギー反応を抑える抗ヒスタミン作用と、第二世代には、ヒスタミンの放出そのものを抑制する抗アレルギー作用もあるのです。

一般的に、第一世代
◇眠気が起こりやすい
◇抗コリン作用も有するので口渇や便秘や排尿障害や眼圧上昇などが起こりやすいので、前立腺肥大や緑内障、乳幼児の熱性けいれんなどで使えない人もいる

しかし一方で、
◇早く効く
◇強く効ので鼻がピタッと止まる
◇鼻づまりにも効果的

という特徴があります。

第二世代はというと、
◇眠気は起こりにくい
◇コリン作用が無いので使いやすい
◇長時間効くので服薬回数が少なくて済む

一方で、
◇第一世代に比べて効き目は弱め
◇眠気は薬による
という特徴があります。

2)さらに、眠気という観点では、「鎮静性」と「非鎮静性」とに分ける分け方もあります。
中枢に鎮静作用を及ぼすから眠くなる⇒脳内への移行が多いか少ないかが、「眠気」のキーポイントになるという分け方です。

中枢移行が少ない非鎮静性の薬は、添付文書に車の運転への注意喚起がかかれていない薬もあります。
最強に効く薬と比較すると効果に差は出ますが、花粉症のドライバーさんなどは使いやすい薬と言えます。

https://twitter.com/IshiyakuAppツイートより引用

このほかにも比較されたグラフは数ありますが、その見解によって順番が変わります。
要は、アレグラは眠くならず使いやすいけど効果は弱いよね&アレロックは割と効くけど眠くなる人多いよね(※あくまでも私も含め多くの薬剤師の個人的見解です)
強さや眠気にザックリした傾向はあるけれど、似たようなランクの薬では、個人差が大きく反映されるというところでしょうか。

薬局業務NOTE HPより引用

用法はご自身のライフスタイルや症状を鑑みて、薬を選ぶ重要な基準になります。
例えば、1日1回で長く効くタイプは、最も手軽ではあります。一方でその薬に眠気を感じる場合、明日運転だけど飲んじゃった!でも効果は持続中となります。
1日2回は面倒くさい。一方で、TPOに合わせて調節しやすかもしれません。
空腹時でないと効果が減少してしまう薬もあります。
寝る前と指定されている薬もあります。

また、花粉症医療の現場ではその症状によって、一般的に第二世代をベースに、局所でしっかり効くように点鼻薬を同時に使うことが多いですし、悪化時に眠気覚悟で第一世代を追加したり、抗ヒスタミン以外のアレルギー薬との合わせ技にしたりします。

いずれにせよ、反応は人それぞれ違います。
「ほかの疾患の有無や服薬中の薬との関係」「効果の強さ」「眠気」「服用方法」などを考えた上で、医師&薬剤師と相談し、可能であれば飲み比べて自分に合ったものをチョイスするのが、少しでも楽に花粉シーズンを乗り切るコツです。

まとめ

働くカクジョ世代花粉症の皆さん!少しでも花粉シーズンを楽に過ごす。そして出来るだけ不自然な眠気を避けて仕事も頑張る。今年はそんなシーズンになると良いですね。

それでは、今夜も良い眠りを・・・☆

プロフィール

Sleep Performance Company (スリープ パフォーマンス カンパニー)
代表:小林 瑞穂 (こばやし みずほ)
薬剤師/睡眠改善インストラクター(H29年現在)薬科大学卒業後、営業職に従事。その後メンタル専門の薬剤師となり、延べ5万人以上の「眠りの悩み」に関わる。2011年独立。睡眠活用の専門家として、社会人が今よりもっと輝くための『ハイパフォーマンス睡眠法』や『生産性向上のためのセルフリーダーシップ睡眠研修』など、セミナーや講演、企業研修を実施。体感型ワークを多く取り入れた講座は、「すぐに実践できる」「スッキリ起きられるようになった」「仕事の効率化が計れた」「働き方改革に繋がった」など、好評を博している。
スリープ・パフォーマンス カンパニー https://sleep-perform.com/
快眠サロン水月~mizuki~   https://mizuki-kaimin.com/
新聞コラム連載・各種メディアでのコラム執筆や、TV出演等も行っている。
*著書:『できる大人の9割がやっている 得する睡眠法』(宝島社)

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