カフェインをさらに仕事に活かすなら?

Sleep Performance Company (スリープ パフォーマンス カンパニー)
代表:小林 瑞穂 (こばやし みずほ)
研修講師/薬剤師/睡眠改善シニアインストラクター(日本睡眠改善協議会)埼玉県出身。薬科大学卒業後、営業職に従事。医療の現場で心を病む人が増加している現状を目の当たりにし、心理カウンセラー資格を取得。その後、睡眠問題を深く掘り下げるためメンタル専門の薬剤師となり、延べ5万人以上の「眠りの悩み」に関わる中で、睡眠は心と体を元気にし、目の前のあなたに笑顔をもたらす!と確信を得る。
日本にわずか10名ほどしか存在しない『睡眠改善シニア指導員資格』を取得(H29年3月現在)。睡眠活用の専門家として、社会人が今よりもっと輝くための『ハイパフォーマンス睡眠法』に関するセミナーや、講演活動、『生産性向上のためのセルフリーダーシップ睡眠研修』など、企業研修・安全大会講演を実施。体感型ワークを多く取り入れた講座は、「すぐに実践できる」「スッキリ起きられるようになった」「仕事の効率化が計れた」「働き方改革に繋がった」など、好評を博している。スリープ・パフォーマンス カンパニー https://sleep-perform.com/
快眠サロン水月~mizuki~    https://mizuki-kaimin.com/新聞連載・各種メディアでのコラム執筆や、TV出演等も行っている。
*著書:『できる大人の9割がやっている 得する睡眠法』(宝島社)

はじめに

カフェインと睡眠のお話は何度か取り上げています。今回は、ビジネスタイムに更に有効につかうならどうする?を考えてみたいと思います。

仕事に活かすカフェインの取り入れ方のご提案

カフェインで眠気が飛ぶのは皆さんもご存じの通り。
では、どのようなメカニズムでその効果が出るのか?を見てみると、仕事の際、より効果的にコーヒーや緑茶を飲む方法も浮かび上がります。

脳が覚醒するルートは一つではない。例えば、楽しい時や、すごく焦ったり、緊張したりするときも眠気は吹っ飛びます。
では、カフェインの覚醒効果のメカニズムは?というと、アデノシン受容体がキーワード。

脳の、側坐核の神経細胞にあるドーパミン受容体とアデノシン受容体。

①先ず、やる気アップホルモンと呼ばれるドーパミンは、ドーパミン受容体に結合すると、眠気が出にくくなります。=覚醒効果。
やる気満々の時、楽しい時、ワクワクする時、好きなことをしている時、などの眠くない&作業効率が非常に上がっている状態がこれ。

②脳がエネルギー源であるアデノシン三リン酸を消費し、それが分解されたものがアデノシン。疲労を感じるころ多く出てくるわけです。
このアデノシンは、アデノシン受容体に結合すると、眠気を誘発することが分かっています。

③このアデノシン受容体とドーパミン受容体は拮抗しています。
ドーパミン優位ならば、興奮して眠気は飛ぶ!のですが、疲れてアデノシンが沢山受容体と結合すると、ドーパミンの働きが阻害されるので眠気優勢!となります。

カフェインは、アデノシンと構造が非常によく似ています。
アデノシンの代わりにアデノシン受容体に結合してしまうため、眠気を誘発する本物のアデノシンが受容体に結合するのを邪魔します。

⑤結果、アデノシンの眠気誘発効果は発揮されず、ドーパミンの覚醒効果が発揮される。⇒結果、眠気が飛ぶ。

と、このようなメカニズムでカフェインの覚醒効果が出るのです。
ここで仕事時のカフェインの有効活用について考察します。
吸収され、効果が出始めるまでには20分程度かかることは視野に入れた上で、コーヒーなどカフェイン飲料を活用すると考えます。

◇眠くなってはいけない時の眠気覚まし目的

ただし、やる気の全くでないつまらない会議の眠気対策としてカフェインを使っても、覚醒効果と眠気のどちらが勝つか??は微妙なところ。

なぜならば、ドーパミンは楽しい感情や好きな事をする時やワクワク感でより多く放出されるホルモンだから。つまらないなぁ・いやだなぁ・・という状態のときには沢山は出てこない。アデノシンの他にも眠気を引き起こす理由はたくさんある。

スムーズな覚醒とその後の効率を視野に、昼寝前にコーヒーを飲む

⇒ちょうど効果がではじめるタイミングを利用する。
また、夕方以降のカフェインは夜の本睡眠に影響が出る場合があることを考えると、やっぱり最適なのは、朝と昼。

◆昼寝後のカフェイン効果を活用するならば、折角のドーパミンの覚醒効果・やる気アップ効果・作業効率アップ効果をムダにしない。
⇒単調作業や、嫌な仕事、つまらないと思う仕事、苦手な仕事、などを選ぶよりも、

もっと早く仕上げたい仕事、楽しい企画、笑顔での接客など対人の仕事、好きで集中して取り組みたい仕事、など、WANTな気持ちでできる仕事。がより効率アップにつながる可能性大。

どんな作業をどの時間にやるか?カフェイン効果込みでタスクの組み立ての参考に。

締め切りに間に合わない!などの焦る気持ちやなどを活力にする場合は、ドーパミンではなく別のホルモンが手助けしてくれます。

◇仕事のための眠気覚まし目的で、カフェイン摂りすぎにはご注意を!

⇒それは薬に頼るのと同じ考えです。
昼間に眠くて眠くて困る。仕事に影響が出る。それは睡眠、又は体調・心の状態に問題があるサイン。先ずは生活の見直しを。

まとめ

仕事中つかの間のホッとするお茶タイム。もし、カフェインが入っているものを飲むのならば、折角ですから一息つくだけでなく、上手に有効に活用してみてはいかがでしょうか?

それでは、今夜も良い眠りを・・・

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


PAGE TOP