スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。 エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。 |
ふとした瞬間に季節を感じると時間の流れが愛おしいものに思われます。季節を味わい楽しむことができると、いつもの暮らしも豊かに過ごせます。そこで今回は、季節を楽しむヒュッゲな時間についてのお話です。
季節は「二季化」?
温暖化・気候変動の時代と言われる中で、日本らしい「四季」の変化が失われつつあるといったことを耳にするようになりました。
気象学が専門の三重大学の立花義裕教授は、「長~い夏と、ちょっとだけ春と秋があって、あとは冬がしっかりあるという、夏と冬の二季の国になっていっているという風に思います」と、近年は季節の進み方が変化していると指摘されています。
実際は「夏が長くなる」状況、「季節の境目(落差)」が目立つ状況とも言えるようです。気温は「データ・統計」で見る状況と、「体感」する状況では何かしらの違いが生じる場合があります。「二季化」は一つの体感的な考え方としては否定できないかもしれませんし、ある気温を基準にした場合、夏以外の季節が短くなっていることは否定できませんが、データ・統計上は春・秋が「はっきり消えた」とまで言える状況にはないようです。
気温のデータで見ると、春は「より早まった」という認識が無難なようです。
出典:気象庁ホームページ https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/mar_jpn.html
上記のデータは気象庁による3月の平均気温の変化を示したものです。
近年は3月の気温が異常に上昇しており、このような傾向は他の月では見られません。気温上昇の度合いは昭和の時期の寒い3月と、近年の3月では5℃程度に達している場合すらあり、5℃の気温差となると、季節が1つ違う段階にあると言わざるを得ません。
かつての3月は、平成の半ば頃までは、西日本などでも雪が降る機会があるような季節であり、春の入り口とは言え、冬の名残りが色濃く見られる月でした。しかしながら、近年は異常な気温上昇により、東日本や北日本ですら3月の雪が大幅に減り、2月までの「冬」と3月以降の「春」が明確に区切られるような状況が増え、冬の名残りとしての性質が極端に失われてきています。3月だけが異常に気温が上がる傾向にある点が、温暖な季節への変化を強く印象付け、実際には4〜5月にかけて「春らしい陽気」が存在する場合でも、「冬からすぐに夏になる」イメージを強めている可能性があります。
一方、「秋の短さ」は、データから見た場合、「11月までの気温」の大幅な上昇と、「12月の気温」の変化の小ささが影響していると考えられます。
「平均気温」の変化を見ると、秋の中でも特に11月は、以前と比べ高温傾向が強まっており、肌寒い日となる頻度が減っています。一方で、冬に入った12月の気温を見ると、古い時代と近年の気温差が、それほど大きくありません。例えば、近年の日本海側では「1年で最も雪が多い」月が12月であるケースも多いように、12月は意外なほどに「冬らしい季節」となっている場合があるのです。つまり、温暖化する11月と、言うほど温暖化していない12月の気温差が、以前と比べ拡大しているため、その気温の落差が「秋が短い」イメージを強めていると推定されるのです。
季節がおかしくなってきている。といった議論の中では「冬がなくなる」といった言われ方は余り見られません。これは、体感的な問題であり、実際には温暖化していたとしても、冬は相応に肌寒さがあるため、暖冬であっても「冬」であると体感しやすいことも一つの要因と言えます。
五感で季節を楽しむヒント
とはいうものの、季節の変化に気がつくことはありませんか。目で見て肌で触れて、においを嗅いで舌で味わって、耳で聞いて。五感をフル稼働させてみると、ふだん見逃していた季節の移ろいをじわじわと感じて、ちょっといい気分になるかも。たとえば…
◆季節ごとの「空と風」「水と光」を感じる
空も雲も空気も水も、日ごとに移り変わっていきます。ふと空を見上げて気もちがやわらかくなる経験は誰にもあるはずです。朝の光を浴びて元気をもらったり、夕焼けを眺めてしみじみしたり、星空を見上げてゆったり過ごすのも贅沢な時間です。
◆季節の「色」と「息吹」に触れる
目に鮮やかな野菜やフルーツの彩り、木々や植物・・・ふわりと漂う香りに気づいたり、なにげなく目に入ったときハッと心をつかまれます。季節を目や鼻で感じると季節に触れている実感が高まります。
◆「旬」の野菜やくだものを識る
季節の野菜の知識があると、いちばんおいしくて栄養価も高い食べごろがわかります。旬を逃がすなんてもったいないから、野菜もくだものも収穫時期を把握しておくと便利です。
◆季節を「舌」で楽しむ
季節をいちばん手軽に感じられるのはやはり「食」。旬のものは自然の恵みをたっぷり受けて育っているため栄養価も高く、価格も手頃。しかも、その時期に体が必要とする成分や効果を持つものもたくさん。旬の野菜やくだものを使った食べ物は作っても食べても大好評です。
◆季節の花をおうちで愛でる
四季の花がそばにあるだけで、暮らしが少し豊かになったような気持ちになります。ガーデニング始めたり、道端に咲く小さな花や、庭先の草花を少しだけ摘んで、小さなブーケを作ったり、花瓶に挿して部屋に飾るだけでも季節を身近に感じられます。
五感を使って自然を味わうと、心がふっとほどける瞬間が生まれます。見て、触れて、聞いて、匂って、味わってと、季節のパワーを暮らしに取り入れてみましょう。
ヒュッゲな暮らしを楽しむ
ヒュッゲ(Hygge)とは、デンマーク発祥の「心地よく、温かく、くつろげる時間や空間」を大切にするライフスタイルのことです。
単なるインテリアやカフェスタイルを指すだけではなく、「大切な人と過ごす時間」「自分を大切にするリラックスした時間」など、日常の中にある小さな幸せを味わうことを重視しています。寒い冬を楽しく乗り越えるために育まれた文化ですが、現代ではストレスの多い日常を豊かにするヒントとして世界中で注目されています。
四季折々の自然や風景に寄り添いながら、心地よい時間を大切にする。ヒュッゲな暮らしは、季節ごとの小さな楽しみを見つけることから始まります。
春夏秋冬、それぞれの美しさを感じながら、小さなヒュッゲを日々の暮らしに取り入れていきましょう。心地よい季節のめぐりを、ゆったりと楽しみましょう。
以上、エゴレジ研究所から季節を楽しむヒュッゲな時間についてご紹介しました。ヒュッゲとは、特別なものを用意することではなく、「今ここにある幸せに気づく」ことから始まります。忙しない毎日の中に、小さな温もりややさしさを取り入れて、心地よい時間を増やしてみましょう。
エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。
あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/
<プロフィール>
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代表 小野寺敦子/ 心理学博士
目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授 |
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GM 畑 潮/心理学博士 GCDFキャリアカウンセラー 健康リズムカウンセラー |
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