より良く歳を重ねる秘訣「経験への開放性」

代表 小野寺敦子/ 心理学博士

目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
同校 心理学研究科大学院修士課程
スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。

GM 畑 潮/心理学博士

スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりするものです。その理由もメカニズムもさまざまです。でも、誰もが持っているエゴ・レジリエンス(略称:エゴレジ)の力を高めることで、それぞれの状況に応じて自我のバランスをとる力を強化し、メゲたり凹んだりしても、すぐに立ち直る力を養うことが可能なのです。エゴレジのパワー養うキーワードの一つは「好奇心」です。心理学では、『好奇心が強くて、新しい経験に挑戦することが好き!』という心のもちかたのことを、「経験への開放性」と呼んでいます。今回はこの「経験への開放性」についてご紹介します。

パーソナリティ特性のモデル「ビッグ・ファイブ」

「経験への開放性」は、「ビッグ・ファイブ」として知られる5大性格特性モデルの要素の一つです。ビッグ・ファイブ(5因子モデル)の考え方は、アメリカの心理学者、ゴールドバーグ,L.Rによって提唱されたパーソナリティの特性論によるもので、以下の5つの要素でその人のパーソナリティの特徴を大まかに説明できるとするものです。

5つの要素 定義 側面
経験への開放性 新たな美的、文化的、知的な 経験に開放的な傾向 創造性、好奇心、想像力、審美眼
真面目さ 計画性、責任感、勤勉性の傾向 自己規律、粘り強さ、熟慮
外向性 自分の関心や精力が外の人や物に向けられる傾向 積極性、社交性、明るさ
協調性 利己的ではなく協調的に行動できる傾向 思いやり、やさしさ
精神的安定性 感情的反応の予測性と整合性の傾向 不安、イライラ、衝動が少ない

日常何気なくしている個人の行動や習慣は、本人の持つこの中の特性を表しています。

※ビッグ・ファイブ(5因子モデル)性格特性診断 例

経験への開放性が持つ側面

開放性とは「経験を積極的に求め楽しむ、馴染みのないものに耐えられ求める」という傾向のことです。ビッグ・ファイブの経験への開放性の持つ側面は多様です。

創造性、想像力
この特性のスコアが高い人々はクリエイティブで想像力に溢れていて、内的世界がとても豊かです。発散的思考の持ち主で、一見関連性が内容なアイディア同士を結びつけて考えることができます。前進するための新たな道を常に見つけ出すことに加え、その創造性は芸術というレベルだけには止まりません。革新的な観点を持った偉大な科学者たちやあらゆる分野の専門家たちも、高い開放性を見せます。

好奇心
この特性のスコアが高い人々は大きな知的好奇心があり、思考の分析や答えの探究に関わろうとする傾向も見られます。そのため、常に新しい知識を求めており、積極的に様々な視点から物事を見ようとするのをいといません。さらに、多様な趣味関心を持っていて学びを楽しんでいます。

審美眼
芸術や音楽、そして美しいものへの高い理解力は、このタイプのパーソナリティに非常に特徴的です。置かれている状況へ完全な注意力を向ける能力は普通よりも高く、フローという状態により入りやすい、とされています。そのため、「今、ここ」に専念できる可能性がより高く、現在行なっている活動に対してより没頭することができるのです。

感情
この特性のスコアが高い人々は心の内側の状態との繋がりが普通より強く、高い内省能力を持っているため、自らの感情と調和することを恐れません。感情全てをしっかり経験しようとします。

価値観
この特性のスコアが高い人々はあらゆる種類の価値観にオープンであり、既存の教義や信条に(たとえそれらが自分自身のものであっても)疑問を抱きやすい傾向があります。さらに、どんな権威に対しても、その価値観を検証することなしに服従するようなことはありません。

行動
この特性のスコアが高い人々は新たな経験や活動に挑むことに対してよりオープンです。進んで新しい味を試食しようとしたり、異文化を知ろうとしたり、コンフォートゾーン(ストレスや不安が無く、限りなく落ち着いた精神状態でいられる場所)から出ようとします。簡単に言うと、刺激を探し求めて変化を受け入れるということです。

「経験への開放性」の特徴としては,空想にふけること,芸術や学問に関心を抱くこと,自分の感情を意識して言葉に表現すること,これまでにしたことがない新しい体験に興味をもつこと,アイディアを練ることや新しい考え方が好き,権威やしきたりにこだわらないことなどを挙げることができます。近年、この「経験への開放性」が高いことが、より良く歳を重ねるための重要な秘訣であることが明らかになってきています。

経験への開放性とウェルビーイング

ビッグ・ファイブのパーソナリティ特性について、米国のスティールらが2008年に行ったメタ分析結果があります。それによると、

「経験への開放性が高い人ほど、幸福感、ポジティブ感情、生活の質が高い」ことがわかりました。一方、経験への開放性はネガティブ感情や生活満足度とは関係していませんでした。

40~82歳の方々2,205名を対象にした国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(2012年)では、年齢に関係なく、「経験への開放性」の高い人は、低い人に比べて、知的な能力が高いことが分かりました。すなわち、好奇心が強くて、新しい経験に挑戦することが好きな人は、知的な能力も高い傾向があったのです。

西川一二先生らの研究(2014年・2015年)では、好奇心が高い人ほど心理的well-being(幸福な状態)や主観的幸福感が高いことが明らかにされ、好奇心や経験の開放性が高い人は良好な対人関係を築き、それを維持することができ、また幸せな結婚にも結びつくとされています。

以上、エゴレジ研究所からより良く歳を重ねる秘訣「経験への開放性」についてご紹介しました。エゴレジは、「経験への開放性」や「好奇心」と強い関連があることがわかっています。

『脳が目覚めるたった1つの習慣』の著者、東北大学脳科学センターの瀧靖之教授によれば、好奇心は「脳のごちそう」なのだそうです。なぜなら、脳が好奇心を示すまだ見たことのないものや、未知の世界には、今まで以上に自分たちをよりよくいかしてくれるものが潜んでいるかもしれないからです。

つまり、好奇心をもって生きることこそ、脳を喜ばせて、脳力を目覚めさせる鍵なのです。「見たい」「聞きたい」「知りたい」「やりたい」とあなたが感じる時、脳は自分が今よりよく生き延びられる可能性を感じてワクワクしています。美味しいものを食べにいくとき、大好きな仲間と話しているとき、趣味に夢中になっているとき、やりたい仕事に携わっているときなど、積極的に自分にとっての楽しみを追い求めようとするとき、あっという間に時間が過ぎていくのは、脳がとてつもない集中力を発揮しているからです。

エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。

あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/

<プロフィール>

代表 小野寺敦子/ 心理学博士
目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
・・・・同校 心理学研究科大学院修士課程教授
・・・・同校 心理学研究科博士後期課程教授
臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問
NYこどものくに東京 理事

GM 畑 潮/心理学博士
GCDFキャリアカウンセラー
健康リズムカウンセラー

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