働く女性のメンタル

スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。

クヨクヨしない! 人と比べない! とは言いながら、「注意されてクヨクヨする」「キラキラしている人のSNSを見て落ち込む」「自分の意見を押し殺してしまう」――。どうもメンタルが弱いと感じている人は、意外と多いようです。そこで今回は、働く女性のメンタルについてのお話です。

働く女性のリアル

働く女性のメンタルについてのリアルをアンケートで見ていきましょう。

◆デロイト トーマツ グループの調査から

2021年11月~2022年2月にデトロイトが実施した世界調査「Women @ Work 2022: A Global Outlook」の日本版  jp-2022-deloitte-global-women-at-work-report-jp.pdf

この調査は、COVID-19のパンデミックが続く中で世界の女性の職場における全般的な満足度・展望・モチベーションを明らかにし、企業が検討すべき課題を示すことを目的に、日本、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、ドイツ、インド、南アフリカ、英国、米国の計10か国で合計5,000人の働く女性を対象に行われました。日本版では、調査対象のうち、日本で働く女性500人の回答から示された傾向やグローバル平均との比較をまとめています。以下は一部抜粋したものです。

燃え尽き症候群は働く時間が変わった女性に多い
日本・グローバルともに、半数以上(日本57%、グローバル53%)の女性のストレスレベルが1年前よりも高まっていることに加え、日本の女性はグローバルの女性に比べ、燃え尽きたと感じている割合が高くなっています(日本50%、グローバル46%)。
特に、パンデミック以降に「勤務時間が変わった」と答えた女性は、勤務時間が変わらなかった女性やパートタイム勤務の女性に比べ、ストレスや燃え尽きたと感じている割合が多いという結果が示されました。

半数以上の女性が、自分のストレスは1年前よりも増えていると回答し、約半数が燃え尽きていると感じている。また日本では燃え尽き症候群が、退職を考えている人の理由のトップで (ただし、世界と比べるとやや低い水準) 、次いで不十分な給与、ワークライフバランスの欠如となっている。

ほぼ半数が自分のメンタルヘルスの状態が悪い/非常に悪いと回答し、3分の1がメンタルヘルスの問題により仕事を休んだことがあるが、そのうち職場でメンタルヘルスの問題について抵抗なく話せると回答したのは43%のみであった。

調査に回答した日本で働く女性の57%が、メンタルヘルスが悪い状態にある一方で、職場で話題にしない傾向にあるようです。

同調査のその他の結果では、
・日本の女性は、自分たちの生活のある側面(例えば、仕事の満足度、仕事でのモチベーション)を、グローバルと比べ高く評価している。
一方、「オフへの切り替える」能力や ワークライフバランスは、グローバルよりもわずかに下回っている。
・リモート・出社の組み合わせ(ハイブリッド)で働く日本の女性は、世界のハイブリッド勤務者よりも、会議や交流から疎外されていると感じている割合が高い。
また、 どこでどのように働くべきかに ついて明確な基準が示されていると回答する人は少なく、リーダーと接する機会が十分でないとの回答も多いようです。

◆日経WOMANの調査から

2022年5月、日経WOMAN公式サイトで実施された調査(有効回答数497人、平均年齢は43.2歳)の結果。

どんなときにメンタルが強いと思う?

どんなときにメンタルが弱いと思う?

メンタルは「強い」「弱い」と表現されますが、それぞれ具体的には、
・メンタルが強い:どんな状況下でも自身をコントロールできる
・メンタルが弱い:常に物事を悪い方向性に捉えてしまう     といった状態を指します。

メンタルトレーニング

メンタルトレーニングの技術は米国をはじめとして世界中で進化しています。メンタルトレーニングでは、自身のメンタルに対してネガティブな影響をもたらす要因を回避しダメージを最小限に留め、元の気分に戻るための取り組みを行います。
メンタルトレーニングは、概ねつぎの3つの効果を狙います。
やる気の維持 /自信が育つ/緊張の緩和
負の感情のコントロールを学ぶことは、メンタルをしなやかにし、仕事の成果や自己成長につなげることができます。

メンタルトレーナーの笠原彰先生(作新学院大学教授)は、つぎのように解説され、誰にでも取り組めるトレーニング法を紹介されています。

メンタルトレーニングは、感情のコントロールが可能になる科学的なトレーニングであり、多くのアスリートやビジネスマンに取り入れられています。基本的な考えは、メンタルトレーニングは技能であり、訓練によって向上可能であることです。メンタルトレーニングでは、次の4つのキーワードが重要になってきます。

  1. 思考:頭の中に思い浮かんだ言葉
  2. 感情:喜怒哀楽 短い言葉で言い切れる感情を表す言葉(怒り、焦り、やばい不安、緊張、弱気、いらいら、そわそわなど)
  3. 身体反応:身体の内外で起こる生理現象(発汗、筋肉の硬直、震え、動悸など)
  4. 行動:身体の動き

メンタルを向上させるためには、 (1)思考と(4)行動2つを変えていきます。感情と身体反応は、直接変えることはできません。思考と行動を変えることによって、感情と身体反応を変えていきます

最初は、思考よりも行動を変えることをおススメします。行動は、変えていることを自他ともに自覚しやすいからです。感情を変えるために行動を変えることは、多くの方が経験的に実行しているはずです。例えば不安という負の感情を感じたとき、多くの方は深呼吸をした経験があると思います。深呼吸という行動によって、感情をコントロールしているのです。

感情をコントロールしたいとき、落ち着こうとか冷静になどと感情を言葉にするだけでは不十分です。行動に変えることによって、感情をコントロールします。

表の「感情」の下に、さまざまな負の感情が書かれています。右側の空欄に、それぞれの負の感情をコントロールするための行動を記入してください。皆さんが過去に試した方法、見聞きした方法など何でも結構です。


行動を記入したら、いつでもどこでもその行動を実行できるように訓練します。訓練を始めたときから、それがメンタルトレーニングになるのです。

メンタルトレーニングに必要なのは、毎日コツコツ積み重ねることです。毎日コツコツトレーニングを行うことで、本番に強い自分を作ることができます。

トレーニングを続けると、自分がどんなメンタルの傾向があるのか、どんな問題を感じやすいのか、自己分析ができます。自己分析ができると、心、メンタルとの付き合い方が上手くなります。それがセルフコントロールの向上へと繋がります。

以上、エゴレジ研究所から働く女性のメンタルについてご紹介しました。メンタルトレーニングの内容は自身の感性に合う内容が大切です。メンタルが弱いと思っている人も、感情をコントロールして、「しなやかなメンタル」を手に入れ、自分らしく働くための参考にしてもらいたいと思います。

エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。

 

あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/

<プロフィール>

代表 小野寺敦子/ 心理学博士

目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
・・・・同校 心理学研究科大学院修士課程教授
・・・・同校 心理学研究科博士後期課程教授
臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問
NPO法人フレンズスクエア 代表理事

GM 畑 潮/心理学博士
GCDFキャリアカウンセラー
健康リズムカウンセラー

 

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