代表 小野寺敦子/ 心理学博士
目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授 |
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GM 畑 潮/心理学博士 |
何をしてもうまくいかない時があるものです。頭の中で、うまくいかないのを何かのせいにしてイライラしたり、自分を責めたりしがちです。そのまま頑張って進もうとすると、心も体もエネルギーが枯渇していって、本来の自分の力を失った状態になります。そんなときに必要なのは「癒しのセルフケア」です。そこで今回は、癒しのセルフケアのひとつ「ホ・オポノポノ」についてのお話です。
セルフケアが大事なワケ
長い期間ストレスを抱えていると、次第にストレスを認識する感覚が鈍くなるので注意が必要です。ストレスと上手につきあい、心と体の健康を守るためにセルフケアを日常生活に組み込むことが肝要です。
「セルフケア」の基本は、”自分のできる範囲で自分の面倒を見る“こと。セルフケアは、体はもちろん、こころが疲れたときも有効な手段です。
セルフケアを行ううえで大切なのは、日常生活のさまざまな場面で気軽に行える(=日常生活に組み込める)ということです。そして、セルフケアは、できるだけ多くの方法を知っておくことをおすすめします。セルフケアにも、自分に合う方法と合わない方法があり、多くの方法を知ることで自分に合う方法を見つけられる可能性が高くなるからです。また、多くの方法を知ることで、自分に合うセルフケアのなかから気分や状況によって使い分けられるメリットがあります。そこで今回は、そんなセルケアの一つとして、癒しのセルフケア「ホ・オポノポノ(SITH)」をご紹介します。
癒しのセルフケア「ホ・オポノポノ(SITH)」
“癒すとは元の状態に戻ること”。特別な何かを追い求めるのではなく、ただありのままの姿に戻ることです。癒しのセルフケアにはいろいろありますが、「ホ・オポノポノ」もそのひとつで、ハワイ生まれの心の浄化法です。
ハワイ語のホ・オポノポノ(Ho’oponopono)は「正しい道に帰る」「本来あるべき状態に戻す」というニュアンスです。単なるオマジナイなどではなく、元々は医療です。
ホ・オポノポノは、古代ネイティブハワイアンの伝統的な解決法や考え方、病気からの回復法・予防法であり、「言葉を使って自分の中に眠っている記憶をセルフケアしていく」という方法です。「目の前の現実は全て自分の潜在意識が造っている」という考え方がベースになっています。
これをハワイ伝統医療のスペシャリストであるモーナ・ナラマク・シメオナ女史(1913-1992)が、現代社会で活用できるようアレンジしたのが「セルフアイデンティティ スルー ホ・オポノポノ(SITH)」です。
近年、日本でも広く認知されつつあるホ・オポノポノは「セルフアイデンティティ スルー ホ・オポノポノ(SITH)」のことを指します。
ホ・オポノポノは、人が抱える悩みやトラブルなど、直面する問題になかなか解決策を見出せないときに取り入れる手法で、もっとも簡単にできる「癒しのセルフケア」として世界中で親しまれているようです。
ホ・オポノポノの公式ウェブサイトによると、多様な文化的・社会的背景からなる南北アメリカや欧州で実践されつつ、ハワイ州立大学などの教育機関のほか、国際連合などの国際会議やUNESCO、WHOにおいても紹介されてきたそうです。
自分を慈しむ4つの言葉
ホ・オポノポノを現代生活に活かすための方法は簡単です。4つの言葉を繰り返し唱えること、これだけです。それは、「自分を慈しむ言葉を繰り返し言う」ということです。
唱える時は声に出しても良いですし、心の中で唱えるのでも構いません。この4つの言葉を繰り返し唱えることが、ホ・オポノポノの基本のクリーニング方法です。
ありがとう(Thank you)
ごめんなさい(I’m sorry )
許してください(Please forgive me)
愛しています(I love you)
4つの言葉を誰(何)に向けて唱えるのか?というと、自分の潜在意識や、潜在意識の中の記憶です。繰り返し繰り返し唱えることで、潜在意識の中で眠っている記憶が修正されはじめ、心の状態も整ってくることが期待できるとされています。
中には「ごめんなさい」「許してください」に違和感をもつ人もいるようです。その場合は、省略して「ありがとう」「愛しています」だけにしたり、最終的には「愛しています」だけ言えばOK!とする考え方もあります。また、順番を入れ替えるのもOKだそうです。日常生活で何かと使うことが多い「ありがとう」から始めてみるのがおすすめです。
「ありがとう、ごめんなさい、許してください、愛しています」という4つの言葉は意訳、誤訳で正しく訳せば、
「ありがとう、光を与えてください、認めます、愛しています」
であるという指摘もありますが、実際にはどちらの言葉でも良いという説もあります。どちらでホ・オポノポノを唱えるかは、あなた次第でしょう。
自分自身と向き合う機会を作る
癒しのセルフケアで大切なことは、自分自身と向き合う機会を作ることです。4つの言葉を繰り返すことで、なにか凄いことが起こるというものではなく、浄化作用があるので、朝起きた時、食事前、寝る前、入浴中、通勤中など、ルーティン化すると良いと言われています。なぜか自然と気分がほぐれるようです。いつまで言い続けるのかは人によって様々ですが、気持ちがすーっとしたり、ほっとしたり、ネガティブな感情を手放せたら完了だそうです。
問題の原因と解決策は、他人や環境や状況の中にあるのではなく、自分自身の中にあると気づいてセルフケアし、良い方向に修正していくことが大切であるというのが、ホ・オポノポノの言わんとするところです。
このような考えは、現代を生きる私たちにとってはあまり馴染みがなく、共感しにくい部分もあるかもしれません。
ここでご紹介したホ・オポノポノの考え方「何が起きていたとしても、その原因と解決法は全て自分自身の中にちゃんとある」を無理に信じる必要はありませんが、そのような考え方もあるということを教養として知っておくことで、何かの気づきや発見につながるかもしれません。また、短期的・表面的な問題だけでなく、長期的・根本的な問題を解決する糸口が見つかるかもしれません。
以上、エゴレジ研究所から、癒しのセルフケアのひとつ「ホ・オポノポノ」についてご紹介しました。疲れきった状態だと、なかなか正常な判断ができず、ストレス発散をするにも、その気力が沸かなかったり、自分がどうやったら癒されるか、その方法を思いつかなかったりしてしまうことも……。ストレスというものは、自覚するころには既にとてつもなく大きなストレスがかかっているとも言われています。できれば、ストレスを感じる前から、日常的に自分を癒してあげるのがベストでしょう。
エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。
あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/
<プロフィール>
代表 小野寺敦子/ 心理学博士
目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
・・・・同校 心理学研究科大学院修士課程教授
・・・・同校 心理学研究科博士後期課程教授
臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問
NPO法人フレンズスクエア 代表理事
GM 畑 潮/心理学博士
GCDFキャリアカウンセラー
健康リズムカウンセラー
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