代表 小野寺敦子/ 心理学博士
目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授 |
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GM 畑 潮/心理学博士 |
「毎日やることが多すぎて、ストレスはたまる一方……。仕事が山積みで残業続きだったり、家事をすべて引き受けて一人の時間が取れなかったりすると、心も体も疲れ果ててしまいます。なんだか元気が出ない、将来が不安…など、スッキリしない心と体。疲れた脳を休めるために、今回は、日常に取り入れやすい「すきま瞑想」をご紹介します。
すきま瞑想のススメ
漠然と不安になったり、元気が出ない時に大切なのは、今、目の前にあることだけに集中すること。この集中する過程を「マインドフルネス」と言い、集中するためには、瞑想が最適。「瞑想とは、考えない練習です。雑念を払って“無”になること。雑念と無を行き来することで脳が活性化し、ストレスを軽減します。また、脳内で怒りの感情をつかさどる扁桃体の活性を和らげて、穏やかな気持ちに。血流を促すので、免疫力を上げるとも言われます」(医療法人和楽会理事長・貝谷久宣さん)。
さらに、『ずぼら瞑想』(幻冬舎)の著者、禅僧であり精神科医でもある川野泰周さんは、「自分が何に疲れているのかにも気づきにくくなることを防ぐために有効」で、日常生活に取り入れやすいのが「すきま瞑想」だと教えています。
すきま瞑想のメリット
川野泰周さんは、つぎのようなメリットをあげています。
✓脳が休まる時間ができて回復力がアップする
さまざまなことを同時に考えながら作業をするマルチタスクの状態は、脳を疲弊させます。「瞑想で1つのことに集中し、強制的にシングルタスクにすることで脳は休まり、リフレッシュします」
✓自分を慈しむ時間で自己肯定感を得られる
普段は自分以外のものに多くの意識を払い、脳のエネルギーを使っています。「瞑想によって自分の内面に意識を集中させると、自分自身をコントロールできるという自己肯定感が芽生えます」
✓切り替え上手になることで脳の使いすぎを防ぐ
人間が1度にできることは1つ。「『マルチタスクな人』は、同時進行がうまいのではなく、気持ちや行動の切り替えが上手。瞑想を日常に取り入れることで、気持ちの切り替えがうまくなります」
✓人生の楽しみを取り戻し、気持ちが明るくなる
「五感の1つに意識を集中させることが『瞑想』です。食事中、視覚で料理を愛(め)で、味覚で味わうというように、1つ1つの動作を意識するのも瞑想。すると、当たり前の日常の豊かさに気づきます」
✓ネガティブな感情を受け流せるようになる
瞑想中、悩みや気がかりなことなどが頭をよぎる…。「そんなときは、『悩むほど真剣に頑張ってる』『思い出した自分、えらい』と褒めてあげましょう。マイナスな気持ちもスッと流れていきますよ」
いつでもどこでも「すきま瞑想」のやり方
慌ただしい日常生活のなかでも、スキマの時間を賢く使えば、瞑想ができます。コツコツ続けることで効果が上がる!と教えてくださるのはタレント・ヨガインストラクター・中島史恵さんと医療法人和楽会理事長・貝谷久宣さん。
- 【朝】朝日を浴びながら 朝の光で脳を刺激
朝日は体内時計を整えて脳を活動モードにするための大切な刺激。「朝起きたらカーテンを開けて、朝日に向かってゆっくり深呼吸をします。寝起きでボーっとした頭がスッキリして集中力が上がり、清々しい気持ちになれます」(中島さん)
- 【朝】電車に乗りながら 足裏から息を吸い上げるように呼吸
「つり革をつかんで立ち、呼吸に集中。息を足の裏から吸い上げておへそを通り、口からふわっと吐き出すようにイメージします。呼吸に集中すると、周囲のことは気にならなくなり、イライラも軽減。気持ちのいい1日をスタートできます」(貝谷さん) - 【昼】ランチを食べながら お米をじっくり観察
「少量のご飯を茶碗に入れて、色つやを観察したら、臭いをかぎます。自分を満たしてくれるご飯に感謝しつつ、ひと塊を口に入れて口内に触れる感覚やにおいを実感したら、ゆっくりかみます。ご飯の形状や味の変化を感じたら飲み込み、食道を通り胃へ到達した感覚を受け止めます」(貝谷さん) - 【昼】木の下を歩きながら 植物のあるところは瞑想に最適
「緑がある場所は脳によい影響を与えます。公園や街路樹があるところを歩いてみましょう。歩幅や足裏の圧力、腕で風を切る感じなど、ひとつの感覚に集中して」(貝谷さん)
「葉脈を観察したり、木の香りをかいだりと、五感を働かせることも大切」(中島さん) - 【夜】シャワーを浴びながら 自分の体に感謝しながら洗う
「1日の終わりの入浴時には、今日も1日、“ありがとう”と自分の体に感謝して体をなでながら、手が体に触れている感覚を受け取ります」(貝谷さん)。自分をいたわることで、気持ちが落ちついて、寝つきがよくなります。 - 【夜】寝る前、ベッドに座りながら 明日の自分に暗示をかける
「しっかり休むためには、寝る前の瞑想は重要」(中島さん)
「ベッドの端に座ってゆったりと呼吸をし、“ゆっくり眠れる”や“明日は何時に起きる”など、自分に暗示をかけてから眠ると、その通りに実行しやすくなります」(貝谷さん)
朝でも夜でもどの時間帯でもいいのですが、続けることが重要です。そのためには、自分が確実にできる時間帯を決めることで、習慣化しやすくなるそうです。
瞑想実践には注意を向け続ける(持続)ことと、注意を広げる(分割、転換)というプロセスがあります。それを自在に操り、自身の体、思考、感情、周囲の様子を判断することなく眺めることができるようになると瞑想はどんどん面白くなっていきます。
あなたの生活のスキマに瞑想を入れて、脳をブラッシュアップしてみませんか?心と体の疲れを感じたら、メンテナンスをして回復させましょう。簡単な習慣を取り入れるだけで、心も体もリフレッシュすることができます。好奇心もチャレンジ精神も旺盛なエゴレジ力を発揮しましょう!
エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。
あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/
<プロフィール>
代表 小野寺敦子/ 心理学博士
目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
・・・・同校 心理学研究科大学院修士課程教授
・・・・同校 心理学研究科博士後期課程教授
臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問
NPO法人フレンズスクエア 代表理事
GM 畑 潮/心理学博士
GCDFキャリアカウンセラー
健康リズムカウンセラー
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