《和文化》摩訶不思議な「能管」その2

神楽坂女子倶楽部、和文化「かぐや姫チーム」、笛の福原百麗(ふくはら ひゃくれい・藤本博子)です。

衰えない暑さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか?

先週末からの酷暑で、危うく3度目の熱中症になりそうでしたが、なんとか日曜には『5分で音が出せる「癒しの篠笛体験講座」』を開催させていただきました。

初心者が対象でしたが、ご参加くださったお若い方は、地元の祭囃子を聴いて興味を持たれたということでした。
「赤とんぼ」などの叙情歌、ブラームスの子守歌などの洋楽曲、「涙そうそう」や「花が咲く」といったよく知られた曲をお聞きいただきました。

驚いたのは、若者くんがそのほとんどの曲をご存じなく、知っていたのはジブリの「もののけ姫」だけだったということです。

Hanako世代からするとビックリする話ですが、小学校で習った誰でも知ってる曲が今や、誰でも知ってるとは限らない!のですね~

日本国民の歌と言ってもいい「さくら、さくら」が小学校低学年では習わないって話も耳にしましたし、私たちが知らない最近の歌が教科書に載る時代のようです。
あらためて、常識って通用しなくなるんだなぁと実感する出来事でした。
お教えする立場としても、知識がある自分を基準に考えてはいけない、と肝に命じなければなりません。

現在、学校では音楽の授業で和楽器が必須になっているんですが、学校に楽器を寄贈した、ある和楽器店によると、せっかく沢山の、質の良い楽器を提供したのに、全く使われてなくて、「音楽の先生が教えられないのでしたら、専門家をご紹介しますよ」と連絡をしてみたけど、それっきりだった、とぼやいてらっしゃいました。

昨日NHKで、東日本大震災で被災し再建した小学校に毎年、東京のある高校の吹奏楽部が出張演奏をされているニュースが放映されてました。

その小学校にも世界中から素晴らしい楽器が多数寄贈されていましたが、どうも活用されていないようで、校長先生も「物品によるサポートよりも、生徒たちの心のケアが必要なんです」とおっしゃっていました。

和楽器も洋楽器も、身近にあっても遠い存在なのかもしれません。

さて、前回の「能管」の続きを少しします。

摩訶不思議な笛だという話を前々回いたしましたが、ちょっとマニアックに部分写真を撮ってみました。
鉛が埋め込まれていて重いのですが、実際どれくらい重いのかと思って計ってみました。
篠笛(六本調子)が43グラムだったのに対して、能管は130グラムほどありました。
頭の部分に鉛が入っているので極端にバランスが悪い作りです。

息を入れる「歌口」という穴も深くえぐれていたり、菅厚も厚くて、本当にどれだけ吹きづらく作られてるんだろうと思ってしまいます。

↑ わかりづらいかもしれませんが、右側の能管の方が菅厚が厚くなってます。

このような不思議な作りの笛だからこそ、能の劇的な場面、幽玄な世界が表現できるのでしょうね。

木沢いずみ

梅酒と青森ごはん tuakjam オーナー。

2007年より三軒茶屋にて、「梅酒と青森ごはん」の店、『tuakjam』をオープン。今年で10周年を迎えます。

以前働いていた焼酎バーでの知識を生かして、“酔いしれる「梅酒・焼酎・泡盛・果実酒」を中心に取り揃え、「お酒に合うごはん」を提供しております。一人飲みを楽しく、日々の生活に寄り添う、まさに“大人の学校”のような、お店です。『楽しみながら学ぶ』というのを、テーマに、和ごはん料理教室も定期的に開催。

また、『武士の食卓』では、プロ講師を取得。和文化をみなさんと一緒に「おいしく、楽しく」日本の文化を継承していきたいと思います。

 

 

藤本博子(福原百麗)

伊藤忠商事を皮切りに、転職8回、事務職から営業、大道芸人まで20の職種を経験。16年間、人材派遣・紹介会社にて営業、転職コンサルタントとして勤務後、独立。

これまでのべ1万人以上の就業・転職サポートを行い、2013年には人材大手転職サイト主催のスカウトコンテストにて1位(部門別)獲得。

現在、民間委託の求職者支援訓練指定校(セラピスト養成)にて就職支援講座(自己分析、就活実技、顧客サービス等)及びキャリアカウンセリングを担当。現在、京都造形芸術大学で芸術学を学びながら、アートを取り入れた「じぶん分解ワークショップ」を開発。訓練校やセミナー等で広く活用している。

一方、長唄囃子福原流笛方として演奏活動の他、洋楽(フルート)との比較やビジネスの視点から見た指導は非常にユニーク。

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