第29回 円安の原因って?

2023年も終わりに近づいていますが、2022年から円安ドル高の進行が進んでおり、現在も円安が続いている状況です。最近の物価上昇には円安の影響もあります。
円が弱くなっている理由のひとつは、「有事の円買い」がされていないことです。有事の円買いとは、世界で紛争や災害、事故があった場合、緊急避難の資金の逃避先として、日本円を買う動きです。過去の例だと、北朝鮮がミサイルを飛ばしたり、米軍がシリアを攻撃したときなどに円高が進んでいます。

ところが、最近のハマスがイスラエルを攻撃したときは、円安に戻っており、有事の円買いは行われなくなっています。
円安が続く大きな理由は、アメリカが金利を上げているからです。一方で、日銀は、マイナス金利を続けています。

金利が-0.1%(日本)の銀行と金利が5%(アメリカ)の銀行があると、当然、金利5%の銀行に預けますよね。今は、ドルを持った方が得だと考え、ドルを買う動きになっているため、アメリカにお金が流れていきます。世界中で各国の通貨を持つ投資家や企業が、日本円を手放している状況です。

では、何故、日本が金利を上げないのか?ですが、10年前に始まった異次元緩和という金融政策でマイナス金利を続けてきたからです。

金利をマイナスにすることで、企業の融資や、個人の住宅ローン、有価証券の購入などに使ってもらい、経済にお金をまわすことが目的です。
アメリカには、強い企業、成長している企業が多く、金利をあげても問題はありませんが、日本は、中小企業で借金が多いところだと、金利を上げると利払いが増えて苦しくなると思います。

28年間ほぼゼロ金利をやっていて、超低金利を長年続けたせいで、日本人は低金利を前提に行動しているため、住宅ローンや貸付も低金利を前提とした仕組みでうごいています。
そんな中、金利が上がれば、家計の負担も大きくなりますし、なかなかあげられない状態だといえます。

もう一つの円安の要因は、日本は稼いでいる金額よりも海外への支払う金額が増えていることです。
財務省が、国際収支統計を出してモノの輸出入やサービスに対してお金を払う、払われるものも含め、赤字が続いています。

震災後の電力不足や計画停電など六十苦と言われていました。色々な製造業が日本で生産しきれなくなり、海外で現地生産することになり、輸出が減ったことで赤字が拡大しました。その後、コロナでリモートワークが増え、zoomやSlackが使われるようになり、使われているサービスは、海外のものばかりです。

貿易赤字やサービス赤字は、さまざまな産業の動きが反映されていますので、継続的な円安要因になります。日本の競争力の低下が円安を招いると言えるでしょう。

ただ、円安は全てにおいて悪いかというとそうではなく、産業にとっての円安を見ていくとプラスになります。

海外で事業をしている企業は、円安は、利益にプラスになります。
上場企業のみならず、日本にある企業の利益の合計額は、2012年の2倍の水準迄来ています。
日本の大企業は、1円、円安に進むと2000億円もの企業利益が増えると言われています。

以前、コラムで伝えましたが、こういう企業を調べて投資していくことも一つの手です。
私は、資産運用はチャンスだと思います。アメリカは歴史的に金利が上がっているので、預けると資産は増えますし、アメリカの国債も金利が大きいと思います。ご自身で色々と調べてみるといいかと思います。

美容室勤務、百貨店勤務を経て独立し、通信業、保険業、海外積立等に携わり、現在は自身で暗号通貨やFX、gold、カジノ等様々なジャンルに投資をしています。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


PAGE TOP