《和文化》さくら

こんにちは!
笛の福原百麗(ふくはら ひゃくれい・藤本博子)です。

春もぐっと近づいて、花粉でグズグズの季節になりました。
桜前線は例年よりも早く北上するようで、そろそろ福岡で開花。予想では東京も春分の日には開花とか。

皆さんはもうお花見の計画は立てられてますか?
私は日本美術のレポート作成のために、毎月のように上野の東京国立博物館に行っているのですが、桜の季節だけは行きたくない!人の山はちょっと勘弁です。
私が住む佐倉市は「さくら」という地名だけあって、桜も堪能できる場所が各所にありまして、特に国立歴史民俗博物館(通称歴博)が建つ佐倉城址公園は名所です。
特に歴博のロビーから広いガラス窓を通して望む桜は、まるで屏風を眺めているような絶景です。
公園では人出も多くなりますが、なぜかゆったり感があるのですね。
場所取りしなくてもいくらでも場所はありますし、桜の木の下の草場に広くゴザを敷いて寝そべることだってできます。

さて、「さくら」の音楽、歌というと・・・
森山直太朗、コブクロ、ケツメイシ、DA PUMP? 何が思い浮かびますか?

当然、昭和世代としては学校で習った「さくら さくら」でしょう。

これは日本の古くからの古謡だと習いましたが、調べてみますと江戸末期の箏曲だったようです。
子供のお琴の手ほどきの曲、つまり初歩の初歩の曲、ピアノで例えるとバイエルのようなものでしょうか。
どおりで、箏で演奏されるのをよく聞きますし、非常に雰囲気がマッチしているように感じるもの当然ですね。

さくら さくら
やよいの空は
見わたす限り
かすみか雲か
匂いぞ出ずる
いざや いざや
見にゆかん

私はこの歌詞で覚えていますが、実は二通りあるってご存知でしたか?

さくら さくら
野山も里も
見わたす限り
かすみか雲か
朝日ににおう
さくら さくら
花ざかり

こんな歌詞もあるそうで、これは昭和16年に作詞され、古いものを一番、後のものを二番として掲載されていたり、後の歌詞を載せている教科書もあるそうです。
元々は箏曲だったものが、優美なメロディのため明治以降に歌として人気が出て広まったようです。

もちろん篠笛で吹いても、とても日本的で風情があって素敵なメロディです。
初心者でも吹ける簡単な曲です。お花見をしながら野外で吹くと、多少下手でも、風で音が揺れても、味わい深いものがあります。
しかし、プロが吹くとなると、簡単だからと侮ってはいけない曲でもあります。
ちょっと専門的な話になりますが、上手く五線譜通りに吹こうとすると、ピッチ(音程)が完璧な西洋音楽になってしまうからです。
日本の音楽はどこか陰湿で、不安定さを感じさせるもの、不完全なもの。
完璧なリズムやピッチになると途端に違和感を感じてしまう。
不完全さこそ日本の音楽、芸術だといえるのではないでしょうか。

●もし篠笛を習ってみたい等、個別にご相談、お稽古のご希望等ございましたら、
こちらまでどうぞ!

ワード・スピリット 藤本博子
wordspirit.curation@gmail.com

藤本博子(福原百麗)

伊藤忠商事を皮切りに、転職8回、事務職から営業、大道芸人まで20の職種を経験。16年間、人材派遣・紹介会社にて営業、転職コンサルタントとして勤務後、独立。

これまでのべ1万人以上の就業・転職サポートを行い、2013年には人材大手転職サイト主催のスカウトコンテストにて1位(部門別)獲得。

現在、民間委託の求職者支援訓練指定校(セラピスト養成)にて就職支援講座(自己分析、就活実技、顧客サービス等)及びキャリアカウンセリングを担当。現在、京都造形芸術大学で芸術学を学びながら、アートを取り入れた「じぶん分解ワークショップ」を開発。訓練校やセミナー等で広く活用している。

一方、長唄囃子福原流笛方として演奏活動の他、洋楽(フルート)との比較やビジネスの視点から見た指導は非常にユニーク。

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