不眠症に対する認知行動療法CBT-I保険適応について知ろう

はじめに

2026年6月にとうとうCBI-I 不眠症に対する認知行動療法が保険適応されました!!と言ってもまだ課題はあるのですが。
今回は、多くの方に知っていただくためにその内容を紹介&ミズホ先生的思うことを綴ってみます。

対面療法と治療用アプリと期待と課題

2026年6月1日やっと不眠症治療に関する認知行動療法と対応するデジタルアプリが保険でうけられるようになりました!
世界では、お薬より先に先ずは「行動変容」が治療の第一選択。
いわゆる睡眠薬をこんなにたくさんの種類をラインナップして、先ずはお薬で治療していたのは日本ぐらいなもの。

よく考えれば当たり前なのですが。不眠の原因となった行動を変えない限り本来の意味での回復にはならない。お薬は自然な眠りではありません。勿論必要な病気の方もいますが、やはり多くの場合、睡眠薬は緊急避難ととらえてほしいところです。

不眠症の治療最終目標は、(薬で)眠らせることではないのです。(薬が無くても)眠れるようになることです。

さて、今回の保険適応の内容を確認してみたいと思います。

<認知行動療法CBT-Iとは>
眠りを妨げている行動と考え方を組みかえること。

<CBT-I保険適応の内容>

項目 内容
適用開始 2026年(令和8年)6月1日
対象となる方 うつ病または不安障害が合併した不眠症の方/2種類以上の睡眠薬を使っても効果が不十分と医師が判断した不眠症の方
回数の上限 連の治療につき8回まで(他の疾患は16回まで)
1回の時間 対面で30分を超えて行われた場合に算定
費用(保険点数) 医師が行う場合480点/医師と看護師が共同で行う場合350点/公認心理師が心理支援を行う場合330点

この対面で行われる認知行動療法で注意しなければならない点は、不眠症であれば誰でも保険でうけることができるわけではないということ。
対象となる人が決まっています。軽い不眠症の方や1種類しか薬を飲んでいない人は対象となっていません。

すべての人に30分以上の時間をかけて、保険で国民の医療費を使って行動療法を届けることは、まだまだ難しいのが現実です。今後の課題と言えるかもしれません。

<不眠障害治療支援アプリについて>
CBT-Iと同時に、6月1日から治療用アプリも保険適応になりました。
対面の認知行動療法と何が違うのか?

先ず、アプリを用いて患者さん自身が自宅で計測します。
適正使用指針にもとづいて使われます。7日間の睡眠衛生指導と睡眠表の記録から始め、その後8週間の認知行動療法に取り組む設計です。

保険点数は、プログラム医療機器等指導管理料90点、導入期加算50点。
その他、機器代2万4100円があります。

そして対象者が全く違います。
保険診療であるので、不眠症の診断がついていることが必要なのは一緒です。
病気でない人は使えません。
◇入院中ではない、軽度~中等度の不眠症の方
◇対象外:重症の方/睡眠薬を2種類以上服用中/精神疾患のある方/交代勤務・夜勤に従事している方など

<受診の際の注意点>
いずれも、受けられる医療機関が決まっています。
対面の認知行動療法を行うには必要な施設基準の届け出をした医療機関でなければなりません。アプリ治療も医師が所定の研修を修了していることが条件です。
保険治療を希望する際は、インターネットでお近くの医療機関が実施しているかどうか確認してから受診してください。

<期待と課題>
あくまでも個人的見解ですが。
期待ポイントは、不眠症治療の最終目標である薬を使わず自然に眠ることができるための、大きな一歩になったということ。
医師と患者さんたちの睡眠に対する認識が変わるきっかけになるのではないかということ。薬を使う前に救える不眠症患者さんが増えるのではないかということ。
課題は、まだまだ対象が限られており、広く使われるようになるまでには時間がかかるということ。

アプリを使ったとしても、睡眠日誌=記録を続けることのハードルは高いこと。
そして行動変容を実践するのは患者さん自身であり、どのように強い動機や目的意識をもって取り組んでもらうか?という難しい課題が残ること。

スタートしたばかり。不眠大国ニッポンから脱出できることを期待したいと思います。

まとめ

今回は、不眠症治療の新しい治療の大きな一歩についてご紹介しました。
ひとりでも多くの方が安眠できる手助けになりますよう。

それでは、今夜も良い眠りを・・・☆

 

プロフィール

Sleep Performance Company (スリープ パフォーマンス カンパニー)
代表:小林 瑞穂 (こばやし みずほ)
薬剤師/睡眠改善インストラクター(H29年現在)薬科大学卒業後、営業職に従事。その後メンタル専門の薬剤師となり、延べ5万人以上の「眠りの悩み」に関わる。2011年独立。睡眠活用の専門家として、社会人が今よりもっと輝くための『ハイパフォーマンス睡眠法』や『生産性向上のためのセルフリーダーシップ睡眠研修』など、セミナーや講演、企業研修を実施。体感型ワークを多く取り入れた講座は、「すぐに実践できる」「スッキリ起きられるようになった」「仕事の効率化が計れた」「働き方改革に繋がった」など、好評を博している。
スリープ・パフォーマンス カンパニー https://sleep-perform.com/
快眠サロン水月~mizuki~   https://mizuki-kaimin.com/
新聞コラム連載・各種メディアでのコラム執筆や、TV出演等も行っている。
*著書:『できる大人の9割がやっている 得する睡眠法』(宝島社)

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