妊婦の睡眠時間と胎児への影響。

はじめに

自分の娘やお嫁さんが妊娠中だって方も少なくないかもしれないのがカクジョ世代。
生活も含め、今と昔では色々なことが大分違っているかもしれませんし、つわりの時期や、妊娠後期には睡眠の質が低下しがちではありますが。
妊婦の睡眠時間と乳幼児に影響を及ぼす可能性があるというデータがいくつかあります。
妊娠中のタバコやお酒があまりよろしくないという知識だけでなく、睡眠も大切にしてほしい項目の一つです。

妊娠中の睡眠時間が子供の発育に与える影響

まだまだ妊婦と胎児の睡眠による影響は研究段階で、妊婦にとって適切な睡眠時間もはっきりとは分かっていませんし、どれも可能性が示唆されるという論文になりますが、いくつか紹介しておきます。

<新生児の出生体重>

・約8万2千人のデータを解析。
・6時間未満、6時間以上8時間未満、8時間以上9時間未満、9時間以上10時間未満、10時間以上12時間以下に分けた。
・一般成人に推奨される6時間以上8時間未満の妊婦を基準に比較したところ、
適切な多重増加をした妊婦では、9時間以上10時間未満が、低出生体重児や、子宮内胎児発育不全児が0.9倍増=起こりにくいという結果。
通常時よりもしっかり眠る方が、胎児の発達には良いと言えるかもしれません。

<3歳時の自閉症診断との関連>

・子供の健康と環境に関する全国調査(約10万件調査の内、双子や異常を除て正出産された方出産後3年のアンケート約7万件)※活動量も調べています。
・睡眠時間6時間未満、6時間以上7時間未満、7時間以上8時間未満、8時間以上9時間未満、9時間以上10時間未満、10時間以上に分けた。
・7時間以上8時間未満の妊婦と比較して、6時間未満・9時間以上10時間未満・10時間以上の妊婦で、3歳時点の自閉症と診断されるリスクが1.5~1.9倍に増加。
・妊娠前の活動量や睡眠時間は因果関係を認められなかった。
妊婦の睡眠と胎児の自閉症の因果関係はまだわかりませんが、結局、妊婦の健康も考えると、適切に活動して、適切な睡眠をとることは子供にも良い影響となるのではないでしょうか?

まとめ

睡眠時間が足りなかったり逆に長すぎたり、質が著しく低下したりすることは、妊婦さん自身にとっても、産まれてくる子供にとっても、決して良い影響は与えません。
カグジョ世代の皆さんは、妊婦さんの睡眠環境を整えるお手伝いが出来たら良いですね。

それでは、今夜も良い眠りを・・・☆

プロフィール

Sleep Performance Company (スリープ パフォーマンス カンパニー)
代表:小林 瑞穂 (こばやし みずほ)
薬剤師/睡眠改善インストラクター(H29年現在)薬科大学卒業後、営業職に従事。その後メンタル専門の薬剤師となり、延べ5万人以上の「眠りの悩み」に関わる。2011年独立。睡眠活用の専門家として、社会人が今よりもっと輝くための『ハイパフォーマンス睡眠法』や『生産性向上のためのセルフリーダーシップ睡眠研修』など、セミナーや講演、企業研修を実施。体感型ワークを多く取り入れた講座は、「すぐに実践できる」「スッキリ起きられるようになった」「仕事の効率化が計れた」「働き方改革に繋がった」など、好評を博している。
スリープ・パフォーマンス カンパニー https://sleep-perform.com/
快眠サロン水月~mizuki~   https://mizuki-kaimin.com/
新聞コラム連載・各種メディアでのコラム執筆や、TV出演等も行っている。
*著書:『できる大人の9割がやっている 得する睡眠法』(宝島社)

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