酷暑時代の快眠対策 エアコンの新常識

はじめに

日本気象協会は、2022年~夜間の最低気温摂氏30℃以上の夜を、超熱帯夜と呼んでいます。そう、熱帯夜なんてあまい物じゃない。超熱帯夜。場合によっては熱中症~死の危険まで視野に入れなければ入れない時代になりました。
エアコンの使い方は、昔の常識がもはや通用しなくなっています。

超熱帯夜の寝室のエアコン

熱中症警戒アラート発令!や夜間熱中症で高齢者が救急搬送!なんてことも聞いたことあるのではないでしょうか。
昔の日本では、夜間の気温が30℃を超える日や暑さ指数(WBGT)が厳重警戒レベルになることは少なかったと思います。

快眠を得るための快適温湿度環境は今も昔も変わりません。
しかし、その理想温度に持っていく(保つ)のが昔のエアコンの使い方では難しくなっているのです。

「快眠」か「不快眠」かでいうと、28℃以上になると途端に不快眠に傾きます。因みに低温方向は寝具さえしっかりしていればかなり低温環境でも快眠を得られます。

しかし今は、昔の様に、汗をかきながら多少の寝苦しさを感じながらでも眠れる時代ではなくなりました。寝ている間の熱中症のリスクも考えねばならないほどの「超熱帯夜」なのです。

暑さ指数(WBGT)は、熱中症予防を目的にアメリカで作られた指標です。
暑さ指数は、①湿度➁日射や輻射など周辺の熱環境③気温を加味して出される指数。
例えば、同じ32.5℃の日でも、
A:湿度41%・日射量24.82MJ⇒MBGT26.9⇒警戒
B:湿度56%・日射量24.07MJ⇒MBGT29.9⇒厳重警戒
湿度が違うとリスクがグッと上昇します。

MBGTが28を超える=厳重警戒レベルになると、急激に熱中症のリスクが上がります。
ただし、通常の暑さ指数は屋外の風通しのよい芝生上での値。室内には補正を掛ける必要があります。建物の建材や構造の違いによってもこもる熱が違ったりもします。
熱中症予防情報サイトで発表される情報を参考に、自分で快適環境を作る必要があります。

当たり前ですが、外気温が夜間でも30℃を超えたままの超熱帯夜であれば、窓を開けたところで、室温もそれ以下に下がることはないでしょう。
厳重警戒レベルです。

この超熱帯夜では、昔の快眠常識の様にエアコンはタイマーを掛けて夜中に切れるようにして寝るでは✕!
温湿度が危険レベルにまで上昇する可能性があるのです。

『エアコンはつけっぱなし』が超熱帯夜の新常識です。

但し、冷やしすぎ状態での寝具不足がやりがちなNGポイント。
冷やすなら、寝巻き&肌掛け以上の寝具の利用が快眠環境作りに必要な所です。

と、一口に言っても各家で寝室の造りもエアコンの性能もそれぞれでしょう。
自分にとって快適環境設定は、実際に体感してみるしかないのですが。
大きく分けると2パターンが考えられます。
① 室温を少し低めに設定して、しっかり寝具で寝る。
② 少し高め室温26~28℃に設定して夏仕様の寝具で寝る

いずれにせよ、「超熱帯夜」はエアコンに朝まで頼るが、リスク回避につながります。

まとめ

カグジョ世代のあの頃の寝苦しい夏の夜は、今思うと風情がある夏の夜だったのかもしれません。酷暑時代の夏の夜は、危険と隣り合わせということも頭に入れておかねばならないキビシイ夜になってしまった現実がるのです。未来の地球環境を守ることと、今の自分を守ることと、両方真剣に考えなければならない時代に突入したのですね。

それでは、今夜も良い眠りを・・・☆

プロフィール

Sleep Performance Company (スリープ パフォーマンス カンパニー)
代表:小林 瑞穂 (こばやし みずほ)
薬剤師/睡眠改善インストラクター(H29年現在)薬科大学卒業後、営業職に従事。その後メンタル専門の薬剤師となり、延べ5万人以上の「眠りの悩み」に関わる。2011年独立。睡眠活用の専門家として、社会人が今よりもっと輝くための『ハイパフォーマンス睡眠法』や『生産性向上のためのセルフリーダーシップ睡眠研修』など、セミナーや講演、企業研修を実施。体感型ワークを多く取り入れた講座は、「すぐに実践できる」「スッキリ起きられるようになった」「仕事の効率化が計れた」「働き方改革に繋がった」など、好評を博している。
スリープ・パフォーマンス カンパニー https://sleep-perform.com/
快眠サロン水月~mizuki~   https://mizuki-kaimin.com/
新聞コラム連載・各種メディアでのコラム執筆や、TV出演等も行っている。
*著書:『できる大人の9割がやっている 得する睡眠法』(宝島社)

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