ただ寝るだけじゃ勿体ない!睡眠の質で記憶の質が変わる!

はじめに

子どもの頃は想像もしていなかった。カグジョ世代になっても日々学ぶべきことが沢山あるという事、まだまだ能力を高めたい活躍したいと思うってこと。
自分の脳力を効率よく100%発揮するためには睡眠がとても重要です。

記憶に関して言えば、ただ寝るだけじゃ勿体ない!という事態が起きます。
目的とする能力・学習内容などによって、どの段階の睡眠がその整理整頓や定着の役割を担うか?が変わります。
一生懸命学んでも、眠り方を間違えていると中々身に付かないなどという事態が起きてしまうのです。

睡眠の質と能力

睡眠には様々な段階があります。皆さんが良く聞くのはレム睡眠ノンレム睡眠ではないでしょうか?

ノンレム睡眠もさらに浅い睡眠2段階と深い睡眠2段階の様に分かれます。
例えば同じレム睡眠でも、睡眠の前半に出てくるレム睡眠と後半に出てくるレム睡眠ではどうやら役割が異なることも分かってきています。

更に、もっと細かく脳波の周波数によっても、主に脳のどこで起こる周波かも変わりますし、起こる現象が異なることも分かっています。

寝入ってすぐの時間帯と、数時間経った後半の時間帯では、分泌されるホルモンや、体の状態も変わってきます。

記憶もその種類、内容や特徴によって脳の使われる部分が違いますし、睡眠の段階によって消去がメインの段階、定着がメイン、整理整頓、応用が起こるなど異なる反応が起きます。

例えば、富山大学の研究ではマウスレベルではありますが、ノンレム睡眠の深い睡眠の時に記憶を定着・整理整頓させ、レム睡眠中に学んだことを基に学んでいない事を推論して答えを導き出す。というような情報処理が行われる可能性を突き止めました。

例えば、ノンレム睡眠中でも浅い睡眠段階で出る周波数12~14Hzの睡眠紡錘波は、視床と大脳皮質の情報の間で生成される脳波ですが、一部の精神疾患では、この睡眠紡錘波の振幅が低下する等の異常が見られ、その障害度合いと記憶力との間に関係があることが認められています。


記憶と言えば海馬ですが、こちらはノンレム睡眠でも深い睡眠=徐派睡眠の時に出る、海馬鋭波リップルは記憶の固定に重要な脳波と考えられています。

他にも、精神疾患患者さんの不眠やリズム障害が改善すると、それと並行して言語記憶の向上が認められるとの報告もあります。

実験や研究結果だけでなく、実際私たち自身も日常で寝ないと覚えられない・十分な結果が残せない経験は多かれ少なかれしているのです。同じ条件で比較が出来なかっただけで、ちゃんと寝た後のテストと徹夜した後のテストの点数は違ったはずです。
わかり易い例では、寝る暇もないほど忙しかった昔のアイドルは、そのころの具体的な記憶はあまりないと言います。

折角学んだことを身に付け、脳内で発展させ、発揮し、更にステップアップするために。
先ずは眠る。それは大切です。
しかし、ただ疲れを取るために寝ればいいわけではない。
十分にその効果を享受するためには、睡眠の質が問われます。様々なレベルの睡眠をバランスよく出現させることが必要なのです。

◇時間(長さ)も大切です。ヒトも生き物。回復優先。短い時間では後半の浅い睡眠やレム睡眠を十分にとれません。睡眠負債が溜まりまくっている自覚がある人は、能力向上への道のりの効率が悪い=タイパが悪い=勿体ない!
自分の24時間を振り返って、削る時間を見直した方が良いのかもしれません。

◇深さも大切です。グッスリ寝るだけでは不十分。空き容量を増やし、一部の記憶を定着させることが出来ても、応用力・想像力を延ばすのには足りません。
確かに、先ずは脳の疲れを取りたいが、現代人の睡眠改善の最初の目的でしょう。でも、疲れを取って、その先本当は何をしたいの?何が出来るの?どんな可能性が待ってるの?そんなメリットまで考えて、睡眠の質とは何?を考えてみましょう。

◇ぐっすり眠れない眠りが浅い状態も質は良くない。脳が休まらない。そもそも学習する準備が整わない。学んだそばから零れ落ちていきます。
多くは、体調や精神状態にその原因があります。先ずは自分の身体と心を見つめる事。原因改善と同時に睡眠が改善すると自動的に気づいたらロスがなくなっている。自分を労り労うことが能力向上のカギかもしれません。

理想は、ベストな睡眠環境で、精神状態も良く、レムもノンレムも、浅いも深いも、それぞれの睡眠段階の時間も十分な、バランスの取れた自分にとって必要十分な『快眠』を得る事。それが最大に自分を発揮するコツです。

とはいえ、理想を毎日続けるのは難しいのも現実。出来る範囲で小さな改善から。それでも自分が思っているより睡眠の質は変わるのです。寝ているから気づかないだけで。

まとめ

自分の脳ミソのスペックを上げていく。睡眠の質が悪い今のままでは許容量は昔のフロッピーレベルかもしれません。本当は無限のクラウドほどの容量とAIなんかに負けない想像力の可能性を秘めているのかもしれません。最高の睡眠が最高のパフォーマンスを生む。

それでは、今夜も良い眠りを・・・☆

プロフィール

Sleep Performance Company (スリープ パフォーマンス カンパニー)
代表:小林 瑞穂 (こばやし みずほ)
薬剤師/睡眠改善インストラクター(H29年現在)薬科大学卒業後、営業職に従事。その後メンタル専門の薬剤師となり、延べ5万人以上の「眠りの悩み」に関わる。2011年独立。睡眠活用の専門家として、社会人が今よりもっと輝くための『ハイパフォーマンス睡眠法』や『生産性向上のためのセルフリーダーシップ睡眠研修』など、セミナーや講演、企業研修を実施。体感型ワークを多く取り入れた講座は、「すぐに実践できる」「スッキリ起きられるようになった」「仕事の効率化が計れた」「働き方改革に繋がった」など、好評を博している。
スリープ・パフォーマンス カンパニー https://sleep-perform.com/
快眠サロン水月~mizuki~   https://mizuki-kaimin.com/
新聞コラム連載・各種メディアでのコラム執筆や、TV出演等も行っている。
*著書:『できる大人の9割がやっている 得する睡眠法』(宝島社)

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