はじめに
不眠症はよく話を聞くけど。では過眠症って?意外と知らないものです。
今回はかみんしょうとは?を簡単に解説してみます。
過眠症とは
ICSD3版による過眠症分類では、過眠症は次のように分かれます。
- ナルコレプシーⅠ型、ナルコレプシーⅡ型
- 特発性過眠症
- クライネレビン症候群
- 睡眠不足症候群
- 長時間睡眠者
日本の医療現場では主に、ナルコレプシーと特発性過眠症を過眠症と言います。
過眠症の検査診断には、睡眠潜時反復検査(MSLT)と、主観的検査でエプワース眠気尺度(ESS)が多く用いられています。
客観的な検査と主観の検査では必ずしも眠気が一致しない場合もあります。
<ナルコレプシー>
不眠大国ニッポンと言われる私たちの国では、約65%の人が睡眠負債を抱えている可能性があると言われます。
一方過眠症の一つナルコレプシーは、日本での発症頻度は、0.16~0.59%と少ないのです。あまりお目にかからないので皆さん知識がありません。
その特徴は4つ
- 日中、反復する居眠りが殆ど毎日見られる(睡眠発作)
- 強い情動に伴って起こる姿勢筋緊張の突然の両側性喪失(情動脱力発作)
- 覚醒と睡眠の移行期に見られる、動く・話すなど体を動かすことが一過性にできなくなる状態(睡眠麻痺) この状態は1~数分で回復。
- 睡眠開始時に起こる鮮明な知覚体験(入眠時幻覚)この幻覚は、人が側に立っている、霊がいる、触覚・視覚・聴覚・運動感覚に実際の感覚を体感するなど。
一般の人も、3)4)は金縛りなどの様に体験することがあるが、1)2)はやはり一般にはない特徴と言える。
<特発性過眠症>
ナルコレプシーよりももっと発生頻度は少ない。
- ナルコレプシーに比べて、日中の眠気は弱い。睡眠発作も少ない
- 一旦眠ると長時間(多くは1時間以上)目覚めることが出来ない
- 目覚めた後も爽快感がなく、目覚めること自体が困難
- 長時間にわたる夜間睡眠、頻回な日中の眠気、過度の眠気、過度に深い睡眠などの訴えが特徴的
- 十分に長い時間眠らせても、日中の過度の眠気が焼失しないことも特徴
- 一部には目覚めた後の見当識障害を経験する
一言でいえば、目覚めるのが困難だし、目覚めていても眠気が過多が特徴と言えるかもしれない。
まとめ
あまりよく知らなかった過眠症。ひょっとしたらあなたのの周りに、本当はそういう疾患なのにもかかわらず、おサボリや夜更かしのし過ぎでしょ!と誤解され苦しんでいる人がいるかもしれません。
こんな疾患もあるんだと知っておくだけでも、誰かの役に立てるかもしれません。
それでは、今夜も良い眠りを・・・☆
プロフィール
Sleep Performance Company (スリープ パフォーマンス カンパニー) 代表:小林 瑞穂 (こばやし みずほ) 薬剤師/睡眠改善インストラクター(H29年現在)薬科大学卒業後、営業職に従事。その後メンタル専門の薬剤師となり、延べ5万人以上の「眠りの悩み」に関わる。2011年独立。睡眠活用の専門家として、社会人が今よりもっと輝くための『ハイパフォーマンス睡眠法』や『生産性向上のためのセルフリーダーシップ睡眠研修』など、セミナーや講演、企業研修を実施。体感型ワークを多く取り入れた講座は、「すぐに実践できる」「スッキリ起きられるようになった」「仕事の効率化が計れた」「働き方改革に繋がった」など、好評を博している。 スリープ・パフォーマンス カンパニー https://sleep-perform.com/ 快眠サロン水月~mizuki~ https://mizuki-kaimin.com/ 新聞コラム連載・各種メディアでのコラム執筆や、TV出演等も行っている。 *著書:『できる大人の9割がやっている 得する睡眠法』(宝島社) |
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