輸入の小麦が危険？世界が禁止するグリホサートを日本だけが受け入れている実態とは

鈴木マナミ
オーガニック企業IN YOU勤務。
最初のキャリアは、出版社。営業と編集を合わせて12年経験し、大手広告代理店に転職。
多くの方が、健康に楽しく暮らせる社会を実現したいと思いオーガニック事業に足を踏み入れる。現在、経営大学院にて、経営を学ぶ。

1 私たちの生活に身近な小麦粉の自給率は14％！
2 グリホサートとは？　発がん性が指摘されている農薬！
3 輸入小麦粉・小麦製品のほとんどから「グリホサート」が検出！
4 世界では禁止の方向のグリホサート。なのに、日本では緩和！？
5 今の日本なら、海外産有機小麦もしくは国産小麦を選ぶべし
6 おすすめ小麦粉と、こだわりパン

私たちの生活に身近な小麦粉の自給率は14％！

今日の朝は何を食べましたか？
昨日の夜は？

パン？
それともパスタ？
グラタンやピザ…。

おやつには、クッキー、ケーキ。

私たちの生活には小麦粉はとても身近ですよね。
けれど、小麦の自給率はわずか14％。
アメリカやカナダなどから小麦を輸入しています。

今日は、小麦製品に使われている「グリホサート」という農薬の成分についてのお話をしたいと思います。

グリホサートとは？　発がん性が指摘されている農薬！

あなたは、「グリホサート」という農薬の成分をご存じですか？

グリホサートとは、アメリカで開発された農薬（除草剤）「ラウンドアップ」に含まれている成分のこと。

除草剤に耐性のある遺伝子組み換え作物に対して多く使われていました。
グリホサートに耐性のある作物に散布すると、作物を枯らすことなく、ほとんどの雑草を除草することができます。

しかし、小麦は遺伝子組み換え作物ではありませんよね。
遺伝子組み換え作物ではない小麦に、なぜグリホサートが使われているのでしょうか。

じつは、「プレハーベスト」と呼ばれる小麦収穫方法が影響しているのです。

「プレハーベスト」とは、収穫前の小麦に「ラウンドアップ」を散布することで、小麦を人工的に枯らして、収穫の手間を大きく減らす方法のこと。
また、ラウンドアップを散布すると、小麦の成熟度が均一化されることも農家にとっては大きなメリット。

しかし、いち消費者として収穫直前に除草剤を散布して大丈夫なのか、不安になりますよね。
でも問題なのはそれだけではなく2015年に世界保健機関（WHO）の専門組織である国際がん研究機関（IARC）が、グリホサートを「おそらく（probably）発がん性あり」の「グループ2A」に評価したことなのです。
また、アメリカでは、いくつかの訴訟でグリホサートの人体への被害が認められているのも無視できません。

輸入小麦粉・小麦製品のほとんどから「グリホサート」が検出！

残留農薬の分析や商品の遺伝子組み換え検査などを行っている、「一般社団法人・農民連食品分析センター」は、日本国内で市販されている24の小麦粉・小麦製品を調査しました。
そのうち、17の製品からグリホサートが検出されたことを発表しました。

また、2017年に農林水産省の輸入小麦のグリホサート残留分析を行い、アメリカ産小麦の97％、カナダ産小麦の100％からグリホサートが検出されました。

参考：
一般社団法人農民連食品分析センター/小麦製品のグリホサート残留調査
（https://earlybirds.ddo.jp/bunseki/report/agr/glyphosate/wheat_flour_1st/index.html）

日本は、ほとんどの小麦を海外に頼っており、そしてそのほとんどから発がん性が指摘されている農薬が検出されているなんて…。
そら恐ろしくなりますね。

けれど、驚くべきはさらにここからなのです。

世界では禁止の方向のグリホサート。なのに、日本では緩和！？

世界中に広がったグリホサートですが、2015年の国際がん研究機関（IARC）の指摘を受け、世界ではその使用を禁止する方向に動いています。

例えば、アルゼンチンでは2015年に
30,000人以上のヘルスケア専門家がグリホサートの禁止を提唱。
ドイツでは2023年までにグリホサートを禁止する予定です。
フランスでも2021年までに、一部例外を除いてグリホサートを禁止する方針を立てています。
アジアでもベトナムやスリランカなどがグリホサートの輸入を禁止しています。

では、日本はどうかというと、
なんと基準値を30倍（5ppm→30ppm）に引き上げたんです！！

つまり、海外では「自国では売れない農薬まみれの小麦を日本でなら売れるから輸出しよう」という流れになっている、ということです。