「生理の貧困」から見る日本の現状と、布ナプキンのススメ

鈴木マナミ
オーガニック企業IN YOU勤務。
最初のキャリアは、出版社。営業と編集を合わせて12年経験し、大手広告代理店に転職。
多くの方が、健康に楽しく暮らせる社会を実現したいと思いオーガニック事業に足を踏み入れる。現在、経営大学院にて、経営を学ぶ。

「生理の貧困」って何?

こんにちは、鈴木マナミです。
今日は「生理の貧困」についてお話したいと思います。

女性は毎月考えなくてはいけない生理。
面倒だなぁ、と思いますが、一方で健康のバロメーターでもあるので軽視できないもの。

このコロナ禍で、急浮上したのが「生理の貧困」というキーワード。

念のためご説明すると、生理用品を経済的理由などで購入することができない女性がいる、という問題を「生理の貧困」と呼んでいます。
もともと、この問題は、2017年に国際NGOのプラン・インターナショナルがイギリスで初めてアンケートを実施した結果、回答者の10%が「生理用品を買えなかったことがある」と回答したことから問題が認識されました。

日本でも話題になったのも、2020年にプラン・インターナショナルが新型コロナウイルスが女性に与えた影響に関する調査の中で、3割が「生理用品の購入が難しい」と回答したため。

長引くコロナウイルスの影響は、景気にも大きく影響を及ぼし、2020年から2021年にかけては、対前年同月増減の就業者数が大きく減少しているのが分かります。

引用:https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c01.html

さらに、女性・年齢別で見てみると下記の通りです。

引用:https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c01.html

どの年代も就業者数は減っており、なかなか元の水準にまで戻っていません。

『2021年版 男女共同参画白書』によると、日本で初めて緊急事態宣言が発令された2020年4月の就業者数の場合、男性が前月比39万人減少したのに対し、女性はその2倍に達する70万人も減少しました。

引用:https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c01.html

失業した職種は、宿泊業、飲食業、生活・娯楽業などのサービス業に従事する非正規職とのデータもあります。

「コロナ禍」という特殊な現実は、すでに私たちの生活の奥深くまで影響を及ぼし、とうとう「生理の貧困」というところにまで来てしまいました。

カグジョの皆さんは、生理のときに必要な生理用品が「ナプキン」だけではないことはもちろんご存じだとは思います。(生理用ショーツや、鎮痛剤など)
ナプキン単体では300円程度の出費ですが、
ナプキンは、交換が必要ですし、昼と夜とではナプキンの種類も異なります。

一つひとつは小さな出費かもしれませんが、雇用不安があるこの情勢の中、生理用品の購入をためらってしまうことが、この現状の深刻さを表しているように思います。

なぜ、洋服は買えるのに、生理用品は買えないの?

「生理の貧困」を調べている中で、よく言われている質問が、
「なぜ洋服やコスメは買えるのに、生理用品は買えないの?」
でした。

「生理」は、どうしても隠すイメージがありますよね。
つまり「見えないもの」。

少ないお金をかけるのなら、見えないものにかけるよりも、見えるものにかけたい、という想いをいだくのは必然ではないでしょうか。

実際、生理用品を購入するのにためらった、という方へのアンケートのほとんどが、「収入が少ない」「お金がない」でした。

●生理用品を購入するのをためらった理由は?
収入が少ないから … 224人
お小遣いなど自分が使えるお金が少ないから … 173人
親の収入が少ないから … 45人
他のことにお金を使わなくてはいけないから … 167人
生理用品が高額だから … 179人

保護者が買ってくれないから … 34人
保護者に買ってほしいと頼むのが恥ずかしいから … 51人

自分で買うのが恥ずかしいから … 126人
品切れや数量制限などで購入でき中田から … 61人

2021年4月「日本のユース女性の生理をめぐる意識調査結果」より。15歳以上24歳までの女性2000人が対象。複数回答のため、総数は回答者数とは一致していない

つまり「生理の貧困」とは、見えないところにまで気を配ることができない環境になってしまっている、と言い換えることができるのではないでしょうか。

日本のスタンダードはかつて、「サザエさん」の磯野一家であり、「クレヨンしんちゃん」の野原家であった

国民的アニメである「サザエさん」や「クレヨンしんちゃん」。
何気なく見ていますが、最近ネットなどで「実は、磯野家勝ち組!」「ヒロシは超エリート!」などの声が上がっています。

確かに、磯野家は世田谷に広大な平屋の一軒家を持ち、二世帯住宅で、妻は専業主婦。毎日、子供と夕食を食べられる時間帯に帰宅し、安定しているように見えます。

野原一家も、ミサエから安月給、と言われながらも、専業主婦と二人の子供、埼玉県春日部市に一軒家を購入しており、車も所持しています。

どちらも、その時代の「一般的な」家庭を描いた作品でした。
その家庭が、今や憧れとして見られてしまうということは、日本全体が相対的に貧困に近づいてしまっているのではないか、と考えざるを得ません…。

今の日本のスタンダードは、どのように表現されるのでしょうか…。
考えると、少々怖くなってしまうのは、私だけではないはずです。

人口が減り続けている日本。
人口は、国力と比例します。
この先を考えると、やはり情報やネットワークが重要になってくることでしょう。

流されるのではなく、自分で情報をつかんでいけるようにしていきたいですね。

生理用品は、「使い捨て」だけじゃない!布ナプキンのススメ

「生理用品」というと、真っ先に使い捨ての紙ナプキンを思い出しますよね?
けれど、紙ナプキンが誕生したのは昭和38年(1961年)のこと。

実は、それまではずっと布を使っていました。

平安時代以降は絹(貴族の場合)、麻、柔らかい和紙などを使い、
江戸時代になると木綿が主流になり、「お馬」と呼ばれる褌に似た生理用品が登場し、
股の部分にボロ布や柔らかい和紙、植物の穂などを入れて使用していました。

また、これらをあてがうだけではなく、丸めたものを膣に詰める方法もあったようですが、
これは現在のタンポンのように「経血を吸収する」というものではなく、
出血しないようにする「栓」のような役割を果たしていたとのこと。

洗濯が大変だから、性能が不安、という理由で布ナプキンを使わない方も多いかもしれませんが、費用のことを考えても、布ナプキンの方が圧倒的に経済的であることでしょう。
また、今は月経カップという選択肢もあります。

また、経済的なメリットだけではなく身体にも良い影響がある、という声がたくさんあるのです。

紙ナプキンの原材料のほとんどは石油系素材で作られています。
ポリエステル、ポリプロピレン、レーヨンなどが肌に直接触れるようになっています。
さらに、製品を清潔に保つために、塩素系漂白剤までも使われているのです。

ナプキンの内部には、皮膚障害を引き起こす有害物質とも言われている高分子ポリマーという吸収剤も。

これらの化学物質が、身体にどのような影響を与えるのかまでは分からないのです。

性器はとても敏感で、他のところと比べて42倍もの吸収率があると言われています。
そのため、経皮毒の影響を心配する声も出ています。

布ナプキンに変えたことで冷え性が治った、という方が多くいらっしゃるようです。

一度購入すれば、毎月使用できるので、ゴミが出ずにエコ!
是非、布ナプキン生活をあなたも体験してみてはいかがでしょうか。

でも、布ナプキンを選ぶなら、経皮毒の心配のないオーガニックコットンのナプキンを選ぶことをお勧めします♪

IN YOU MARKETでは、オーガニックコットンのナプキンを販売しておりますので、是非ご覧くださいね!

IN YOU MARKET
https://inyoumarket.com

 

 

プロフィール

鈴木マナミ
オーガニックショップIN YOU Market運営担当。
「大切な人に薦められる商品だけしか置かない」をモットーに、オーガニックの商品にふれ続ける毎日。
けれど、実は入社前はオーガニックとは無縁の生活。だからこそ分かったオーガニック生活の楽しさをお届けします。
INYOUMarket以前は、出版社勤務を経て広告代理店を経験。

 

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