こんにちは、ファイナンシャルプランナーの阪田順子です。

カグジョ世代になると、そろそろ退職金をもらうという人も多いですが、退職金はどのように使いますか？ローンの返済や住宅のリフォームに充てる人もいるようですが、運用に回す人も多いですよね。運用して少しでも老後資金を増やしたいというところですが、失敗をして増やせないどころか損をしてしまうこともあります。退職金運用に多く見られる失敗例をご紹介するので、退職金の運用を考えている人の参考になれば幸いです。

金融機関の「退職金プラン」の利用

まず、退職金の運用失敗に繋がるのが、銀行などにある「退職金プラン」という商品の利用です。
商品の内容は、通常の1年満期の定期預金金利が0.02％程度であるにもかかわらず、退職金プラン限定で定期預金金利が7％以上にもなるというものです！7％もの金利は魅力的ですよね！ただし、その高金利が適応されるのは3カ月だけなど、短期間の場合がほとんどです。そして、「定期預金預入額と同額の投資信託の購入が必須」などの条件があり、選べる投資信託は購入時手数料が3.3％など高いものが多いです。
高い金利は魅力ですが、期間が短すぎるので貰える利息は限定的ですし、投資信託の購入に高い手数料がかかるので、利息を貰えても手数料で無くなってしまう可能性も高いです。そして、投資信託は運用中の信託報酬という手数料が高いものも多いので運用効率も下がります。
金融機関で販売している商品は、基本的に金融機関側にメリットがあるように作られています。利用するにしても、内容をしっかりと確認し、納得した上で申し込みましょう。

人任せにする

退職金ともなればある程度まとまった資金になり、人によってはかなりの大金になるでしょう。大金の運用なんてどうしたらいいかわからないからといって、人任せにするのは危険です。
例えば、金融機関では「ファンドラップ」というサービスがあります。「投資一任契約」を締結して、投資対象の選定や運用までまとめて任せられるものです。単純に手数料が高くて運用の効率が下がるのでおすすめしません。
また、旦那さんが投資に詳しい場合などは一任したいという人もいるかもしれませんが、任せたとしても、どんな投資でどんな風に運用されるのかはもちろん、運用がはじまったらどれくらいの損益なのかは定期的に確認しましょう。気が付いたら、運用に失敗していてお金が無くなっていた、ということもなくはないですから。

一括投資をする

相場の動きは日によって変わるため、時間分散といって何回かに分けて投資をしていくのが基本ですが、大きなお金をただ銀行に預けておくのは勿体ないからと、一括で投資をしようとする人がいます。市場の価格は常に変動しており、特定の時点での投資価格が最適であるとは限りません。一括投資をすると、その時点での市場価格が高すぎて、後で価格が下がるリスクがあります。
また、増えやすいということから流行りの投資先や商品に一括投資もしてしまいがちですが、流行がいつまでも続くとは限りません。
投資の基本は分散投資です。複数の資産クラスや市場に時間分散をして投資を分散することでリスクを抑えることができます。老後資金をしっかりと確保するためにも、退職金はリスクの少ないものでの運用がおすすめです。

まとめ

退職金を老後資金のあてにしている人も多いでしょうし、実際に長い老後を支えるための大切な資金となります。増やすために投資をしたのに減ってしまったとなっては、満足のいく老後を過ごせなくなってしまいます。退職を迎える年齢となっては、働いて取り返す時間も体力もないので、「こんなはずじゃなかった」とならないように、運用は慎重に行ってくださいね。

＜プロフィール＞

阪田順子/ファイナンシャルプランナー 1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®超初心者向けマンツーマン投資サポーターとして、投資が「怖い」「難しい」「わからない」という方をマンツーマンでサポート。 知識がない、専門用語がわからない方でも投資をスタートできる、「資産運用講座」や「株式投資講座」が人気。投資で失敗し数千万円を失った身内を見て、投資は絶対にやらないと決めていたが、ファイナンシャルプランナー資格取得と同時に勉強のために投資を始める。 「失敗したらお金を失う」という不安を抱えながらのチャレンジだったが、適切な投資をすれば安定的にお金が増える、稼ぐことができることを実感する。 その後は本格的に投資について学び、年収を2倍以上にすることに成功。 お金があれば人生が豊かになるだけでなく、何かあったときも安心なため、投資を多くの人に始めてもらいたいと考え、以前の自分のように投資にネガティブなイメージや苦手意識を持つ人が投資を始められるようにマンツーマンでサポートをする講座を開始。 投資で豊かな人生が送れる人を増やすために、ブログやSNSで情報発信も行う。HP：http://fponestyle.com/ ブログ：https://ameblo.jp/meromeromeronnu/