第八回「『人生100年時代』の老後資金作りに必須!iDeCoの改正と活用法」

阪田順子/ファイナンシャルプランナー
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®超初心者向けマンツーマン投資サポーターとして、投資が「怖い」「難しい」「わからない」という方をマンツーマンでサポート。
知識がない、専門用語がわからない方でも投資をスタートできる、「資産運用講座」や「株式投資講座」が人気。

こんにちは、ファイナンシャルプランナーの阪田順子です。
前回のメルマガの高村さんのお話にもありましたが、4月と5月にiDeCo(個人型確定拠出年金)の改正がありました。カグジョ世代はもう老後が視野に入っている方も多いと思いますが、あなたは老後資金の準備はできていますか?
現在は『人生100年時代』ともいわれる時代。老後資金をしっかりと準備しておかないと、「お金が足りない!どうしよう!」ということになりかねません。
働けるうちはお金が足りなくなっても、もっと頑張って働こうということができなくはないですが、高齢になると現実的に難しくなってきます。
お金がなくて窮屈な生活を送ったり、子供に迷惑をかけたりすることは避けたいと思うので、今からしっかりと準備していくことが重要です。
そこで、老後資金については少し前のコラムでも書かせていただきましたが、今回は老後資金作りにお勧めなiDeCoについて詳しく書いていきたいと思います。

そもそもiDeCoとは?

iDeCoの正式名称は「個人型確定拠出年金」といいます。「年金」とつくことからわかるように、年金制度の一つです。
自分で老後資金を作るための制度なので、国民年金と違い加入は任意ですが、基本的に20歳以上65歳未満の全ての人が加入できます。
毎月一定金額を掛け(掛金を拠出するといいます)、あらかじめ用意された預金・保険・投資信託といった金融商品で自ら運用し、資産を形成することができます。
掛金は65歳になるまで拠出することが可能で、60歳以降に年金として受け取ることができます。60歳までは受け取ることができないので、老後資金をしっかりと作りたいという方におすすめの制度です。

iDeCoの仕組みについて

①加入資格について

iDeCoには、基本的に国民年金の被保険者であれば加入できます。
ただし、以下の方は加入できませんのでご注意ください。
・企業型確定拠出年金の加入者で、規約においてiDeCoへの加入が認められていない場合
・国民年金の保険料納付免除(一部免除含む)、納付猶予を受けている方(障害基礎年金の受給者を除く)
・農業者年金に加入している方
自分がどんな企業年金に加入しているかわからない場合や、規約でiDeCoへの加入が認められているかいないかがわからない場合は、勤めている会社に確認してみるとよいでしょう。
また、iDeCo公式サイトの「カンタン加入診断」で、加入できるかどうかを調べることも可能です。
iDeCo公式サイト→https://www.ideco-koushiki.jp/

②掛け金について

掛金は月額5,000円からはじめることができ、1,000円単位で上乗せできます。
掛け金の上限は、職業や勤めている会社の年金制度によって異なります。

職業 上限金額
公務員 月額1万2000円
会社員(企業年金あり) 月額1万2000円・2万円
※企業年金の種類によって異なる
会社員(企業年金なし) 月額2万3000円
専業主婦(夫) 月額2万3000円
自営業 月額6万8000円
※国民年金基金や付加保険料と合わせて6万8000円が限度

掛け金は毎月拠出することもできますが、隔月や四半期ごとの拠出など、割りと柔軟に設定することができます(12月だけは必ず拠出しなければなりません)。
掛金の上限額も、iDeCo公式サイトの「カンタン加入診断」で調べることが可能です。
iDeCo公式サイト→https://www.ideco-koushiki.jp/

③運用について

iDeCoでは、運営管理機関が選定した運用商品の中から、自分で自由に組み合わせて運用していきます。
運用商品は、定期預金などで運用する元本確保型(預けたお金が保証される)のものや、投資信託などで運用する元本確保型以外(元本が保証されない)があります。
運用結果によって将来の受け取り額が決まるので、できるだけお金が増えるように運用したいと考えるかもしれませんが、自分のリスク許容度を加味して運用商品を選ぶとよいでしょう。
また、運用を始めたらそのままにせず、定期的に運用状況の確認を行い、必要に応じて運用商品の変更を行うことを心がけた方がよいでしょう。

④受け取りについて

iDeCoで運用したお金は、老齢給付金として60歳から受け取ることができます。受給を開始する時期は、75歳になるまでの間で選ぶことができます。
受け取り方は、分割で受け取る年金と、まとめて受け取る一時金から選択することができます(金融機関によっては、年金と一時金を併用することもできます)。

iDeCoのメリットとデメリット

iDeCoのメリットは大きく3つあります。
一つ目のメリットは、掛金が全額所得控除になるというもの。
私たちが納める所得税や住民税は収入からさまざまな「控除」と呼ばれる金額を差し引いた「課税所得」をもとに納税額が計算されます。iDeCoで積み立てたお金は、全額がこの控除の対象となるため、iDeCoで積み立てをするほど課税所得を減らすことができます。
その恩恵はどのように受けることができるかというと、会社員の方なら年末調整でお金が戻ってくるお金が増える、自営業の方なら確定申告で払う税金が少なくなるということです。
仮に毎月の掛金が2万3,000円の場合、所得税(10%)、住民税(10%)とすると、年間約5万5000円、税金が軽減されます。
iDeCoを10年間続けたら約55万円、20年間続けたら約110万円、税金が軽減されるということになります。お得ですね!

二つ目のメリットは、運用益も非課税で再投資できるということ。
通常、金融商品を運用すると、通常であれば利息や利益に対して20.315%の税金がかかります。ですが、iDeCoなら税金が非課税。つまり、20.315%の税金がかからないということです。

三つ目のメリットは、受取り時も税額控除があるということ。
iDeCoの受け取り方は、年金と一時金から選択することができます。いずれも課税されますが、年金として受け取る場合は「公的年金等控除」、一時金の場合は「退職所得控除」の対象となり、一定額までは税金がかからないよう控除が適用されます。

メリットを見てきましたが、もちろんデメリットもあります。
iDeCoのデメリットは、何といっても60歳になるまでお金を受け取ることができないことでしょう。60歳よりも前に何かしらでお金が必要になっても、引き出すことができません。「掛金が全額所得控除」という節税のメリットばかりに惹かれて始めてしまうと、途中でお金が必要になった時に困ることにもなりかねないので、注意が必要です。
そして、iDeCoは加入時(初回1回のみ)や運用期間中(毎月)、受け取り時(振り込みの都度)に手数料がかかります。加入・受け取り時の手数料はほとんどの金融機関で同じ金額に設定されていますが、運用期間中かかる費用(毎月)については金融機関によって金額が異なります。手数料が少ない方が将来の手取り額が増えるので、金融機関を選ぶ際は手数料を比較してみるとよいでしょう。

まとめ

iDeCoは年金制度の一つで、自ら金融商品を運用し、資産を形成するものです。老後資金をしっかりと準備するためのお得な制度として、ぜひ利用したいですね。
ただ、DeCoは掛金が全額所得控除、運用益が非課税、受取り時も税額控除など、多数のメリットがありますが、60歳までお金を引き出すことができない、加入時や運用中などに手数料がかかるなどのデメリットもあります。
iDeCoを始めることになっても、何かあったときの貯蓄や毎月の収支に余裕があるか、ということはしっかり考えておいてください。

『人生100年時代』と言われている現在。特に女性は長生きで、現在の平均寿命は約88歳です。二人に一人が90歳以上生きると言われています。
何歳まで生きるかはわかりませんが、長生きした時にお金で困らないよう、今からしっかりと準備していきましょう!
iDeCo公式サイト→https://www.ideco-koushiki.jp/

<阪田の独り言>

私もiDeCoに加入して、積極的に運用しています!
そして、老後は趣味の旅行三昧で楽しく過ごしたいと思っています♪

<プロフィール>

投資で失敗し数千万円を失った身内を見て、投資は絶対にやらないと決めていたが、ファイナンシャルプランナー資格取得と同時に勉強のために投資を始める。
「失敗したらお金を失う」という不安を抱えながらのチャレンジだったが、適切な投資をすれば安定的にお金が増える、稼ぐことができることを実感する。
その後は本格的に投資について学び、年収を2倍以上にすることに成功。
お金があれば人生が豊かになるだけでなく、何かあったときも安心なため、投資を多くの人に始めてもらいたいと考え、以前の自分のように投資にネガティブなイメージや苦手意識を持つ人が投資を始められるようにマンツーマンでサポートをする講座を開始。

投資で豊かな人生が送れる人を増やすために、ブログやSNSで情報発信も行う。
アメブロ:https://ameblo.jp/meromeromeronnu/
Instagram:https://www.instagram.com/jsfp2020/

 

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