| スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。 エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。 |
「仕事モードが抜けない」「家に帰っても落ち着かない」——そんな感覚が続くとき、私たちは“役割の移行”に少しつまずいているのかもしれません。エゴ・レジリエンスの研究では、状況に応じて自分を調整する柔軟性が、日常のストレスを和らげ、心の回復力を支えるとされています。そこで今回は、心のしなやかさを育てる大切な技法“私を切り替える”というセルフケアについてのお話です。

エゴ・レジリエンスと「役割の切り替え」
私たちは一日の中で、いくつもの役割を行き来しています。
仕事の顔、家庭の顔、友人としての顔、ひとりの時間の顔。その切り替えは、当たり前のようでいて、実はとてもエネルギーを使う行為です。
季節の変わり目や年度末の忙しさが重なると、「仕事モードが抜けない」「家に帰っても気持ちが落ち着かない」といった“役割の持ち越し”が起きやすくなります。
これは決して「自分が弱いから」ではありません。心理学的に見ても、役割の切り替えには認知的負荷と情動調整が必要で、疲れやすいのは自然なことなのです。
エゴ・レジリエンスとは、状況に応じて自分の感情・行動・注意を柔軟に調整する力のこと。
心理学者 Block & Kremen(1996)は、この柔軟性こそがストレスに適応するための中心的な能力だと述べています。この“柔軟性”は、まさに役割の切り替えそのものです。
仕事の緊張 → 家庭の安心
外向的なふるまい → 内向的な回復
緊張感のあるタスク → ゆるやかな家事
こうしたモードの移行がスムーズにできるほど、日常のストレスに押しつぶされにくくなります。
日本の研究でも、エゴ・レジリエンスは「日常的ストレッサーへの適応力」として位置づけられ、柔軟な切り替えが心の健康を支えることが示されています。

切り替えがうまくいかないとき、心の中で何が起きているのか
役割のスイッチがうまく入らないと、次のような“心理的摩擦”が生まれます。
情動の持ち越し:仕事の緊張を家に持ち帰る
注意の切り替え困難:次のタスクに集中できない
疲労の蓄積:認知的負荷が高まり、だるさが抜けない
自己効力感の低下:「どれも中途半端」という感覚が生まれる
エゴ・レジリエンスが低いと、この“持ち越し”が起きやすいことが研究で示唆されています。
逆に、エゴ・レジリエンスが高い人は、ストレス後にポジティブ情動を回復しやすく、切り替えがスムーズです(Fredricksonの拡張‐形成理論)。

切り替えを助ける「小さな儀式」
役割の切り替えは、意志の力だけで行うものではありません。
むしろ、小さな儀式(トランジション・リチュアル)を持つことで、自然とスイッチが入るようになります。
1. 帰宅後の3分ルーティン
コートをかける
手を洗う
白湯を一杯飲む など
こうした“決まった流れ”が、仕事モードから生活モードへの移行を助けます。
2. 「締めの一行日記」
仕事の終わりに、今日の一言をメモする。
「今日はここまで」と自分に区切りをつける行為が、心理的な切り替えを促します。
3. 身体感覚を使う
深呼吸、ストレッチ、短い散歩など。
身体を変えると、心のモードも変わりやすくなります。
4. 次の役割で大事にしたいことを一言だけ書く
「家では穏やかに」
「今は休む時間」 など
注意の方向性を変えるだけで、切り替えがしやすくなります。
エゴ・レジリエンスは“生まれつき”ではなく、こうした小さな工夫で育てられることが研究でも示されています。
役割の切り替えが難しいのは、心にとって負荷の高い行為だからです。だからこそ、自分をやさしく切り替えるための小さな儀式を持つことが、しなやかさを育てる第一歩になります。

以上、エゴレジ研究所から、心のしなやかさを育てる大切な技法“私を切り替える”というセルフケアについてご紹介しました。役割の切り替えがうまくいかない日は、誰にでもあります。それは、切り替えという行為そのものが、感情・注意・行動のすべてを使う“高度な心の作業”だからです。だからこそ、深呼吸をひとつ、玄関で立ち止まる数秒、「今日はここまで」と書く一行…そんな小さな儀式が、心のスイッチをやさしく押してくれます。今のあなたが向かいたい役割へ、その移行を助ける“ひとつの小さな動作”をちょっと試してみてください。
エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。
あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/

<プロフィール>
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代表 小野寺敦子/ 心理学博士
目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
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GM 畑 潮/心理学博士 GCDFキャリアカウンセラー 健康リズムカウンセラー |
















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