日常的ストレスと自己肯定感

スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。

脳科学でネガティブ・バイアスとされているは、人間の脳が無意識にネガティブ思考に陥りやすい特性のことです。ネガティブ思考はストレスを感じやすくするのです。だから、ストレスをストレスとして感じにくくする(ストレス耐性を高める)ためには自己肯定感を高めることが重要です。そこで今回は、ストレスと自己肯定感についてのお話です。

自己肯定感とストレス

カーネギーメロン大学の研究チームは、自己肯定感によってアクティブになる脳の領域を調べ、特定の神経メカニズムがストレス低減に関連していることを発見しました。つまり自己肯定感を高めるとストレスが緩和されることが示されたのです(Social Cognitive and Affective Neuroscience誌 2010.10)。

自己肯定感は、ポジティブ感情や幸福感といった報酬系に関わる脳の領域がアクティブになることがわかっています。
研究チームは、難しい数学の問題を解いてストレスがかかったときの脳の活動を、fMRIによるスキャンで調べました。
問題を解く直前に、自己肯定感を操作するためのテストを実施したグループでは、報酬系に関わる領域の一部(前頭前野腹内側部)の活動が増加し、それに呼応するように恐怖を感じることに関わる領域の一部(前部島皮質)は活動が減少していました。さらに、ストレスの低減とパフォーマンスの向上が見られたのです。

この研究の自己肯定感の操作では、オルポートとバーノンの価値観志向性測定テストを利用しています。このテストは、参加者に一連の対の個人的価値の陳述が示され、2つの選択肢から自分にとって価値が高い方とその重要性を選んでいくもので、価値観を確認する作業です。
好奇心、スピリチャリティ、家族…といった選択肢から、自分が重きを置いている価値観を2択で選抜していき、優先順位が確認されるとされています。自身の価値観の優先順位を知ることで、自分の価値観や考え方・行動や言葉などを認める(肯定できる)気持ちが高まる操作です。

この研究で自己肯定感を高めたグループは、ストレスに対する感情的反応と神経反応の両方を軽減し、ストレスによるパフォーマンスへの影響の一部を軽減できることを示しました。

自己肯定感をあげる朝の習慣

先の研究で判明したのは神経メカニズムでのエビデンスですが、心理学的にも自己肯定がストレス反応の調整に有用なことがわかっています。

価値観を再認識して報酬系をアクティブにする(=自己肯定感をあげる)効果的な方法の一つにボジティブ・アファメーションがあります。アファメーションはいつでもどこでも使える、ネガティブな思考を書き換え、ポジティブな思考のためのスペースを頭の中に作る手段です。とても簡単なことなので、特別な準備をする必要はありません。

ポジティブ・アファメーション、「主語+現在形の動詞」の形で、ありたい自分について定期的に声に出して言うだけです。その結果、望んだ通りの自分になります。ほとんどの場合それは、ポジティブで、健康的で、生産的な状態です。

自分だけのアファメーションを作ってもいいですが、自分が共感できるアファメーションを使ったり、それを自分好みに改良しても良いでしょう。
ここでは、朝に効果的な10のアファメーションをご紹介します。

  1. 私は今日も健康で元気だ。
  2. 私は愛し、愛されている。
  3. 私は今日を素晴らしい日にする勇気がある。
  4. 私の体は毎日癒やされ良くなっている。
  5. すべてのことが私にとって最高にうまくいく。
  6. 私は人や状況の良い面を見る。
  7. 私は今日誰かのためにポジティブな変化を起こす。
  8. 私に必要なものはすべて最適なタイミングでやってくる。
  9. 私のやっていることにはすべて意味と目的がある。
  10. 私は人生に感謝し満足している。

目を覚ました直後は、その日一日をどんな気分で過ごすかを決めるとても重要なものです。その日をどんな気分でスタートさせるかは、自分で決めることができます。

このアファメーションの使い方をご紹介します。
自分の決めたアファメーションを3つ選び、ノートに書き留めるか、携帯に入力するなどして、いつでも見られるようにしておきましょう。書き留めたノートもしくは携帯を、枕元に置いて寝ます。翌朝起きたら、ベッドの中に入った状態でそのアファメーションを手に取り、3回ずつ読み上げます。これを1週間続けます。
もっと増やしたいと思ったら、5〜7つのアファメーションを選び、同じように毎朝3回ずつ読み上げます。翌週は新しい3つのアファメーションだけを読み上げてもいいのです。

これをやっていると、頭の中でポジティブなひとり言を言うのに慣れてきます。その結果、ネガティブな考えやひとり言が頭の中から出ていき、考え方が変わっていきます。次第に、肯定的な考え方をする習慣が身につき、ポジティブな独り言を言うようになります。アファメーションを覚えると、心からそう思えるようになるといいます。折に触れて価値観を再確認して報酬系をアクティブにして、日々のストレス対処にお役立てください。

ポジティブな自己対話

もうひとつ、自己肯定感を高める効果的な手段は、ポジティブな自己対話です。日々の生活の中で、私たちは無意識のうちに自分自身に話しかけています。この内面の声がポジティブであれば、それは自尊心を高め、モチベーションの源になります。反対に、ネガティブな自己対話は、自信を削ぎ、不安やストレスを増大させる可能性があります。自己肯定感が高い人は、失敗を経験してもそれを成長の機会ととらえ、自身を励まし続ける力を持っています。自分の価値を認識し、困難に直面したときでも自分を信じる力を持っています。ポジティブな自己対話を習慣化することは、自己肯定感を根付かせるための重要なステップです。

以上、エゴレジ研究所からストレスと自己肯定感についてご紹介しました。自己肯定感とは、自分という存在に対してありのままに満足し、そして自分を価値ある存在として感じられる感覚のことです。簡単に言い換えるならば、どんなことがあっても、それでも自分に対して「YES! OK!」と言える状態です。自己肯定感が高い人は、課題に直面しても自分の価値を疑うことなく前進できる傾向にあります。自己肯定感が持てると、ものごとを肯定的、受容的に受け止める視点を持てるのでストレスを感じにくくなるのです。自分自身を受け入れ、自分の能力を信じることで、日常的な様々な面でストレスを感じにくくなり、前向きな結果を生み出すことができるのです。

 

エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。

 

 

あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/

<プロフィール>

代表 小野寺敦子/ 心理学博士

目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
・・・・同校 心理学研究科大学院修士課程教授
・・・・同校 心理学研究科博士後期課程教授
臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問
NPO法人フレンズスクエア 代表理事

GM 畑 潮/心理学博士
GCDFキャリアカウンセラー
健康リズムカウンセラー

 

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