木の芽時はゆるゆる過ごそう!

スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。

数日の周期で寒暖の変化を繰り返した日々を経て、この月中旬から下旬にかけては、平年より暖かくなる日が増えてくる見込みで、桜の開花も平年よりも早まる所もあるようです。ちょうど木々の新芽が出てくるころは「木の芽時(このめどき)」と呼び、メンタル不調につながりやすい時季です。そこで今回は木の芽時のセルフケアについてのお話です。

木の芽どきの不調

「木の芽時の不調」の原因は、一言で言うと「変化」です。
三寒四温といわれるように、この時季は寒暖差が激しく、気候がコロコロと変わります。日替わりどころか、一日のうちの気温差が10℃近くあることも珍しくありません。そうした急激な気温の変化に対応するため、恒温動物である人間の自律神経はフル回転します。体温や血圧を一定に保とうとして、交感神経と副交感神経を頻繁に切り替える必要に迫られ、自律神経の負担が大きくなり、メンタル不調を招いてしまいます。
さらにアレルギー体質の人は花粉症の症状が悪化しやすくなるのもこの時季の特徴です。

加えて社会的な変化も目白押しです。職場では、組織改編や異動で同僚や上司が入れ替わるなど人間関係の変化が多くの人に発生します。自分自身に昇進、異動、単身赴任など大きな環境の変化が起こることもあります。自分自身に動きがなくても、上司がかわる、部下がかわる、同僚がかわるだけでも職場の雰囲気は一変しますし、新たな緊張感が生まれます。
さらに年度末に伴う仕事の量や歓送迎会などのイベントが増える人も多く、生活が不規則になりがちで、疲労が蓄積されていくことになります。
また、子供の卒業、入学、就職や、同居する家族の異動・転勤などで、家庭内の雰囲気や生活リズムが変化することも多いでしょう。

変化が目白押しのこの時期には、自覚のないままに「気疲れ」が蓄積し、体力を消耗させている人が少なくありません。木の芽時に不調が顕在化しなくても、5月の連休前後に「五月病」として、疲れが表に出てくるケースも多々あります。変化だらけのこの時季は、それだけ大きなストレスを受ける季節なのです。
「春の変化」が、いくつも起こる可能性のある人ほど、今から意識的なセルフケアが必要です。

変化に対応したセルフケア

横浜鶴見リハビリテーション病院(横浜市鶴見区)の吉田勝明院長がウェザーニュースで次のようにアドバイスされています。
「木の芽どきの不調対策は、心のバランスを取り戻すことから始めなければなりません。具体的には、次のようなことに気をつけてください」(以下、吉田院長)

「緩み時間」を作ろう

一方、約20社の企業の嘱託産業医として、ビジネスマンのメンタル相談にのっておられる奥田弘美先生(精神科医)は、「緩み時間」を作ることを推奨されています。

変化ストレスに対抗するコツは、一言で言うと「副交感神経を優位にさせる時間を意識的に増やすこと」です。(以下、奥田先生)
私はこの副交感神経系を活性化させる時間のことを「緩み時間」と名付け、過緊張になりがちなビジネスパーソンに次のような方法を具体的に提案しています。

●睡眠時間を普段より多くし、睡眠負債はできるだけ早く返す
睡眠は心身をリラックスさせる最高の休息時間であるとともに、自律神経系の最も大切な調整時間です。睡眠時間が不足していては、どのようなリラックス法や健康法も効果は期待できません。夜に連続して最低6時間は眠るように心がけ、体が疲れたり緊張が激しかったりした日はさらにプラス1~2時間は眠るようにするとよいでしょう。

急ぎの残業でどうしても睡眠不足になった日は、睡眠負債をできるだけ一両日中に返すべくしっかり眠る日を作ってください。ノー残業デーがある場合は別の活動を入れず、ぜひ睡眠負債返済のために使ってください。

●食事時間を普段より長めに!「ながら食事」をしない

食事中は、副交感神経が強制的に活性化される時間です。仕事をしながら、あるいはパソコンやスマートフォンを見ながらの食事は避け、普段より長めにゆったりと時間をかけて食事をとることで、副交感神経が優位になる時間を作り出せます。
どうしても早食いの癖がついている方は、マインドフルネス瞑想(めいそう)の一つ、「イーティング瞑想」もお勧めです。次に簡単にやり方を説明します。
(1)食べようとするものを「初めて見る赤ちゃん」になったつもりで観察。その色、形をじっくり眺める。
(2)次に香りをじっくり嗅ぐ。
(3)口にゆっくりと運び、唇に触れた感覚を感じる。
(4)口腔内に入れてもすぐにかまず、舌や粘膜の感覚を大事にし、香りの広がりも感じる。そしてその後、できるだけゆっくりとかみながら、歯触りや味の変化を感じていく。
「イーティング瞑想」を行うと、自然に食事時間を長くすることができますし、他のマインドフルネス瞑想同様に、心を「今ここ」に戻して集中力を高めたり、情緒を安定させる効果も期待できます。

●休日は予定を入れず、時間に追われない
春に変化が多い人ほど、休日はできるだけ自分の心の向くままにゆったり過ごしましょう。「○時に待ち合わせ」「○時までに移動」などと時間に追われてしまうと、交感神経系が優位になり緊張が増してしまいます。
家族で外出する場合は、できるだけゆったりとしたファジーな予定で出かけましょう。交感神経が興奮しやすくなる人混みや都市部は避け、自然の中でのんびりとまどろむタイプのお出かけがお勧めです。趣味の活動やジョギングなどの運動を行うときも、予定を事前にガッツリ決めず「ふらりと楽しむ」感じがリラックス効果をアップします。
また長時間の乗り物移動はゆっくり座っていたとしても自律神経系が疲れますので、基本的に「近場」で過ごされることをお勧めします。

●新たな日常活動やルールを増やさない
春は新年度だから、昇進したから、といった理由で、新しい習い事や勉強、運動を始めたり、ダイエットや禁煙にトライしたり、手作り弁当を毎日持参することにしたり……といった新たな活動やルールを加える人も少なくありません。しかしこうした日常生活やリズムのプラスアルファの変化は新たな緊張や疲労を呼び、さらなる自律神経の負担につながることがほとんどです。
まずは「春の変化」が一段落してから、こうした新たな活動を起こすように心がけましょう。逆に心身の緊張や疲れを和らげるために、習い事やセミナーの回数を一時的に減らす、勉強や家事を少々手抜きするといった「緩める変化」はOKです。

以上、エゴレジ研究所から木の芽時のセルフケアについてご紹介しました。日本特有の春の変化ストレスに負けないために、意識的にリラックスできる時間を作りましょう。ぜひ入念なセルフケアを心がけてください。

エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。

 

 

あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/

<プロフィール>

代表 小野寺敦子/ 心理学博士

目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
・・・・同校 心理学研究科大学院修士課程教授
・・・・同校 心理学研究科博士後期課程教授
臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問
NPO法人フレンズスクエア 代表理事

GM 畑 潮/心理学博士
GCDFキャリアカウンセラー
健康リズムカウンセラー

 

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