スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。 エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。 |
日ごとに日が暮れるのが早くなってきました。この時季には「やたらに眠い」「何をするにもおっくう」「集中できない」といったお悩みを感じる方が増加します。季節の変わり目は、私たちの体調にも変化を与えます。そこで今回は、この時季ならではの健康情報をご紹介します。
秋の体調不良
初秋の体調不良は、暑さによる気力・体力の消耗や、エアコンや冷たい飲食物による体の冷え・胃腸の弱り、室内外の急な温度変化(寒暖差)による自律神経の失調など、夏の疲れを秋に持ち越しているために起こる、いわゆる「秋バテ」によるもの。
もう一つは、「日照時間の短さ」にあるといわれています。この不調は10月から11月にかけて現れはじめ、日が長くなる3月あたりで回復してきます。冬季うつ・季節性うつなどと呼びますが、春に向かえば自然に回復していきますから、普通のうつ病とは違い一過性のものです。
<秋の代表的な不調> ✓食欲が高まり、甘いものや炭水化物が食べたくなる |
日が短くなることで、なぜそれほどの不調が現れるのでしょうか。その理由は、日光に当たることで生成される「セロトニン」と「ビタミンD」の不足です。
「セロトニン」は神経伝達物質のひとつで、不足すると先に述べたようなうつ症状を引き起こすと考えられています。セロトニン神経は網膜が光を感じることで活性化します。
「ビタミンD」はカルシウムとともに骨や歯を作り、筋力の発達と維持を助けます。大半のビタミンは体内で作ることができないので、私たちは食事で摂取しています。しかし「ビタミンD」の場合は、その多くが食べ物ではなく体内生成によるという特徴があります。
秋の陽ざしのメルット
この時季は、太陽光の刺激を受けるよう意識的に行動することが不調の改善につながります。窓を開けて空を見上げるなど、目から取り込まれる光量不足を補えば、「セロトニン」と「ビタミンD」の生成を助けることができます。
さらに、陽の光のおかげで体内時計が調整され、自然界の朝・昼・晩のリズムと体のリズムが噛み合いやすくなるのです。なかなか眠くなれず、就寝・起床時間にばらつきがある方にもおすすめです。
秋の陽ざしは春の陽ざしより弱く感じますが、実際に紫外線の数値が1.5倍程度低いのです。 また、夏の強い紫外線を防ぐためにメラニン色素がすでに肌に多く蓄積された状態なので、秋の陽ざしは紫外線による肌のダメージが比較的少ないと言われています。
紫外線は基本的に脳血管の血流を改善し、代謝を促進してくれます。また、紫外線はビタミンDを生成して骨や歯を丈夫にしてくれますが、太陽の光で生成されたビタミンDは過剰症を起こさないと言われています。太陽の光を浴びると脳ホルモンの分泌も活発になり、心理的な安定感とうつ病予防にも役立つのです。
日光は睡眠ホルモンである「メラトニン」を「セロトニン」に変える触媒です。日光を浴びると心身を安定させるセロトニンが多く作られるようになり、光を十分に浴びて寝室を暗くすると睡眠に関連する神経伝達物質である「メラトニン」が分泌され、熟睡に導きます。
またカルシウムやビタミンDが不足したり、身体活動が不足したときに起こる骨粗鬆症は、ビタミンDの補給が重要。食べ物からも補給できますが、天気が良ければ日光浴をすることがより効果的でしょう。
秋の陽ざしを効率よく浴びる
日焼けを肌の老化と皮膚癌の原因と考え、無条件に日光を避ける人も多いのですが、方法さえ守れば私たちの体にこれ以上ない良いエネルギーになります。
セロトニン神経は網膜が光を感じることで活性化します。強烈な光ほど網膜への刺激も強くなるため、セロトニンが分泌されやすくなります。強烈な光の代表格が太陽光です。
ちなみにセロトニン神経の活性化には、2500~3000ルクスほどの強さの光が必要とされています。太陽の光は、曇りの日でも1万ルクス程度あります。セロトニンの分泌量を増やすには、屋外に出て日光を直接浴びることが大切です。
もちろん窓越しの日光浴であっても、セロトニンは分泌されます。しかし、窓ガラスを通すことで光量が多少なりとも減少します。窓越しよりも直接日光を浴びる方が、より効率の良いセロトニン分泌を期待できます。
紫外線が強い時間帯は避け、陽ざしが弱い早朝や午後の時間帯に出かけると負担なく楽しむことができます。
一日の平均ビタミンDの推奨量は400~600IU程度ですが、元気な大人が日当たりの良い日の正午に5分程度日光を浴びる場合、約400IUのビタミンDを生成することができると言われています。それゆえビタミンDは「サンシャイン・ビタミン」とも呼ばれています。これを考えると、秋に十分な量のビタミンDを生成するためには最低10分以上の露出が必要で、曇りの日なら30分程度がいいでしょう。
※日焼け止めを塗ると、ビタミンDの生成はされにくくなります。ビタミンD合成に必要な紫外線のみを通す日焼け止め(solarD)もあるので、検討してみると良いでしょう。
おすすめなのが「手のひら」だけで日光浴をすることです。手のひらは体の他の部分に比べ、日焼けの原因となるメラニン色素が少ないのです。例えば夏休み、真っ黒に日焼けしている子どもたちの、手のひらだけはさほど日に焼けていない……という姿がよく見られると思います。そして手のひらなら、手の甲と違ってシミやしわが目立つようなこともありません。つまり、手のひらはビタミンDのための日光浴にはもってこいの場所なのです。
ジッとしていなくても大丈夫なので、手のひら日光浴をしながらウォーキングをする、ラジオや音楽、動画を鑑賞するなど、手を使わない動きと組み合わせてもいいでしょう。休憩や気分転換も兼ねて、ゆっくりと手のひら日光浴の時間を取ってみてはいかがでしょうか。
以上、エゴレジ研究所からこの時季ならではの健康情報をご紹介しました。体が弱っていると、インフルエンザや風邪にかかりやすくなります。休養をしっかりとること、健康的な食生活を送ること、この2つはあらゆる病気の予防につながると常に心に留めておきたいところです。上手に秋の陽ざしを取り入れて健康予防習慣を身につけましょう。
エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。
あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/
<プロフィール>
代表 小野寺敦子/ 心理学博士
目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授 |
|
GM 畑 潮/心理学博士 GCDFキャリアカウンセラー 健康リズムカウンセラー |
この記事へのコメントはありません。