手のマッサージ効果でリラックス

代表 小野寺敦子/ 心理学博士

目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
同校 心理学研究科大学院修士課程
スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。

GM 畑 潮/心理学博士

ストレスを感じた時、身体に不調を感じた時など、皆さんはどんなケアをされているでしょうか? 実は一番ケアしてあげるべき場所は「手」かもしれません。手は握る、触る、つまむ、道具や荷物を持つなど、身体の中でも日常的に使う機会が多く、様々な刺激に敏感な部位です。そのため、身体のどの部位よりもストレスや疲労を感じやすいようです。そこで今回は、日常生活で簡単に取り入れられる手のマッサージの効果についてご紹介します。

「手を揉む」は東西の医学でも有効と立証

古来より、手にはたくさんのツボがあり、また、全身の臓器に対応する「反射区」があるとされています。それらを活用した「手を揉む」健康法は、現代でも盛んに行われています。
手を揉むことを、東洋医学的な見地から見ると、手には指先から経絡(エネルギーの通り道)が通っており、経絡上には無数のツボがあります。手をもむと、それらのツボが刺激されて、気の流れがよくなるとされています。

また、西洋医学的にも、手を揉むことの有効性を説明できます。手をもむと、副交感神経(心身をリラックスさせる神経)が活発になり、自律神経(内臓や血管の働きを調整する神経)が整います。さらに、手をもむと末端から全身にかけて血流がよくなり、体が温まります。そのことで免疫力が上がるのです。

「手を揉む」=「手のマッサージ」はとてもシンプルな手技で、リラックスなどの効果が期待できる統合医療としても現在注目されています。手のマッサージは、手のツボを刺激する事で、身体が持つ本来の能力を取り戻す効果のあるマッサージです。

『健康な成人女性におけるハンドマッサージの自律神経活動および気分への影響』という論文(2006)によると、以下のような効果が得られることが分かりました。

身体への効果

手のマッサージによって交感神経が抑制され、その代わりに高まるのが副交感神経。すると、心拍の活動がゆるやかになり、リラックスした気分を感じやすい体質を作る効果が示唆されました。

心への効果

手のマッサージをすると、【怒り・敵意】【疲労】【緊張・不安】【抑うつ・落ち込み】などのいわゆるネガティブ感情が低下することが明らかになりました。

また、『ハンドマッサージの心理的効果とストレスホルモンへの影響』という論文(2010)では、手のマッサージ後には、「快活・爽快」、「充実」、「優越」の肯定的感情状態が高まり、否定的感情が低下する傾向がみられました。また、18名中10名においてマッサージ後に(ストレス指標である)コルチゾール分泌量が減少しました。この結果は、手のマッサージをすることで気分がよくなり、ストレスが緩和される可能性を示唆しています。

手を揉んでリラックス!手のマッサージの効果

手や腕の疲労は、身体だけではなく心理面にも影響します。手をマッサージすると嬉しい効果がたくさんあります。

◆手の先から血行が良くなる
手には全身の臓器に繋がるツボがあるので、それらを刺激しながらマッサージを行うと、全身の血行が良くなり、冷え性の改善に繋がります。ツボの場所は分からなくても構いません。手をまんべんなくマッサージしているだけで自然とツボを刺激することができます。

◆筋肉を柔らかくする効果
身体が冷えていると筋肉もこわばってしまい、身体の循環が悪くなるので、それが疲労の原因にもなります。手のマッサージで血行を促進すれば、体内循環も良くなってきて筋肉が柔らかくなる効果が期待できるのです。

◆肩こりや頭痛の改善
手の平や手の甲には反射区と呼ばれる場所があり、そこを刺激することで肩こりや頭痛などに作用して、症状を和らげる効果が期待できます。
1回の手のマッサージで即肩こりが解消されるわけではありませんが、手が軽くなったという実感は得られると思います。疲れを感じた時に手のマッサージをする、ということを繰り返すと、血行も良くなり筋肉も柔らかくなるので、それが肩こりや頭痛を解消してくれるのです。

◆老廃物を流してむくみを予防
手の毛細血管や毛細リンパ管を刺激し、血液とリンパ液の循環がよくなると、老廃物も排出されやすくなり、むくみの予防に役立ちます。冷え性、むくみの改善や新陳代謝・免疫機能の向上につながります。

◆手を刺激して脳を活性化
手で受けた刺激は脳に伝わりやすいので、手を刺激することで、脳も活性化するのです。脳の前頭葉にある運動野が手の動きを司っていますが、指を動かしただけでも運動野の血流がアップします。全身の血行が良くなるだけでなく、脳への血流も増えるのです。結果として、脳を活性化する効果も期待されています。

◆自律神経への効果
手のマッサージのリラックス効果で副交感神経を刺激し、自律神経を整えます。快感や幸福感を感じるホルモン(オキシトシン)の分泌も促してくれます。

意識的に手をマッサージしてあげることで、身体全体のリズムも整えることができます。ちょっとした時間にハンドクリームを塗るついでにちょっとマッサージするだけでもリラックス効果はあるでしょう。

手のマッサージのやり方

いろいろな方法がありますが、ここでは資生堂ビューティースペシャリスト生駒広子さんのリフレッシュ法をご紹介します。

0.ハンドクリームやオイルを手に塗る
先ずはハンドクリームやオイルを普段よりも多めに手にとって、体温で温めるように手の平から伸ばします。ポイントは擦り込むように手の平から指先、手の甲、そして手首までしっかり伸ばすことです。ハンドクリーム等で滑りを良くすることで、マッサージの効果を最大限に発揮できます。

1.手の甲を大きくさする
2.指の付け根へ向かってらせんを描くようにもみ、挟みながら指先に戻す
マッサージは基本的に指の付け根から行います。先ずは指の付け根から指先に向かって指を1本ずつマッサージをしていきます。マッサージの強さはお好みで大丈夫です。指先までマッサージしたら親指で爪の根元の白い部分を押しましょう。ここを押すと爪の生え際の血行と新陳代謝を上げる効果があります。

3. 指の間をゆっくり押す
4. 手の甲の骨の間を親指ですりあげる
親指で指の根元から手首に向かって押し込むようにマッサージしていきましょう。イメージとしては親指で円を描くように揉み解す感じです。それが終わったら指の付け根部分の指と指の間を5秒位ずつ押しましょう。これにより血行を促進できます。

5.手の平の中央をゆっくり押す
手の平のマッサージは親指の第1関節を曲げて、押し込むように行います。手の平を中指を中心に左右分かれるイメージで、左右、それぞれ小さな円を描くようにマッサージしましょう。
6.手首をほぐす
最後にて手全体をそらせてストレッチしましょう。

以上、エゴレジ研究所から、日常生活で簡単に取り入れられる手のマッサージの効果についてご紹介しました。日々のケアとして続けやすいのがポイントです。最初は効果を実感しづらいかもしれませんが、続けていくことで徐々に感覚が掴めるようになっていくでしょう。ちょっと疲れたな、ゆっくりしたいなと思ったら、好きな香りとともに優しく手を労ってあげることをおすすめします。

エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。

あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/

<プロフィール>

代表 小野寺敦子/ 心理学博士
目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
・・・・同校 心理学研究科大学院修士課程教授
・・・・同校 心理学研究科博士後期課程教授
臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問
NPO法人フレンズスクエア 代表理事

GM 畑 潮/心理学博士
GCDFキャリアカウンセラー
健康リズムカウンセラー

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