「ペップトーク」で元気づけ!

代表 小野寺敦子/ 心理学博士

目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
同校 心理学研究科大学院修士課程
スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。

GM 畑 潮/心理学博士

不安な気持ちの時、ちょっと凹んだとき、自分の口から出てくる言葉を換えてみませんか。自分で自分をペップする(元気づける)のです。今話題の「鬼滅の刃」でも、主人公の竈門炭治郎が「俺は今までよくやってきた! できる奴だ」と自分自身を励ます、鼓舞する言葉をかける場面がよく出てきます。それがセルフ・ペップトークです。

セルフ・ペップトークとは

ペップトークとは、試験や試合などの本番前にかける勇気づけの短い言葉です。日本ペップトーク普及協会の岩崎由純代表理事が中心となって広めています。「PEP」は英語で、元気・活気・活力という意味があります。日本を代表するアスレチックトレーナーでもある岩﨑氏がアメリカのスポーツ現場で学んだ「勇気を与える感動のスピーチ」を、自分、家族、仲間に伝えるコミュニケーションスキルとして確立されたものです。

ペップトークは元気を与える短い言葉です。「うまくいく」「良くなっていく」「できる、できる、必ずできる」そんな短い言葉でよいのです。では、誰に元気を与えるのか。そう、まずは自分自身です。自分にかける勇気づけの言葉をセルフ・ペップトークといいます。

みらいクリニック院長 今井一彰先生はセルフ・ペップトーク効用を「なんといっても、言葉を変えるのは“無料”ですから、素晴らしい上流医療です。コロナ禍で多くの人がつらい状況、困難な場面に遭遇しています。頑張っている自分を認めて、目の前の状況に立ち向かっている自分の一番の応援者に自分自身がなれると、希望の光が差してきます。私もそうやって、くじけそうなときは自分を応援しています」と話しておられます。ちなみに、先生のペップトーク例を参考までにご紹介します。

★できる、できる、かならずできる(337拍子調で)
★大丈夫 このままやれば うまくいく(575調で)

セルフ・ペップトークは自分自身の潜在意識に成功のイメージを刷り込むことが目的で、いわば「肯定的自己宣言」です。

3D言葉は使わない! 言葉によって変わる体の反応

今井先生も指摘されているように、わざとストレスを与えられたときに、それに対処する言葉を変えるとストレス度合いを示す血中アドレナリン濃度が変化しないという報告があります。同じストレスでも言葉によって体の反応が変わるのです。

呼吸もそうですが、私たちは自分が鼻と口のどちらで呼吸をしているのか、などと意識しながら生活していません。私たちは、女性なら2万語、男性なら7000語を一日で発しているそうです。そして、そのほとんどを無意識に使っています。

「無くて七癖」と言いますが、これには口癖やため息も含まれます。「どうせ」「だって」「でも」の頭文字を取って「3D言葉」と言いますが、そういう後ろ向きの言葉ばかり口にしていると、周囲の人だけでなく、自分自身の体にも影響が及ぶかもしれません。

人間の脳は、実際に聞く言葉通りをイメージします。例えば「ボールを外さないで」と言えば、「外さない」という否定形で言っても、「外す」ということをイメージしてしまうのです。で大切なことは、ポジティブな言葉を選ぶことです。「打てる!」と言えば、人間の脳は「打つ」場面を連想します。ネガティブイメージをポジティブイメージで上書きできるのです。自分の脳を言葉の力で騙すことで、エネルギーを湧き起こすのです。あなたのもっている自然なチカラを、最大限に引き出すテクニックだと考えてください。

ストレス対策としてのセルフ・ペップトーク

日々が辛いときは、明日や将来のことは考えないことです。メンタルヘルスの原則にNOW,HERE=(今、ここ)というのがあります。将来のことは誰にも分かりません。『ちゃんと頑張ったぞ』とか『これでいいのだ』『大丈夫』と自分自身に語りかける、言い聞かせることには効果があります。自分の耳に聞こえるようにつぶやくのは子供だましではなく、行動療法という立派なストレス対策の一つです。

ネガティブを感じてしまった瞬間に、自分自身への「言葉がけ」「元気づけ」をすることが自然にできるようになれば、1日のうちに「いい気分」でいられる時間が格段に長くなります。あなたは、そうしてネガティブを感じてしまった「自分」を励ましてあげればいいのであって、ネガティブを感じてしまうこと自体を、やめなければならないと考える必要はありません。凹んだり不安になったりした状況をあるがままに認めてから、それを手放していくとすることが大切。セルフ・ペップトークはそのきっかけを作ってくれます。

エゴ・レジリエンス(略称:エゴレジ)は、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。セルフ・ペップトークはエゴレジ力をアップするためにも効果的な方法です。あなたのエゴレジ力を信じて、セルフ・ペップトークを試みてください。

エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。

あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/

<プロフィール>

代表 小野寺敦子/ 心理学博士
目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
・・・・同校 心理学研究科大学院修士課程教授
・・・・同校 心理学研究科博士後期課程教授
臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問
NPO法人フレンズスクエア 代表理事

GM 畑 潮/心理学博士
GCDFキャリアカウンセラー
健康リズムカウンセラー

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