< 美・教養8 フランス料理 美しいいただき方・マナーの基本 >
こんにちは。salon de Saga manners主宰の嵯峨裕美子です。
これまでヨーロッパの社交界などで実体験した経験をもとに、たくさんのご受講生にエチケット&プロトコールマナーからメイク、ヘアスタイル、ファッション、パーソナルカラー&スタイル診断などトータルにアドバイスさせていただきました。
2024年からは「令和女子は知っている美・教養」で品格を磨く大人のマナーから、人生を豊かに愉しむための秘訣についてお伝えいたします。
3月からレストランでの「ふるまい」について美・教養の秘訣をご紹介しております。
高級レストランやディナーパーティ等でフランス料理をいただく際に、知識はあるのだけれど教養として身についていないとその場で気づく方が多いようです。知っていて身についている方は普段から実践されており、少し緊張をする場においても自然な動作になっています
お誕生日を迎えた方とお祝いでフランス料理をいただいた際に、和に精通している方なのですが、フランス料理と日本料理をいただく際の違いが曖昧になっておりました。モナコの社交界もご一緒されプロトコールも学ばれた方ですので、フランス料理では食器を持ち上げないのが基本、日本料理は食器を持ち上げていただく、ほんの少しの違いですがいただく料理によって「知識」から「教養」のスイッチを入れマナーを使こなしていただきたく思いました。
さて、令和女子の皆様も「品格ある大人」として、知らないうちに自己流のマナーにならないようにおさらいしてみましょう。
本日は「フランス料理 美しいいただき方・マナーの基本」についてご紹介いたします。
パーティや結婚式の披露宴、食事会などの席でいただく機会が多いのがフランス料理です。フランス料理のコースの流れに沿って、それぞれの美しいいただき方・マナーの基礎についてご紹介します。
美・教養8は「フランス料理 美しいいただき方・マナーの基本」についてです。
知っておくべきフランス料理のマナーの基本は、社交的な場やフォーマルな食事で重要な要素です。また、美しいいただき方でフルコースを楽しむために、おさらいしましょう。
目次
<食前酒>グラスの持ち方/乾杯の仕方
シャンパングラスやワイングラスを持つときは、グラスのステム(脚部分)を親指、人差し指、中指で持ち、薬指、小指は添えます。
フォーマルな場所での乾杯は、グラス同士を当てずに、目の高さまで上げてアイコンタクトで乾杯をします。
※詳しくは《第29回 西洋料理》<美・教養6 フランス料理 食前酒・ワインマナー>をご覧ください。
<パン>
パンは直接かじりつかずに、一口サイズにちぎって食べましょう。バターやオリーブオイルをつける場合も、一度ちぎってからにしてください。
パンを食べるタイミングは、オードブルと一緒くらいになります。また、パンはメインのお皿と一緒に下げられてしまうので、それまでにいただきましょう。
パンくずは、テーブルにこぼれてもそのままにしておき、テーブルの下に落とすのは避けましょう。
〜美しいいただき方ポイント〜
正式には、ソースは基本的にそのお皿の食材につけて食べ、パンにソースを付けるのはいけません。同じくスープもパンにつけずにいただくのが正しいマナーです。
<アミューズ・オードブル>(小前菜・前菜)
アミューズとは小前菜とも呼ばれ、シャンパンなど食前酒と楽しむアペリティフです。
一口で食べられるものがほとんどなので、そのままいただきます。アミューズ用のカトラリーが無い場合は、手づかみでいただきます。
オードブルとは前菜のことで、冷菜オードブルのあと温菜オードブルが出るともあります。レストランのメニュー構成によって様々です。オードブルはひと口ずつ切り分けて食べると、美しく上品にいただけます。
〜美しいいただき方ポイント〜
サラダ類で長さのある野菜は、フォークで押さえながらナイフを使ってたたんで、一口の大きさにしてから食べましょう。
<スープ>イギリス式マナー/フランス式マナー
スープの食べ方は、イギリス式マナーでは、皿の手前から奥にスプーンを動かしスープをすくいます。フランス式マナーでは、奥から手前にスプーンを動かしスープをすくいます。
左手は皿の左側に添えます。
また、スープが取っ手のついているカップで提供された場合は、手で持って飲んでも良いですし、スプーンがついていればスプーンで飲んでも構いません。
〜美しいいただき方ポイント〜
姿勢を正したまま、スプーンを口元まで持っていき、口に入れるときは、音をたてないように流し込むようにいただきましょう。
<ポワソン>(魚料理)
メインディッシュのポワソン(魚料理)は、ソースがたっぷり使用したものがあり、その場合はソーススプーンが添えられる場合もあります。
魚料理は左側から身が崩れてしまわないように、ひと口サイズにナイフで切り、フォークでいただきます。魚の「筋」に沿って切っていくと切りやすいです。
〜美しいいただき方ポイント〜
お料理はすべて切り分けるのではなく、ひと口食べるごとに切るのがポイントです。
<ヴィアンド>(肉料理)
メインディッシュのヴィアンド(肉料理)に使われる肉はさまざまな種類があります。子牛、子羊、鴨などがよく使われます。ジビエでは、野うさぎ、きじ、うずらなど狩猟の対象となる野鳥類が使われることもあります。
肉の焼き加減は好みに合わせてオーダーが可能です。
選んだ肉の種類で好みの焼き加減を選んだり、レストランのおすすめをオーダー時に聞いてみましょう。
・レア:肉の表面だけを焼き、中心部は生の状態
・ミディアムレア:肉の表面だけを焼き、レアとミディアムの中間
・ミディアム:肉の中心部までほどよく火を通し、中心部に少し赤みを残す
・ウェルダン:肉の中心部まで十分に火を通し、中心部に赤みが残らない
肉料理も左側からひと口サイズに切り、フォークでいただきます。フォークでしっかりと押さえ、ナイフは向こう側に押しながら力を入れます。
ナイフをまっすぐ下に押しつけただけでは切れないので注意しましょう。
〜美しいいただき方ポイント〜
魚料理と同様に、最初にすべて切り分けるのはマナー違反になります。特に肉料理は、すべて切り分けると肉汁が流れてしまい、冷めやすくなりせっかくのお料理が台無しになります。
<アントルメ>(デザート)
アントルメ(デザート)とは甘い菓子のことで、ケーキなどの焼き菓子やアイスクリームなどの冷菓とさまざまな種類があります。一皿に2〜3種類のデザートが美しく盛り合わされて出て来ます。また、デザートワゴンから数種類、好きなものを選ぶ場合もございます。
デザート用のカトラリーは、レストランではデザートの提供時に配られることが多いです。パーティーや結婚式の披露宴では、あらかじめ飾り皿の上部にセットされている場合もあります。
〜美しいいただき方ポイント〜
数種類のデザートが盛り合わされている場合は、冷たいものや味のマイルドなものからいただきます。アイスクリームやプリンなどはスプーンを使用します。
飴細工などの飾りも一緒にいただきましょう。
<コーヒー・紅茶>プティフール(小菓子)
アントルメ(デザート)の後に、コーヒーや紅茶と一緒にプティフール(小さい菓子)が提供されます。プティフールは指でつまめる小さいお菓子です。
コーヒーや紅茶をいただく時は、右手でカップの持ち手を持ちいただきます。
持ち手が左側にある場合は、テーブル上で右手でくるりと回し、右側に持ってきてからカップを持ちます。
角砂糖を入れるときは、トングで挟んだ角砂糖をスプーンにのせてから、沈めるようにゆっくりとカップの中へ入れます。
ミルクを入れたときは、スプーンで前後に2~3回だけまわします。あまり混ぜすぎないように注意しましょう。
〜美しいいただき方ポイント〜
右手でカップの持ち手を持ちますが、指を揃えて持ち手を持つと美しいです。小指が立たないようにしましょう。
<マナー美・教養のポイント>
長時間のパーティや結婚披露宴、食事会では「食事中など肘をテーブルにつけない」、「食事中に口を開けて話さない」などの基本的なマナーを守りましょう。
プロトコールの基本は「お相手を大切にする思いやりの気持ち」と、「みんなで気持ちよく同じ時間を共有する」ことです。
嵯峨裕美子プロフィール salon de Saga manners主宰 スイスが誇る伝統のフィニッシングスクール、ヴィラ・ピエールフー(Institut Villa Pierrefeu)を卒業され、プロトコールマナーを基軸としたスクールに20年間、従事し専属講師、副学院長を努める。欧州、王室主催の舞踏会に多数出席。 欧州社交界の経験から、受講生の実践の場としてモナコ王室「バラの舞踏会」やフランス「パリの舞踏会」、エルメス社主催「エルメスカップ」などの社交界に出席される方へ、テクニックや知識を伝え「教養を身につけ、人生を豊かに楽しむ。」ための講座やVIP研修を展開する。ホームページ http://salon-de-saga.com/ 「エチケット&プロトコールマナー」「大人のマナー シリーズ」「メイクレッスン」を開催中。 |
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