クリスマスのメンタルケア

スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。

もうすぐクリスマス。煌めくイルミネーションに彩られた街のあちこちから、クリスマスソングが聴こえてくる時期です。クリスマスを楽しめる人にとっては楽しい季節。しかし、そうでない人にとってはストレスになる季節とも言えるのでしょう。そこで今回は、クリスマスとメンタルケアについてのお話です。

クリスマスソングの影響

お祭り気分に心が浮かれている人もいる一方で、へそ曲がりって言われても「ホントに苦手」という人もいるようです。苦手とまで言わないまでも、延々とループする定番クリスマスソングの洪水を浴びてげんなりしている人は案外多いかも—。

クリスマスに向けて気分を盛り上げるはずのクリスマスソングを過剰に聞くと、気分をうきうきさせるどころか、メンタルヘルス(心の健康)に悪影響を及ぼす可能性があるといった専門家たちの警告(2017)が欧米で注目を集めました。

英紙インディペンデントや英紙デーリー・メール(いずれも電子版)などによると、女性臨床心理学者のリンダ・ブレア氏は英スカイニュースにこう警告しました。

「買い物客の立場である私たちは(クリスマスソングを聞くことによって)罠にはまったと感じるかもしれない――それは、私たちに、プレゼントを買い、人々を食事でもてなし、お祝いの会を催さねばならないことを思い出させることになるからです」
つまり、クリスマスソングが買い物客の立場の人々に対し、さまざまな精神的圧力を与えるというわけです。

さらに「音楽はわれわれの感情を直撃し、合理的に考えることを回避させる」と指摘したうえで、クリスマスソングが頻繁に流れる職場で働いている人々は、仕事に集中するため「自分の耳に入ってくるクリスマスソングを、聞こえないようにすることに全力を消費している」と指摘。
そのため、買い物客の立場の人々だけでなく「職場で働き、定期的にクリスマスソングを繰り返し聞いている人々は、そうした曲のせいで、とりわけ精神を消耗する可能性がある」と結論づけています。

はじめは私たちを楽しい気分にさせてくれるクリスマスソングですが、10回、20回と繰り返し聴かされるうちに、次第に苛立ちが募り、退屈や苦痛を感じるようになるのは普通のこと。同じ曲を一定回数以上繰り返し聴くと、そのうち脳は過飽和状態に陥り、不快感を覚えます。すると、クリスマスにともなう他のストレス要因(お金が掛かること、一緒に過ごす相手がいないこと…など)までもが頭をもたげてくるのです。

さらに、クリスマスが終わるとすぐにお正月を盛大にお祝いする日本では、年賀状の準備ができていないこと、大掃除が終わっていないこと、帰省先の実家で苦手な親戚と顔を合わせなければならないこと…などが頭によぎり、焦りを感じる人もいるのではないでしょうか?
クリスマス特有の幸福ムードについていけずに憂鬱になったり、他人と比べて孤独感に苛まれるケースも—。ある研究は、成人人口の約65%がクリスマス前とその後の休暇の過程の両方でストレスと不安の状態を経験していると報告しています。

クリスマスに起こりがちな問題と解決法

クリスマスがストレスになっていませんか?
◆1人で過ごさないといけない!
楽しいはずのクリスマスやお正月なのに1人で過ごさないといけない時は、孤独感を増幅させます。一緒に過ごす人を見つけなければと焦ってしまう。
【解決法】
焦って無理に誰かを見つけてもいいことなんてありません。クリスマスにプレゼントを買ったり、余分な出費を強いられたり—短期間で終わることなら自分へのご褒美に使った方が満足できます。普段食べられない美味しいものをテイクアウトする、旅行するなど、何をしたら幸せに感じるか自分に問いかけてみましょう。

◆幸せな気分になれない!
イルミネーションやデコレーション、陽気なクリスマスの曲。あちらこちらでクリスマスモードになり、自分の気分が乗らない時はストレスになり、疲れます。
【解決法】
クリスマスを楽しまないといけないルールなどありません。自由な気持ちを持ってみると気が楽になります。逆にクリスマスなんて考えずに、ただ街がイルミネーションで明るくなったと思えば、夜の道もいつもより安全に感じて、いいこともあります。

◆クリスマスを完璧にしたい!
家族や友人とパーティーをするとなると、それなりのデコレーションをして、お料理を作って、ケーキを用意するなど、しないといけない事がたくさんあり、時間もお金もかかって負担になります。このストレスが様々な諍いの元になって、クリスマスムードを壊すことにもなりかねません。
【解決法】
クリスマスを完璧にする必要はありません。イベントにこだわることもないのです。気持ちが晴れ晴れしていないと楽しいひとときを過ごせません。自身が楽しめて無理のない時間を過ごせるよう工夫をしましょう。

◆太りそう
これも女性にとってはストレスになります。クリスマスからお正月まで長期間、甘いものや料理が増える時期です。
【解決法】
ケーキを我慢するなんて辛いことです。イベントは存分に楽しみましょう。料理はいろいろなものをつまむとか、ストレッチなど軽い運動を心掛けるとか、食べ過ぎないことに留意しましょう。


以上、エゴレジ研究所からクリスマスとメンタルケアについてご紹介しました。日本ではキリスト教信者でなくともクリスマスが祝われ、行事やイベントとして定着しています。クリスマスの過ごし方も、日本独自のクリスマス文化が根付いているといえるでしょう。クリスマスシーズンのメンタルを保つためには、無理をせず、自分に合った過ごし方を見つけることが大切です。自分なりにエンジョイできるクリスマスを楽しんでください。

エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。

 

 

あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/

<プロフィール>

代表 小野寺敦子/ 心理学博士

目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
・・・・同校 心理学研究科大学院修士課程教授
・・・・同校 心理学研究科博士後期課程教授
臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問
NPO法人フレンズスクエア 代表理事

GM 畑 潮/心理学博士
GCDFキャリアカウンセラー
健康リズムカウンセラー

 

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