特殊環境での睡眠

はじめに

多くの方は中々特殊環境で眠る機会はないかとは思いますが。富士登山に出掛けるかもしれませんし、生きているうちに宇宙へ出ていくかもしれません?!そこで今回は特殊環境と睡眠について少しだけご紹介。

特殊環境での睡眠

<高地での睡眠>
エベレスト山頂は今やヘリコプターで観光しに行くセレブもいるようですが。標高は8848m。富士山頂は3776m。気圧はエベレスト山頂で約1/3に富士山頂で約2/3に低下します。つまり低酸素状態になるわけです。
皆さんも見たことがあるかもしれません。指で計るアレです。動脈血酸素飽和度(SaO2)は、平地では通常95%以上です。平地での通常時は90%を切ると危険です。
エベレスト山頂では約60%、富士山頂では約90%になります。だから富士山9合目を超えるとかなり苦しい!体験をした方もいらっしゃるでしょう。

高地では、覚醒時は換気量を増大させようとする(酸素を取り入れようとする)ため、このSaO2の変動が大きくなるわけです。
睡眠中は換気量が低下します。高地では、SaO2の低下が覚醒反応につながります。
・中途覚醒がおきやすくなる、
・徐波睡眠(深い睡眠)・レム睡眠(筋肉が弛緩している)が減少します。

また、標高2000~3000m以上での睡眠では、中枢性睡眠時無呼吸を伴う周期性呼吸が見られるようになります。
・覚醒後の疲労感
・眠気による認知機能低下
・血圧上昇
などの原因になります。

つまり、<高所>は睡眠の質は低下します。

ただし、高所順応も、低酸素に対する耐性も、個人差がかなりあります。
もともと高所に生活していて遺伝的に強い民族もいれば、運動によって強い心肺を得た人もいます。その時の体調にもよるでしょう。

<閉鎖環境での睡眠>
潜水艦や閉ざされた極地や宇宙船で眠る経験は中々できないとは思いますが。
現状、訓練した人が少人数で特殊業務についています。
この特殊環境は、高所とはまた異なる睡眠に影響する環境があります。

・特に、光環境。通常の日の出日の入りのリズムではありません。
例えば南極では半年は暗い・半年は明るい日々を過ごします。
潜水艦や宇宙船では睡眠リズム調整に必要な高照度の光を浴びることは難しいかもしれません。
・また、船内・船外での気圧の変化もあります。
・変則的で多忙な業務スケジュール
・閉鎖空間や孤独など精神的ストレス

このようなことで、中途覚醒の増加、徐波睡眠の減少がおきることが報告されています。
特に睡眠リズム障害をおこしやすいのがこの特殊環境です。

まとめ

特殊環境はこのほかにも色々あるでしょう。睡眠が乱れる、質が低下するものだともって、あらかじめ準備・工夫をして臨むのが理想です。

それでは、今夜も良い眠りを・・・☆

プロフィール

Sleep Performance Company (スリープ パフォーマンス カンパニー)
代表:小林 瑞穂 (こばやし みずほ)
薬剤師/睡眠改善インストラクター(H29年現在)薬科大学卒業後、営業職に従事。その後メンタル専門の薬剤師となり、延べ5万人以上の「眠りの悩み」に関わる。2011年独立。睡眠活用の専門家として、社会人が今よりもっと輝くための『ハイパフォーマンス睡眠法』や『生産性向上のためのセルフリーダーシップ睡眠研修』など、セミナーや講演、企業研修を実施。体感型ワークを多く取り入れた講座は、「すぐに実践できる」「スッキリ起きられるようになった」「仕事の効率化が計れた」「働き方改革に繋がった」など、好評を博している。
スリープ・パフォーマンス カンパニー https://sleep-perform.com/
快眠サロン水月~mizuki~   https://mizuki-kaimin.com/
新聞コラム連載・各種メディアでのコラム執筆や、TV出演等も行っている。
*著書:『できる大人の9割がやっている 得する睡眠法』(宝島社)

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