夏のイライラは「脳の季節反応」

スレスフルな社会生活に果敢に立ち向かっている現代人は誰もがメゲたり、凹んだりします。その理由もメカニズムもさまざまです。 「エゴ・レジリエンス」とは、日々のストレスをうまく調整して元気な自分を維持する力、誰もが持っているパーソナリティの弾力的な力です。「エゴ・レジリエンス」を高めることで自我のバランスをとる力が強化され、メゲても凹んでも、すぐに立ち直ることができるのです。
エゴレジ研究所の小野寺と畑が、「エゴ・レジリエンス」関連のお役立ち情報を提供し、あなたの元気をサポートします。

夏になると、些細なことでイラッとしたり、判断が雑になったり、集中できなくなることがあります。これは性格の問題ではなく、脳と自律神経が“暑さという環境ストレス”にさらされることで起きる季節性の反応なのです。人間の脳は、気温が上がるだけで働き方が変わり、その変化が、私たちの感情や行動に影響を及ぼしています。そこで今回は、脳の季節反応についてのお話です。

暑さと「脳の温度管理システム」

暑さに反応する脳・自律神経・睡眠の変化が関係しています。『夏の脳』の仕組みを知ることは、自分を責めずに上手にセルフケアする第一歩です。

夏は、体温上昇や脱水、暑熱ストレスが続くと前頭部への血流や脳活動効率が低下しやすくなります。その結果、前頭前野の働きが低下します。
前頭前野は、
●感情のブレーキ
●判断
●集中
を司る領域。ここが弱まると、
「怒りやすい」「判断が雑になる」「集中が続かない」という夏特有のメンタル症状が現れます。
研究では、30℃を超える環境で認知パフォーマンスが10〜20%低下することも示されています。

暑さは身体にとってストレス刺激。ストレス状態では扁桃体を中心とする情動回路が過敏になりやすくなります。前頭前野が弱まり(ブレーキ)、扁桃体が強まる(アクセル)という組み合わせが、感情が暴走しやすい“夏の脳”をつくるようです。
●些細なことでイラッとする
●不安や警戒心が強まる
●感情の起伏が激しくなる
これらは脳の構造的な反応であり、個人の意志の弱さやパーソナリティによるものではありません。

また、体温調整は大量のエネルギーを消費します。さらに夏は睡眠の質が落ちやすく、脳の回復が不十分になります。
その結果、脳は“省エネモード”に入り、
●思考が浅くなる
●感情が不安定になる
●刺激に反応しやすくなる
といった状態が生まれます。睡眠不足は前頭前野の機能低下と情緒不安定を引き起こすことが知られており、暑さによる睡眠の乱れは翌日のイライラを増幅させることにもなります。

自律神経の疲労とイライラ

夏は、交感神経と副交感神経が激しく揺さぶられる季節です。たとえば、
暑さ → 交感神経が過剰に働く
屋外の暑さと屋内の冷房との温度差 → 副交感神経が急に優位になる
自律神経は体温調節のために繰り返し働くことになり、疲労しやすくなります。
自律神経が疲れると、
●気分が乱れやすい
●イライラしやすくなる
●意欲が低下する
など、「夏バテの心の症状」が現れます。
それは、
暑さ → 体温調整で脳の血流が減る
前頭前野の働き低下 → 感情のブレーキが弱まる
扁桃体が過敏化 → 怒り・不安が増える
睡眠の質低下 → 翌日の情緒不安定が加速
自律神経疲労 → 気分の乱れが続く
こうした因果ループによって夏のイライラは起きるのです。
夏のイライラは「脳 × 自律神経 × 睡眠」の複合反応といえるでしょう。

イライラを減らす科学的セルフケア

夏のイライラは、脳の生理反応だからこそ、行動で予防できます。
●体温マネジメント(首元の冷却・ぬるめ入浴)
●前頭前野を整える呼吸法(1分のゆっくり呼吸)
●環境調整(室温26〜28℃、湿度50〜60%)
●睡眠の規則性(起床時刻固定が最も効果的)
●自律神経ケア(軽いストレッチ・深呼吸・アロマテラピーなど)
夏のイライラは、脳の温度管理負荷と自律神経の疲労が生む“季節性の脳反応”です。生理学的な現象だからこそ、行動で予防できると考えられます。

以上、エゴレジ研究所から、脳の季節反応についてご紹介しました。暑さは変えられません。でも、その暑さにどう適応するかは選ぶことができます。脳・自律神経・睡眠を整える小さな習慣の積み重ねが、環境の変化にしなやかに対応する「エゴ・レジリエンス」を育て、夏だけでなく、変化の多いこれからの時代を健やかに生きる力につながっていくでしょう。

 

エゴレジ研究所は,生涯発達心理学,パーソナリティ心理学,ポジティブ心理学の領域からの調査研究の成果を活かし,「エゴ・レジリエンス」をキー・コンセプトとして,いきいきと人生を楽しむことができる社会の実現に貢献することを目指しています。

あなたの元気のアドバイザー「エゴレジ研究所」
https://egoresilabo.com/

<プロフィール>

代表 小野寺敦子/ 心理学博士

目白大学 人間学部心理カウンセリング学科教授
・・・・同校 心理学研究科大学院修士課程教授
・・・・同校 心理学研究科博士後期課程教授
臨床発達心理士・三越伊勢丹アポセカリー顧問
NPO法人フレンズスクエア 代表理事

GM 畑 潮/心理学博士
GCDFキャリアカウンセラー
健康リズムカウンセラー

 

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